これまで私たちは、
不安やパニック、人間関係の悩みなど、
さまざまな「心の問題」に関わってきました。
苦しみを抱える方々と向き合う中で、
一つの共通点が見えてきました。
それは、
多くの人が苦しみそのものよりも、
「どうしたらいいか分からなくなっている」
という状態に置かれていることでした。
何を優先すればいいのか。
誰に相談すればいいのか。
このままでいいのか。
動くべきなのか。
待つべきなのか。
こうした判断が難しくなると、
人は不安を感じます。
そして不安が大きくなると、
さらに判断が難しくなります。
つまり、
心の問題と判断の問題は、
別々ではなく深くつながっています。
私たちは当初、
この現象を個人の問題として見ていました。
しかし、
さまざまな場面を見ていく中で、
同じようなことが組織や地域でも起きていることに気づきました。
情報はあるのに決められない。
話し合っているのに進まない。
同じ出来事を見ているのに、
認識が揃わない。
結果として、
誰も動けなくなる。
これは個人だけの問題ではありませんでした。
むしろ、
人と人との間で現実が共有されていないときに、
繰り返し起きる現象でした。
そのため私たちの関心は、
次第に「心そのもの」から、
「判断を支える土台」へと広がっていきました。
人は、
現実を正しく共有できるとき、
判断しやすくなります。
そして、
判断できるとき、
不安は必要以上に膨らみにくくなります。
だから私たちは、
心の備蓄を
「心を強くする活動」
ではなく、
「判断を支える土台づくり」
として考えるようになりました。
心の問題に向き合ってきたからこそ、
私たちは判断の問題にたどり着いたのです。
心の備蓄実装プロジェクト
Psychological Stock Implementation Project(PSI-Project)