トド先生から

助成金の申請をやってみるか

と言われたが

 

 

パンダはこれまで

助成金の申請は一度もしたことがない。

 

 

社会保険、雇用保険の手続きや

給与計算の仕事は

これまで勤めていた会社で

多少の経験があったので

なんとか出来そうな気がしていたが

 

 

助成金申請は

過去、一度も携わったことが無く

自信はなかった。

 

 

とりあえず、どういう助成金なのか

聞いてみると

キャリアアップ助成金の申請だった。

 

 

トド先生の事務所の従業員で

半年以内に正社員登用する予定の方が

2名いて

その方々の申請をやってみるか

とのこと。

 

 

経験がないので不安は大きかったが

助成金の申請の仕事は

社労士にとっては避けられないもの。

 

 

パンダはトド先生の事務所で

勤務する従業員の

キャリアアップ助成金の申請代行を

受けることにした。

 

 

 

パンダにとっては開業後

これが初めての仕事の依頼。

 

同業者のトド先生から

お情けでいただいたものではあるが

記念すべき1発目の仕事となった。

 


前述の通り

キャリアアップ助成金の申請を

初めて行うため

 

事前に厚生労働省のホームページで

キャリアアップ助成金の

申請方法について記載された資料を

ダウンロードし、

一通り目を通した。

 

 

キャリアアップ助成金は

コースがいくつか分かれているが

今回申請しようとしているのは

正社員化コース

 

 

正社員化コースの受給要件は

 

6ヶ月以上継続して勤務している

契約社員を正社員転換試験を通じて

正社員に登用し、

 

正社員登用時には

これまでよりも賃金を5%以上

昇給させる

 

ことが求められていた。

 

 

 

そして後日、詳細を聞くために

トド先生の事務所を訪問した。

 

 

 

対象者の社員情報と

事務所の就業規則、

労働条件通知書、

正社員登用予定日などを

確認し、必要となりそうな資料を

受け取った。

 

 

トド先生からは

「俺からは何も指示せんから

 自分の思うようにやってみていいよ」

 

 

と言われ、逆に不安になったが

とりあえずパンダにとって初めての

仕事でもあり、

責任をもってこの仕事を完遂しよう

と思った。

 

 

 

トド先生の事務所で

キャリアアップ助成金についての

情報を受け取り、

事務所を出ようかなと思っていたとき

 

トド先生から思いがけない相談を

持ちかけられた。

 

 

「実は、近々従業員が退職することになって

 1人従業員を補充しようと思ってんねん。

 パンダがうちに来てくれたら、俺も助かるし

 パンダにとっても社労士業務を覚えれるやろうし

 どうやろう?」

 

 

予想もしていなかったことなので

パンダは少し考えた。

 

 

開業して半年、

仕事の依頼も全然来ないし

社労士としての仕事については無知である。

一定期間、修行してみるのもありかも。

 

と思う一方で

 

開業したのは、

組織の中で上司の指示のもと動くのではなく

自分自身が経営に携わりたい

と思ったからだし、

 

その思いが、長い受験生活を経て

ようやく届き、今まさにスタートラインを

切ったばかり。

 

 

非常に有難い誘いではあるし、

面倒見のいいトド先生の元で

働くことは大きなプラスになるのは

間違いなかったが

 

 

パンダは開業社労士でありたい

という思いが勝り、

 

しばらく考えた後に

トド先生には

”折角のお誘いですが、もう少し

 自分がどこまで開業社労士として

 できるかチャレンジしてみたいです。”

と伝えた。

 

 

すると、トド先生からは

 

「まぁ、そうやな・・・」

 

と少し残念そうな表情を浮かべながら

続けてこう言った。

 

 

「わかった。じゃあ今の話は忘れてくれていいから。

 もちろん、誘いを断ったからといって

 これまで通り、分からんことがあったら

 いつでも聞いてくれたらいいから。」

 

 

パンダは

”ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします”

と答えた。

 

 

ここで話が一旦終わったように

見えたのだが

トド先生からこの後さらに

思いがけないことを言われた。

 

 

 

⇒ 第43話へ続く