藩校時習館について詳しく書いているサイトが意外にも少ないので、半分ノリで紹介ページを作ってみた。
※時習館は現存しません。(熊本城横にありました。現在は二の丸公園になっています)

 

 

 

レンコンおいでよ時習館レンコン

 

 


熊本藩校・時習館の扁額(初代学長・秋山 玉山筆)


1.1. 沿革
  藩校時習館は、細川家第8代藩主・重賢(しげかた)が設立し、宝暦5(1755)年に豊後鶴崎(大分市)の漢学者・秋山 玉山(あきやま・ぎょくざん)を初代教授に迎え開校した藩校です。熊本藩では伝統的に陽明学による教育が主流で、朱子学を官学とした徳川幕府との間でガチバトルが展開しておりました。初代教授・玉山の時代までその影響はみられ、古学(陽明学)と朱子学の折衷授業が行われていましたが、2代目教授である藪 孤山(やぶ・こざん)以降、学風は朱子学に一本化されました。

1.2. 教育方針

  文武両道、質実剛健
  時習館は、人材育成に力を入れています。

  時習館の精神「仁義礼智信」
  時習館では、文武はもちろんのこと礼儀・礼節を大変重んじます。人と人との関わりを大切にしています。

  体罰禁止
  他の藩校には見られない方針に、初代教授・秋山 玉山先生は『時習館学規』の中で体罰禁止を表明しています。「子どもは性(さが)として遊戯を好むものだ。強いて罰して学校を牢獄のように恐れさせることは、人材育成の本意ではない」として、本学ではタイムアウト法(子どもを別室に移し、落ち着かせる方法。時習館では別室を「縄愆庁(じょうけんちょう)」と言いました)を採用し、学生が自ら反省するよう促します。

 


授業時間
朝出・・・AM 6:00~AM 10:00
昼出・・・AM 10:00~PM 2:00
※朝出か、昼出かは
連(れん)
によって異なりますので、保護者の方は確認をお願いします。
※連に所属していないお子さんは、ご家庭の事情に合わせて都合のよい時間にお越しください。



入学制度

入学は8歳(数え年か満年齢かは不明)より受け付けております。
学問に定年なし!退学届を出さない限り、ゆっくりみっちり、あなたのペースで勉強できます。(ただし、落第あり)
※初登校の際は、受け持ちの句読師(くとうし)に迎えに来てもらってくださいね。

『連』および受け持ちの句読師についての説明はこちら → 『自治組織・連について』


〈初等教育〉
句読生(くとうせい)・・・215名程度
習書生・・・170名程度
蒙養生(もうようせい)・・・145名程度


蒙養生から講堂生への進級試験は13, 4歳を目途にしています。
だいたい16, 7歳程度で合格する学生が多いです。

〈中等教育〉
講堂生
・・・講堂生のうち優秀であり、かつもっと勉学に励みたい!という人は菁莪生(せいがせい)に進級できるチャンスがあります。
学問に定年なし!一生を学問で食べていくと決めたあなたを、時習館は全面バックアップします!
(維新の十傑・横井 小楠先生を、8歳から29歳まで支えた実績!)

〈高等教育〉
菁莪生(せいがせい)・・・25名程度


菁莪生になるとこんな特典が!
・3年を一期として寮に入る。特に問題がない限りいつまででもいてOK!寮費は時習館が負担!
・毎年、銀5枚または米10俵プレゼント!
・江戸やその他の学校に遊学のチャンス!

・遊学が7年に及ぶ士分の学生には藩主が紋付麻裃をプレゼント!



すべてをサポートする教職員
総教・・・1名
教授・・・1名
助教・・・1名
訓導・・・6名   ※教諭
句読師(くとうし)・・・10名   ※『論語』などの読み方を教える先生
習書師・・・4名   ※書道の先生
故実師・・・1名
数学師・・・7名
幼儀師・・・2名   ※礼儀作法を教える先生

居合師・・・11名、剣術師・・・16名などの軍学武芸師数十名

軍学武芸師範には、池田屋事件で有名な宮部 鼎蔵先生がいらっしゃいます!



多岐にわたるカリキュラム編成
〈文芸〉
漢学、習学、習礼、算術、天文測量、音楽、故実

〈武芸〉
馬術、居合、薙刀、剣術、槍術、砲術、火術船軍術、軍学、柔術、棒野大刀、陣貝太鼓

〈その他〉
犬追物、遊泳

教科書・・・四書五経。時習館では、特に『論語』を重視しています。
『論語』の中の「学んで時にこれを習う、またよろこばしからずや」が時習館の名の由来です。



充実した施設・設備
〈文芸教授所〉
尊明閣・・・訓導による全体教育の部屋。講堂。
句読斎(くとうさい)・・・句読生の教室。素読、習字を勉強します。蒙養生がサポートすることも。
習書斎・・・習書生の教室。習礼(幼儀)や算術などの諸教科の勉強はこの学年から。
菁莪斎(せいがさい)・・・菁莪生の寄宿舎。
他に、講芸斎、文庫など。文庫の蔵書数はなんと約12000冊!!

〈武芸演習所〉
東榭(とうしゃ)・西榭(せいしゃ)、射場、追廻馬場(おいまわしばば)



~藩校時習館のココがスゴイ!~
武士の子じゃなくても入学できます!
優秀な子であれば、推薦によって誰でも句読生から入ることができます。入学実績は軽輩・陪臣・農商の子。中には、卒業後教員に登用された人もいるんですよ!

他国(他県)・他分野からの入学も大歓迎!
他国から入学して時習館教官の直弟子となることも可能。遊学(留学)制度も充実。更に、近郊にある医学校・再春館からの留学生もいるので、国も分野も関係ないない。すぐに馴染めます!

時習館では、試験制度を導入しています。
生徒の学力向上のため、月に一度の月次試験と、隔年で春と秋に定期試験を行なっています。
月次試験では、教授、助教、学校目付と訓導が一人ずつ列席し、菁莪生には輪講、句読生には読書、習書生には席書(即興で書画を書くこと)を課しています。
定期試験では、文芸試験を教授と助教が、武芸試験を学校目付が担当し、全教科の実技試験を行ないます。
全てを忘れてもなお残っているもの・・・それが教育だという信念のもと、時習館はそこを譲りません。


君たちの頑張り、ちゃんと見ています!
時習館では「勘考簿(かんこうぼ)」を作っており、一人ひとりの出欠を記録しています。
句読・習書生は3、6、9年、講堂生は6年精勤すれば必ず褒賞されますし、8、9年精勤して学問的に進歩の見られた講堂生には紋付麻裃を藩主がプレゼントします!徒士や足軽の人は裃でなく金子ですが、菁莪生になると身分に関係なく銀5枚または米10俵をもらえますよ!(詳しくは『菁莪生の特典』を読んでくださいね!)



卒業生の声・・・
流れ星
数多くの卒業生が藩の内外で活躍しています。

・「オレらも学校作ったったw」(薩摩・Aさん/佐賀・Iさん) 
 嬉しいことです。時習館で学んだことが薩摩藩校造士館や佐賀藩校弘道館の設立に役立ったようです。

・「越前藩にヘッドハンティングされちまったいw」(市内沼山津・S. Yさん)
 それは良かった。謝るのでそろそろ故郷への貢献もよろしくお願いします。

・「なんか塾を開いたら新興宗教の教祖っぽい扱いを受けるようになったんだが」(市内千葉城・O. Hさん/中途退学)
 それほど時習館で培った力は大きかったということですね。ただ、あなたの弟子たちちょっと暴走しすぎですよ。



キラキラお礼の声も届いています!キラキラ
・「訪問した時に良くしてもらったから今度ガトリング砲を一発くれてやるよ」
(越後・河井 継之助先生)
 うわぁ、ありがとうございます!ところで、あなた誰かに似ているってよく言われません?

 

 

 

ハート藩校時習館は、皆さんのご入学を心よりお待ちしておりますハート
※時習館は現存しません。