日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2012年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2012年予選第10問を取り上げ、解説します。

JJMOの予選の最後から3番目の問題は、小学生が解けない問題が多いですが、この問題は小学生でも解ける問題です。

最難関中学校の入試で出されても何の不思議もない問題です。

さて、JJMOの問題を解いてみましょう。

「正の」というのは、0より大きいということです。

約束記号の問題なので、記号の意味をしっかり把握する必要がありますが、S(k)の意味については問題なく把握できるでしょう(もし把握できなければ、k=1、2、3、・・・、9、10、・・・と具体例を考えていけばよいでしょう)。

S(n)/S(n+1)が整数となるというのは、要するに、nに1を足した整数の各位の和が整数nの各位の和を割り切りますよということです。
nの各位の和より(n+1)の各位の和のほうが大きい場合は論外だから、n+1を計算したとき繰上りが生じることになります(9+1=10となり、各位の和が減りますね)。
nは1以上999以下の整数だから、繰上りの回数は最大でも3回ですね。
(あ)繰上りがちょうど3回生じるとき

これは999だけですね(999+1=1000)。
(9+9+9)/(1+0+0+0)=27だから、条件を満たします。
(い)繰上りがちょうど2回生じるとき
1を足すだけなので、一の位で繰り上がり、さらに十の位で繰り上がるときだけですね。
これは□99(□=0、1、2、3、・・・、8)と表される数だけです(□=9のときは、(あ)の場合となってしまうことに気を付けましょう)。
(□+9+9)/((□+1)+0+0)=(□+18)/(□+1)=1+17/(□+1)が整数となるのは、(□+1)が17の約数(1か17)となるとき(既約分数の難問?(早稲田中学校、慶應義塾高校、横浜市立大学の入試問題)の記事で利用した手法と同様ですね)だから、□=0のときだけですね。
(う)繰上りがちょうど1回生じるとき
1を足すだけなので、一の位で繰り上がるときだけですね。
これは△〇9(△=0、1、2、3、・・・、9,〇=0、1、2、3、・・・、8)と表される数だけです(〇=9のときは、(い)の場合(特に、〇=9、△=9の場合は(あ))となってしまうことに気を付けましょう)。
(△+〇+9)/(△+(〇+1)+0)=(△+〇+9)/(△+〇+1)=1+8/(△+〇+1)が整数となるのは、(△+〇+1)が8の約数(1か2か4か8)となるときだけですね。
(△+〇+1)=1のとき、△=〇=0のときだけですね。
(△+〇+1)=2のとき、(△,〇)=(1,0)、(0,1)の2通りだけですね(中学入試にもよく出される和一定の書き出しをするだけです(以下同じ))。
(△+〇+1)=4のとき、(△,〇)=(3,0)、(2,1)、(1,2)、(0,3)の4通りだけですね。
(△+〇+1)=8のとき、(△,〇)=(7,0)、(6,1)、(5,2)、・・・、(0,7)の8通りだけですね。

したがって、条件を満たすnは全部で1+1+1+2+4+8=17個となります。

 

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