「縁がある」ってこういうことなんだなと感じる出来事がありました。
でうくはこの日、普通に仕事でした。
でうくさ、宮城各地を飛び回り、相手先とやり取りをするさながら孤独のグルメの五郎さみたいなこともするんだけど、この日はまさに、出先からの出張というはしごで仙台も越え岩沼市まで足を運ぶことになったのでした。
しかも、電車で
電車だと時刻表に合わせて行動しないとならないことと、駅周辺が閑散としていると時間調整をする場所や腹を満たしたい時に詰むので、下調べをしておきたいところですが、着いてみないとわからないことも多い。初めて行く土地だと徒歩○分の場所でも、経験のある土地と比べると方向感覚などがうまく働かず必要以上に時間がかかったり。
あとまずだいたい時間に余裕を持った行動がなかなか難しい中堅社畜ちゃんなので、お昼を食いっぱぐれることもしばしば。
JR岩沼駅に降り立ったとき、あ・・・これはお昼なしコースかも・・・とお察ししたのでした。
駅周辺に全くないわけではないんだけどさ、こういうときって、訪問場所と同じ方角にあるお店を選ぶことも非常に重要じゃない
しかも人間の足では移動距離も限られてくるので、やたらめったらな動きもできない。
竹駒神社が方角的には同じで敷地内にレストランもあるようだから、案ずるより産むが易しで行ってみるか・・・・・・店休日やら混んでいるやらでお昼を食いっぱぐれたなら、普通にお参りすればいいもんな。
ふおぉ・・・でけぇ・・・・・・
お参りしたい気持ちを押し殺し、まずは己の空腹を満たすことを考える。だいたいさ、日本三大稲荷と謳われるような立派な社殿を横目に、一直線に境内の飲食店に駆け込むってそうそうあるいや、あたしも通常であればそうしないんだども、これ、仕事帰りに神社に寄れるパティーンだなと思い、後で改めてお参りに来るから、まずは飯さ恵んでくれ
と今思えばものすごい願掛けをしておりましたよね。五穀豊穣の神だしね。
境内のカフェで恵んでもらったおひるごはん。お客さんで結構賑わっていたのでこれは注文してもなかなか来ないパティーンか・・・と思いましたが、サッと出てきそうなものを選択したことが功を奏したのか、想像していたよりも待たずに出てきました。
こちらのメニューは「おむすび縁結び御膳」。1430円と観光地価格ではあるけれど、小ぶりのおむすびは鮭・梅・すじこと、恐らく仙台麩かな?を入れたお味噌汁、女川町産の焼き牡蠣、唐揚げ、茶碗蒸し、田楽味噌を乗せたこんにゃくと、いずれも少しずつながらちょこちょことまんべんなく味わえる満足感の高いもの。これでこの後の仕事も戦える
メニューを注文すると引くことができるおみくじでは見事に凶を引き当てましたがね・・・・・・
おひるごはんを食べたカフェは『竹駒の杜 CAFÉ 一粒万倍』というお店で、今年の1月にオープンしたばかりとのこと。仙台駅直結のエスパルに『東北カフェ&バル トレジオン』という飲食店があるのですが、そちらと同じ会社が経営しているそうです。
この日は微妙に寒さが緩んだ日だったか・・・な?陽当たりの良い楼門の前にある桜の木は花が咲いていて、その景色もこのカフェから楽しめる。
カフェを出てすぐ近くに神輿堂があり、どうやら通常は扉が閉まっているようなのですがこの日は開いていましたね(というか作業中でしたね)。一昨年夏に鹽竈(しおがま)神社に行ったときも通常は外に出ていない神輿が出ていたりと、お神輿とは妙に縁のあるでうく。
みやぎおみこし図鑑でも作るか(爆)
唐門だけ撮影して戦地に赴く。皆さん、この唐門の写真を目に焼きつけてください、夕方はこれがエモくなるから
では、いったんさらば
こぎつね押さえつけられてるのがかわいい。めっされとる。
このおきつねさんが押さえている玉のようなものが、どうやら竹駒神社のシンボルのようですぜ。
~社畜中~
案の定、終了したのが夕刻のちょうどよき時間。狙ったわけではない。
終業時間を過ぎ、直帰コースだったため、帰路を急ぐ必要もなく竹駒神社に寄れることに。
社殿。
竹駒神社はかなり有名な神社なので、この記事で説明するまでもないかもしれないけれど、ざっというと承和9(842)年の平安時代、閻魔大王の補佐をしていたとの逸話をもつ小野 篁(おのの・たかむら)が陸奥国司時代に創建したとされるもの。
社殿は宝永7(1710)年、仙台伊達家5代目藩主・吉村によって造営されていたものの、平成2(1990)年に新左翼団体である革命的労働者協会に放火され、消失。上の写真にあるような現在の社殿は平成6(1994)年に再建されたもので、この社殿の地下に、かつての社殿の跡地(元宮)があるらしい。
社殿の左側から入ってみよう。
なんだか熊本城本丸御殿の「闇(くらが)り通路」を思い出すな。
元宮跡地。
説明には「平成3年の御鎮座1150年の記念事業を控えていたところで、皇室行事に反対する過激派の暴挙により、280余年の歴史を有する市文化財が消失した」旨が書かれています。
半地下の通路は通り抜けできるようになっていて、この先こそが霊験あらたかな奥宮らしい。
元宮跡地を抜けるとこんな光景が目に入る。
振り返るとこんな感じ。
命婦社の前にいる狛狐は、右が父狐、左が母狐で、母狐は子ぎつねの授乳をしている様子。
赤い鳥居の社は命婦社(みょうぶしゃ)であり、霊感の強い人はものすごくエネルギーを感じるらしい。
命婦(みょうぶ)とは稲荷の神の遣い、即ちおきつねさまのことで、自分の願いを神に届けてほしいときつねに願う信仰の形態であることから、命婦信仰といい、神だけではなく神の遣いであるきつねも祀っているのだという。
そういえば、「お稲荷さんを祀る」神社は多いし、お稲荷さん=きつねと勘違いしてしまいやすいけど、きつねはあくまで狛犬ならぬ狛狐であってきつね自身が祀られているわけではないのよね。
きつねを祀っている神社を見られたのはなんだか嬉しいなあ
この三つの玉は如意宝珠というらしいけど、境内の入口の狛狐さんも持っていませんでした
そして、こちらが奥宮。
千本鳥居が立派。上ってみましょう。
造りは慎ましやかだけど、やっぱり空気感は違うよね。
神と同じ視点に立ってみる(罰当たりすぎる)。
このあたりで陽もだいぶ傾いてきて、そろそろ神社も閉まりますよ的な気配。社殿の右側に出て一周し、今度は境内社を見ていくぅ
境内社は全部で六社。
北野神社(祭神:菅原道真)
秋葉神社(祭神:火産霊神)
出雲神社(祭神:大国主神・蛭子神)
総社宮(祭神:管内の全神社の祭神)
八幡神社(祭神:応神天皇)
愛宕神社(祭神:迦具土神)
こうやって見ると火にまつわる神や攻撃力の高い神が多い気がしますねぇ。なんか血の気が多そうです(爆)
竹駒神社の境内社で面白いところは、社の一つ一つの造りが凝っているところです。特に、愛宕神社と出雲神社はとてもこだわりを感じる。
愛宕神社はとにかくでかい。主張が激しい。この写真ではわかりにくいかもですが、道端にあるような祠の神社、例えば台原和霊神社なんかよりもふつーにでかいです。境内社ですていうノリじゃないんよ。
出雲神社は造りに気合いが入ってる。というのも、出雲大社の本殿の8分の1スケールなのだと。建立は昭和31(1956)年と、結構若めの神社。
奥から、総社宮、八幡神社。
左から、北野神社、秋葉神社。
いよいよもって閉門の刻迫る。
ひとしきり見学もできたので、唐門をくぐり、振り返ると・・・・・・
え、エモッ。夕陽がちょうど門の隙間を縫って差しておる。
そしてほどなくして閉門。ええもん見さしてもらいましたわ・・・・・・
立派な随身門。我らに残されたことは、境内から出ることだけ。
後になって知ったのですが、境内には他に御神田があったらしく、田んぼと、それこそきつねを遣いにしている宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀る宇賀神社があるとのこと。えーッ気づかなかったーッ
むしろメインじゃんんーッ
先ほどとは違う鳥居。こちらの方が立派なので、どうやら正式な入口はこちらのよう。
しかしまぁ、行こうと計画しなければなかなか縁のある地域ではありませんが、いい感じに都合が合ったことには驚き
何気におひるごはんまでしっかり楽しめたのは、ここまで縁があるかと感じたとともに、「こういうのでいいんだよ」・・・と、最後まで孤独のグルメ的心境でおりました