野良猫の夢
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兎の餅つき

ぺったん

ぺったん

ぺったん…。








月明かり
静かな夜の世界に響く音。







ぺったん

ぺったん

ぺったん…







誰のためともなく
そして誰かのために
兎は餅をつく。







寂しがりやの白兎。
泣きすぎて紅くなったという瞳は本当か?







それを聞くのは野暮ってもん。







ただただ

いつくるか知らない誰かのために

ひたすら…









ぺったん

ぺったん

ぺったんこ…。

背中合わせ

どこまでいっても交わらない。
どうやったって越えられない。
あなたはあたしの皮膚に触れるだけ。
そしてあたしも。




少しいい加減になってみて
やりたいように動いて
周りかき乱して
影で笑いながら

泣いた。




だけど淋しいの。
アナタという異なる器は何処にいらっしゃるのですか?





背中合わせで透明にもなりきれない二人が
沢山の傷を作り
時にわざと深く痛みを切り込めて
その時を待つ。





明日だろうか。

死ぬ間際だろうか。







どうなっても手に入ることなんてない。

だからそばに居てもらえますように
精一杯の想いで愛するよ…。

空模様 心模様

憂鬱な空を見上げて言った。
『いい天気ね』
僕は視線を動かすだけで返事はしなかった。

彼女は時折このような事を言う。
さして返事を期待しているでもなく
まるで見えない何かに囁くようにサラリと言い
すぐに次の話へと切り替わる。

『お腹すいたね。何食べよっか』
全く
女ってのは訳が分からない。

そこがまた
いいのだけど。


簡単に食事を終え外へ出た。
あまりの眩しさに目が眩む。

『ね。いい天気』

横で彼女がいたずらに笑う。
僕は眩しいのにわざと空を見上げた。
白い雲が気持ち良さそうにポッカリと泳いでいた。
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