秋の長雨による泥濘の中、お顔合わせ戦線では新たな攻勢がいくつも企図されている。

しかるにマヨエールは新規開拓を行わず、悶々としていた。

 

ネットバンキングの画面を開けば、見慣れぬ女性のゆうちょ銀行の口座が登録されている。

犬の病院代が必要と、人道援助を何回もするハメになったPJの口座だった。

 

これではいかん!

そう決意したマヨエールは出会い系アプリに久々にログインした。攻勢の中心は、勝手知ったる東海地方である。複雑怪奇な名◯の乗り換えも完璧になってしまった。国道バイパスの混雑区間も、一宮インター付近の旅荘も、すべてマスターしている。

 

アプリに新規登録した女性には、凄まじい勢いでメッセージが送られてくる。ほぼ空のプロフでも数十件は来るだろう。

だがそれは

 

会えますか!

 

いくらですか?

 

どこ住み?

 

という一行メッセージのようなものが大半であり、この時点でしっかりしてメッセージで優位に立ち48時間以内に会う約束をとりつけて、72時間以内にお顔合わせ&お味見 を完遂することを目標に、ターゲットを選定した。

 

闇の出会い系アプリも、しっかり探せば肝い長文メッセージが有効なJDや勤労女子がいることにはいるのだが、今回見る限りではそのような逸材はおらず、アルバイトや学生、働いていてもネイルとか飲食、首都圏の女性とはだいぶ違う。

 

長文メッセージは認知負荷をかけるだけで有効ではないと判断したマヨエールは、数行だが必ず相手が反応する場所があり、ラリーにつながるメッセージを心がけた。

ところで、これらの女性は出会い系に登録しただけで、活動への意欲があるかどうかわからない。なのに無駄弾ではないか思われる方もいるだろうが、出会い系サイトに登録する時点で、行きずりの関係を希望していることが多く、そこでOTEATEありで会わないかといえば、すんなり会えることがけっこうある。

 

今回、メッセージが長く続いたのは、専門学校生の岬さん。二年生で来年卒業だそう。

初メッセージから24時間後には、彼女が最近旅行に行ったという渓谷の写真を入手することに成功。マヨエールもお気に入りの立ち食いそばのおきあみ天そばの写真と、自身の写真を送っておいた。

※ ドムであったが作戦は継続することにした

 

ここでメッセージを重ねる手もあるが、彼女は5分おきに、どこ住み? 会おう? みたいなメッセージをもらっている。いつなんどきライバルがあらわれるかわからない。彼女の家の近くのセブンイレブンで待ち合わせ、東海地方に顕著なチェーン「感動の肉と米」で食事をする約束をとりつけた。

 

速度戦の開始である。

 

続く