日本数学オリンピック(JMO)2012年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック2012年予選第1問を取り上げ、解説します。
一般に、直角三角形の斜辺(直角の向かいの辺)の長さと残り2辺の長さの和か差が与えられると、直角三角形の面積を求めることができます。
その際の手法を用います。
このタイプの問題は中学入試でも出されています(先日取り上げた南山中学校女子部2024年算数第14問を参照)。
さて、JMOの問題を解いてみましょう。

DRの長さ(=APの長さ)とZRの長さ(=QCの長さ)の差は、BPとBQの長さの差(7-6=1)と等しくなります。
これで、上で述べた直角三角形の問題になりましたね。
直角を挟む2辺の長さの差が1で斜辺の長さが5という時点で、3:4:5の直角三角形をイメージし、すぐに3+7=10と答えを求められる小学生も結構いるでしょうね。
ここでは、きっちり解いてみます。

  
長方形SZRDと合同な長方形を4個並べて大きな正方形を作り出します。大きな正方形の一辺の長さは、DRとZRの長さの和となります。
また、次に大きな斜めの正方形(黄色の部分と水色の部分を合わせた図形)の一辺の長さは5となり、中心部分にできる小さな正方形(水色の部分)の一辺の長さは、DRとZRの長さの差(1)となります。
大きな正方形の面積は5×5+(5×5-1×1)=49=7×7となるから、DRとZRの長さの和は7となります。
和差算により、DRの長さは(7-1)/2=3(ZRの長さは(7+1)/2=4)となり、正方形ABCDの一辺の長さは7+3=10となります。

 

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