「給与計算自体は少人数なら

Excelでも出来なくはないと思う。

 

けど、顧問先2件しか受けへんのとちゃうやろ?

今後、顧問先が増えていけば

この前紹介した社労夢のような業務システムは必要になるで。」

 

 

とトド先生は言った。

 

 

社労夢の導入を一度は決めていたパンダであったが

いざ、導入するとなると初期費用や運用費用がかかるため

2件の顧問料からその費用を支払うことを躊躇していた。

 

 

パンダが黙っていると

トド先生は続けてこう言った。

 

 

「前にも言ったと思うけど、

名刺は自分で家庭用プリンターで印刷したものと

印刷業者に頼んで作ったものと

どっちがいいと思う?

 

お客さんからしたら、

受け取った名刺の文字が不鮮明で

ミシン目に沿って切った跡が残ってたら

『この事務所で大丈夫か?』

って不安になるやろ。

 

それと同じで、

給与システムから印刷した明細書と

Excelで印刷した明細書では

お客さんに対する印象は変わると思う。

 

お客さんの立場になったときに

どっちで作った明細書を受け取りたい?」

 

 

 

「もちろん、給与システムから印刷した明細書です。」

 

とパンダは答えた。

 

 

「そうやろ、だったら業務システムは

今後、社労士事務所をやっていく上では

絶対必要やで。

 

社労夢やったら、給与計算機能もあるし

うちの事務所でも使ってるから

操作方法とか分からんことがあれば

教えれるよ」

 

 

とトド先生から言われ

 

 

「そうですね。

やっぱり社労夢を導入することにします!」

 

とパンダは言った。

 

 

 

 

トド先生の事務所を後にしたパンダは

早速、社労夢の営業担当者に電話をかけ、

社労夢を導入すると伝えた。

 

 

 

顧問先2社の給与計算の代行は

1社が12月支給分から

もう1社が1月支給分から

だった。

 

 

社労夢は11月の中旬から操作できると

営業担当者から言われたので、

最初の給与計算から社労夢を使うことができる。

 

 

とりあえず一安心。

 

 

と思ったパンダであったが、ふと思った。

 

給与計算を行うためには従業員の情報や労働条件、

手当の内容、計算方法を確認しなければならない。

 

 

また、変形労働時間制やフレックスタイムなどの

特殊の勤務時間制度を使用している会社であれば

就業規則や労使協定の内容も

確認しなければならない。

 

 

パンダはそれぞれの会社に対して

給与計算の代行を行うにあたり

ヒアリングすべきことをまとめることにした。

 

 

 

・始業時刻、終業時刻、休憩時間

・従業員の基本給、手当の額

・入社年月日、生年月日、性別、住所

・変形労働時間制を適用するか

・割増賃金の計算方法

・就業規則、賃金規程の有無

 

 

顧問先の1社であるイタリア料理店は

これから事業をスタートするため

賃金の額や計算方法については

これから決めていく必要がある。

 

 

これから忙しくなるな。

 

 

と思いながら

パンダは顧問先に対する

社労士としての仕事がスタートすることに

気持ちが高ぶっていた。

 

 

 

 

⇒ 第62話へ続く