残酷な情報「マゼンタという色は存在しません」 | Aprikos blogg

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色々ありますが、それでも前を向いて生きようとしているMtFな私の天然ブログです。

こんばんは。(^^)

 

この間、とあるテレビを見ていた時の事、

 

薄い赤っぽい色の服を好む女性に対して、カメラマンらしき人が「ピンクが好きなのですね」と、訊くと突然、その女性は声を荒げて、

 

「これは、マゼンタ!私はマゼンタが好きなの!!」

 

と、叫びました。

 

マゼンタ…薄い本を自腹で作ったことのある方でしたらご存知かもしれませんが、印刷ではカラーを4色で表現し、CMYKの記号で表されます。

 

C…シアン

M…マゼンタ

Y…イエロー

K…ブラック

 

と、なるのですが…

 

ここで残酷なお知らせです。

 

実はマゼンタという色は存在しません。(^^;;

 

でも、赤い色は「マゼンタ」と表記されるのですが、これはどういうこと?

 

と、思われた方も多いと思います。それでは、理由をお話いたしましょう。

 

時は1859年、イタリアのとある場所。

 

ここで、イタリア軍(サルデーニャ王国)と、フランス連合軍が、オーストリア‐ハンガリー帝国軍と熾烈な戦いを行っていました。

 

この時期は、第二次イタリア統一戦争期でもあり、あの長靴の半島は戦場となっておりました。

 

その熾烈な戦いを制したのは、イタリアとフランスの連合軍で、その時の戦勝地が、「マジェンタ」という場所でした。

 

と、同時期に、1952年に発見された赤い染料を基に、色々改良を加えた染料が実用化されました。

 

この時、この染料に誰かは忘れましたが、「マジェンタ」と名付けました。

 

実はこれがマゼンタという色はないという真相です。つまり、マゼンタは都市の名前であり、色の名前ではないのですよね。

 

その証拠に、この色には、最後の戦勝地にちなんで、「ソルフェリーノ」と言われたり、「フクシン」と言われることもあり、異名が多すぎるのです。(^^;;

 

まぁ、マゼンタで通じるので何となくそうなっているので、深く考えない方がよさそうです。A(^^;;

 

因みに、シアンを「青色」と、思われている方々が多いと思いますが、実はこれも違いまして、美術に詳しい方でしたら、この色が「空色」だと気づいていらっしゃると思います。よく一般的に言われている青色は、この空色と、マゼンタを合成して出した色の事で、シアンそのものではないのですよね。ここが光の三原色で作り出す色(加色混合 RGB)と、違っていたりします。(^^;;

 

あ、ついでに、何故黒を、「B…ブラック」と表現せずに、「K」と表現するのか?

 

これはですねぇ~実は印刷の歴史に関係があるのですよ。(^^;;

 

輪郭などを表す版を、「キー・プレート”key plate”」というのですが、この時に用いるインクが黒でして、ここから、黒は「K(日本語の黒ではなく、キー・プレートの頭文字Kから)」となっているのです。

 

#”key tone”からという説もあります。(^^;;

 

更に、光を用いる加色合成では黒は光のない状態で表し、白はRGBの三原色が混ざった状態で表されます。

 

同じく、インクを用いる減色合成では、黒はCMYの三色が混ざった状態で表現可能です。

 

しかし、それで表現された黒はどこかぼやっとしていて(茶色っぽい)、輪郭部分やべた部分がはっきり表現できません。

 

そこで、黒色を加えることで、くっきりはっきりと表現するようにしているのです。あと、文字なども黒だけで表現した方が何かと都合がいいのです。(^^)

 

なので、印刷では、CMYKの4色が用いられています。

 

因みに、減色合成では白は、紙の色そのもので表現しますので、白の鮮やかさは紙質で決定します。新聞紙や週刊誌の紙はどうしても灰色寄りですので、鮮やかに表現出来ない理由はこれなのですよね。(^^;;

 

ついでに、黒を更にくっきりさせたい場合、Kの割合を100として、CMYの色をそれぞれその半分の50程度で4色合成する「リッチ・ブラック」という手法や、全部の色を100で混ぜる「ベタ黒」という手法があります。が、印刷屋さんはこれを嫌うことが(小さな文字とか、QRコードなど、これでやられると特に)ございますのでご注意を。(^^;;

 

 

ヒマワリあぷりこっと

これ、シリーズ化しようかな?好評だったらですが。(^^;;