FRBの利下げは年内3回から2回に 原油高と人件費高がインフレ抑制に障壁に

 

4/8現在、米10年国債の利回りが4.4%を超えてきている。

 

米国のインフレ率低下、金利引き下げの動きにブレーキがかかりそうな情勢だ。

 

大きな原因は原油高と人件費高である。

 

◆ 原油価格の上昇

 

北海ブレント原油の価格は足元で1バレル=90ドルを上回ってきている。

 

原因は地政学的リスクの高まりだ。

 

イスラエルが4/1にシリアのイラン大使館周辺を空爆した。

 

これを受けてイランはイスラエルに対して報復することを発表している。

 

イスラエルは、現在ガザ地区を支配しているイスラム過激派組織ハマスと戦闘状態にあるが、イスラエルはハマスの背後にはイランがいると睨んでいるし、イランの核開発にも過敏になっている。

 

イスラエル軍は攻撃への関与を肯定も否定もしていないので、現状では明確なことは言えないのだが、仮にイスラエル軍による攻撃であるとしたら、大使館への攻撃は禁じ手である、国際世論の大きな反発を招くものだ。

 

今のところイランは全面的な報復には出ないという見方が支配的ではあるが、中東情勢がかなり緊迫した状況に陥っていることは確かだ。

 

このような中東情勢の悪化が原油価格の上昇及び今後更に上昇する見通しの背景となっている。

 

原油価格の上昇は米国のインフレ率低下の大きな阻害要因となることは間違いない。

 

◆ 3月の米雇用統計

 

4/5に3月の米雇用統計が発表された。

 

非農業部門雇用者数は前月から30万3,000人増と、市場予想の21万2,000人増を大きく上回った。

 

失業率は3.8%と、2月の3.9%を下回り、労働市場が堅調であることが示された。

 

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楽天グループ、金融事業再編で協議開始 その思惑は?

 

4/1、楽天グループ(楽天G)は金融子会社の再編について協議を始めたと発表した。

 

楽天銀行、楽天証券ホールディングス(楽天証券HD)、楽天カードなどを、10月を目途に1つのグループにまとめる方針だ。

 

楽天Gは金融事業の一体化でシナジー効果があり、グループ化することで事業価値を高められると説明しており、既に上場している楽天銀行を軸に再編を進める案が有力である。

 

楽天銀行の傘下に楽天証券HDや楽天カードを子会社化して置くか、楽天銀行を銀行持株会社化して、その傘下に楽天銀行、楽天証券HD、楽天カードなどを置く案が考えられる。

 

IPO準備をしていた楽天証券HDはIPO準備を中止するとしている。

 

◆ 各社の状況及び企業価値は?

 

楽天銀行は既に上場しているので株式市場で企業価値が付いており、同社の3/1株価の終値ベースでの時価総額は558、344百万円となる。

 

楽天Gは同社の49.26%の株式を保有している。

 

楽天証券HDは未上場であるが、証券会社(第一種金融商品取引業)であるため、決算情報を開示しており、2023年12月期決算は以下のとおりとなっている。

 

売上 110,587百万円

 

経常利益 28,312百万円

 

当期純利益 17,585百万円

 

仮にPER15倍とすると時価総額は263,775百万円となる。

 

同社の株式は楽天Gが51%、みずほ証券が49%を保有している。

 

同社の上場が延期となった原因でもあるが、同社は昨年より株式売買の手数料無料化を実施しており、今後の収益がどうなるか不透明な部分があるのだが。

 

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小林製薬 紅麹サプリで健康被害 なぜ自主回収が遅れたのか?

 

3/22,小林製薬は米こうじの一種である「紅こうじ」成分を配合した機能性表示食品のサプリメントで、接種した40~70代の13人に腎疾患などの報告が出ていると発表した。

 

6人が入院し、うち5人は既に退院、人工透析が一時必要にあった人もいた。(3/24にはサプリを接種して入院した人が新たに50人いたことと、3/26には同社の紅こうじサプリメントを3年間継続して接種した人が腎疾患で2月で死亡していたという発表が追加でされている)

 

同社は自主回収を実施、約30万袋の自主回収などに約18億円の費用を充て、被害者には保証を含めた対応を検討するとしている。

 

また紅こうじを使った製品は小林製薬が自社商品で販売しているだけではなく、原料として他社にも提供されており、「国産いか使用いか塩辛」「いか塩辛3P」などに紅こうじを使っている紀文食品なども自主回収を決めた。

 

他社も自主回収を行っていくものと予想される。

 

◆ なぜ紅こうじで健康被害が起こったのか?

 

なぜ紅こうじで健康被害が起こったのか?

 

結論から言うと、現状では原因は正確に分かっていない。

 

小林製薬は、3月に行った生産データの再確認では「未知の成分」の存在を示す分析結果が出て、自主回収を決めたと発表している。

 

紅こうじについては以前より紅麹菌がつくる有毒性の「シトリニン」の危険性が言われていたが、今回検査ではシトリニンの検出はされなかったようだ。

 

人為的な異物混入については、製造本部長が「工場ではきっちりと入室管理し、決められた従業員しか入れない」と否定しているが、現時点で完全に否定できる状況ではなく、工場の管理体制に何らかの問題があった可能性もある。

 

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