【感想】 The Bookwalker | 遙か宇宙の彼方へ

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のんびりと更新していく予定です

 The Bookwalker(ザ ブックウォーカー) の感想(レビュー)です

 かなりのネタバレを含む感想(レビュー)です

 見るときに注意してください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


---------キ-------リ-------ト-------リ---------

 

【PV】

 

 

 

【感想】

 

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 雰囲気に惹かれて購入しました

 

 本の中に侵入して盗みを働くという内容に興味を持ち、実際にプレイしてみると様々な世界がある本を探索するのが楽しかったです

 物語主導のアドベンチャーゲームで先が気になるゲームでした

 

 

 グラフィック・音楽について

 

 ゲームが始まって実際に操作するまで実写ムービーに見えました

 

 本の世界へ旅立つときの演出が好きです

 

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 現実世界での効果音が細かく、窓に近寄ったとき、他の住民のドアに近づいたとき など 様々な音が聞こえ臨場感が増します

 

 

 《説明》

 

 アドベンチャーゲームです

 

 

≪操作≫

 

<現実世界>

 

 左スティック:移動

 右スティック:カメラ

 

 ✕ボタン:(マークが表示されたら)インタラクト

 

 オプションボタン:ポーズメニュー

 

<本の世界>

 

 左スティック:移動

 

 R1ボタン:ズームイン・ズームアウト

 

 R2ボタン(長押し):起きる

 L1ボタン:ロデリックに話しかける

 

 ✕ボタン:インタラクト

 ✕ボタン(長押し)+ 左スティック:(十字矢印マークが出たとき)物をスライドさせる

 

 △ボタン:インベントリ

 

 

≪基本≫


 1.現実世界について

 

 (1) +マーク:ドア、メモや新聞の切り抜き

 

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 (2) ?マーク:調べる

 

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 (3) 一番目の依頼をクリアした後から、机に置いてある本でスキルをアップグレードできる

 

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     a.二種類あるアップグレードから一つを選ぶ

 

     (a) 最初は新しいスキルで二回目以降アップグレード

 

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     b.依頼一回につき一つのみ

 

 2.本の世界について

 

 (1) 名称が出たポイントを調べる

 

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     a.選択肢が出ることがある

 

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     b.アイテムが必要なことがあるがアイテムを持っていないと選択できない

 

     (a) アイテムは本の世界を探索して手に入れたり、作業台でクラフトしたり、現実世界で手に入れる

 

     c.インクを消耗して対処する選択肢が出ることがある

 

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 (2) 十字矢印マークはスライドさせることができる物

 (3) 作業台でバール・ロックピック・ブライヤー・インク瓶をクラフトする

 

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     a.材料が必要で本の世界で集める

     b.クラフトした物を次の本に持ち越すことができず、新たに作る


 (4) インベントリ

 

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     a.回復アイテム:戦闘でも使用できる

     b.部品を作る:作業台でクラフトするための材料

     c.詰め込む:インク瓶のインクを作る

     d.クエストアイテム:本の世界で必須なアイテム、作業台でクラフトしたツール

 

 (5) 戦闘

 

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     a.ターン制で、行動ターンは 主人公 → 敵 の順

     b.主人公のターンは下のスキルから一つ選ぶ

 

     (a) 回復アイテムを食べることもできる

         このときアイテムを食べてスキルを選ぶことができる

     (b) インクを消費するスキル(スラッシュ・気絶)

     (c) ドレインはインクを吸収する

 

    c.敵の頭上にあるバーの本数が敵の体力

      体力の上に表示されているのが次に行う行動

 

 (6) 『起きる』と現実世界に戻る

 

     a.現実世界から本の世界に戻ったときは、その場所から始まる

 

 

 ゲーム内容について

 

 エティエンヌ・クイストが何らかの罪で作家の活動が封じられます

 

 自分の住んでいるマンションから始まります

 

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 廊下から音が漏れているので、いい環境のマンションとはいえません

 

 

 現実世界と「本の世界」の二つを行き来するゲームです

 

 現実世界はクイストの住んでいるマンションが舞台です

 一人称視点になっていて狭いマンションを行き来します

 

 

 本の世界がゲームのメインとなります

 本によっていろいろな世界があります

 盗む品物を含めて、どんな世界なのか楽しみでした

 

 たとえば、一冊目の本で盗むのは『不死身の薬の瓶』です

 ブリーフケースに貼られている僅かな情報から本の世界を想像しワクワクしながらダイブします

 

 本の世界で情報を得るにつれ錬金術師が関わっていることがわかります

 

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 錬金術師といえば中世ヨーロッパというイメージがあり、なんとなく中世なのかな?と思っていました

 

 しかし、冒険を進めていくと「現代」の時代となっていることがわかります

 

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 この「本の世界」の作り方がうまいと感心しました

 

 盗品が空想の産物であり中世や神話 など を背景にもっているのに時代は現代や未来 など 盗品とは違う時代になっていて、それらがうまい具合に融合しています

 

 盗品の世界 + 違う時代 = 本の世界 という構図になっています

 

 一冊目の本なら、錬金術師(不死身の薬の瓶 ) + 現代

 二冊目の本なら、北欧神話(トールのハンマー) + 未来

 

 そのため、どのような世界が待ち受けているかワクワクしました

 私は四冊目の本が好きです

 

 

 現実世界では新聞の切り抜きやメモ、電話の内容 など からクイストのことや世界観がわかるようになっています

 

「本の世界」をクリアし、次の「本の世界」に行くまでに結構な時間が流れます

 この辺の設定が細かいです

 

 時間が流れていく変化が如実に現れているのがクイストの部屋です

 趣味なのか不安や落ち着かないという心理の表れなのかわからないけど頻繁に模様替えをしています

 額縁の位置が変わっていたり電話を乗せている物や位置が変わります

 

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 時間が流れるにつれ、クイストが心の平穏を求めているのだと思うようになりました

 

 そんな現実世界での変化が密かな楽しみでもありました

 

 現実世界で奇妙に思うことが実際の人物を見ることがないということです

 

 電話で依頼を受けることになるけど、ブリーフケースは玄関前に置いてあります

 

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 チャイムが鳴った後にタタタッと逃げる音が聞こえます

 

 また、品物を配送員に渡すときも片手しか見えません

 

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「ドアの外に出るな」と警告されてはいるけれども、その後思いっきりドアをバンッと閉じられます

 ちょっとだけイラッとしたので追いかけてやりたいと思ったことがあります

 

 マンションの住民と会話するときはドア越しからです

 アイテムを借りるときもアイテムしか見ることができません

 

 徹底して人物を画面に映さないというのが不穏です

「本の世界」とは違い一人称視点なのでクイスト本人も映らないです

 

 現実世界とは思えない現実の風景です

 

 

 物語を進めていくとクイストのことが徐々にわかっていきます

 しかし、不明なことがあります

 それはクイストの犯した罪。具体的な内容です

 

 それがわかるのは後半に入ってからです

 ここからはいつも楽しみにしていた「本の世界」の探索でも現実世界に繋がるイベントが起こるようになります

 

 

「本の世界」はアドベンチャーゲームだけどゲームブックっぽいと思います

 怪しいポイントに名称が出るので調べると文章と選択肢が出ます

 選んだ結果によって変化が起こります

 たとえば、アイテムが見つかったりダメージを受けたりします

 

 特定のアイテムがないと行動することができない選択肢があります

 

 このゲームでは、アイテムを持っていないときに現実世界で手に入れることができる場合があります

 これがユニークなところで「本の世界」と現実世界がリンクしています

 

 気になる点が怪しいポイントに名称が表示されるけど、その場所に向かないと表示されずシビアなときがありました

 これが地味にストレスになりました

 

 

「本の世界」では戦闘パートがあります

 

 コマンドを選んで戦うターン制バトルです

 

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 3つのコマンドか手に入れた体力回復のアイテムを食べるかを選びます

 

 コマンドは3つあります(後に一個追加される)

 基本的にコマンドを使用するにはインクを消耗し、コマンドに必要なインクがないときはインクを吸収するコマンドを選びます

 

 必ずプレイヤーから行動するし、敵の行動がわかるので戦いやすくなっています

 

 頻繁に戦闘が行われるわけではなく、場合によっては避けることができます

 

 この戦闘もゲームブックのようです

 

 

 本の世界では歩きが遅く走ることができません

 

 最初は走れたらもっとテンポよく探索できるのにって思っていたけど、このゲームの雰囲気には歩いている方がピッタリだと思うようになりました

 

 一つの部屋が割りとミニマムな作りをしているので本を読み進めていくうちに慣れてしまいました

 とはいえ、たとえば、作業台でクラフトしツールを作り、それを他の場所で使うのに行ったり来たりしたりするのはめんどいです

 

 現実世界では遅いとは感じませんでした

 ちょうどいい速度です


 

 私はなんとなくスマートなプレイを心がけようと思って選択肢を選んでいたら、結果的に脳筋プレイになっていました

 ことごとく選択をミスって戦闘になっていました

 

 こんなはずではなかったのに、と思いながら戦闘だけは上手くなっていきました

 

 選んだ項目が酷いので当然酷い目に遭いました

 好奇心が勝ってしまった結果ろくでもない結果となりました

 当然ですね

 

 

 スマートにプレイしようと思った理由は私が描いたクイスト像にあります

 

 現実世界ではクイストが喋るときに非言語の音が少しだけ入ります

 

 現実世界の音や話し方からクイストの雰囲気を想像していたので本の世界での様子にギャップを感じました

 現実世界や本の世界の歩き方とかは渋めの中年というイメージをもっていたけど本の世界での喋り方が砕けた青年という感じです

 

 もう一つスマートなプレイをしたいと思っていた理由がロデリックとの関係です

 私の望まぬ脳筋プレイによって信頼を損なわせる結果となってしまいました

 

 

「本の世界」では相棒のロデリックと探索することになります

 ロデリックは事前調査として、しっかり本を読んでいるようです

 頼りになる相棒です

 

 しかし、クイストは自力で解きたいらしくネタバレ禁止を言います

 

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 その気持ちはわかるけど教えてもらった方がいいのでは、と思います

 プレイヤーはスマートなプレイができない脳筋だから

 

 そんなロデリックとは馬が合わないと序盤は思っていたけど徐々にそういう思いが消えていきました

 いろいろな本を巡るうちにロデリックとのやり取りも楽しくなっていました

 

 そして、ロデリックのことも最後にわかります

 ただし、初見プレイではわかりづらいと思います

 

 私はロデリックとの旅路の終着点をサッパリ理解できませんでした

 

 しかし、一旦クリアした後に、ロデリックとの出会い、そして、一冊目の本巡りをした後の電話で理解しました

 巧妙に伏線が張られ、分散された「点」が繋がっていきます

 

 よく練られた物語です

 クイストは物書きだから、あらかじめプロットを決め、それを実現させたと思っています

 それが、エピローグのオチに繋がったのかと思います

 

 クイストは警察だけではなくプレイヤーすら欺いていたようです

 

 

 その他・まとめ

 

 終盤で英文だけ表示されるところだけ日本語の字幕がないので、ある意味重要な部分が欠けてしまいます

 しかも字幕は自動的に変わるのでわからずじまいです

 

 

 クリア後に続きから始めると最後の本のアイテムをトランクに仕舞うところからです

 ここから長いです

 

 

「本の世界」がどんな内容なのか楽しみで、ゲームブックのように展開するシステム、そして、クイスト自身のことが徐々に理解できる物語と「読む」のが楽しいゲームです

 

 

 お勧めです

 

 

【評価】

 

 ○:世界観、物語
 ○:現実世界と「本の世界」がリンクしているところ

 ○:「本の世界」がゲームブックのようなシステム
 ×:怪しいポイントで名称が出にくいときがある