DUNGEON ENCOUNTERS(ダンジョン エンカウンターズ) の感想(レビュー)です
かなりのネタバレを含む感想(レビュー)です
見るときに注意してください
---------キ-------リ-------ト-------リ---------
【PV】
【感想】
スクウェア・エニックスから、このようなゲームが配信されたことに驚きました(昔は結構いろいろなゲームを発売していたけど…)
また、直近で似たようなゲームが配信されるということにも驚きました
配信日に購入しました(もう一本も購入しています)
見た目にはシンプルで地味なゲームだけど、無駄を削ぎ落としゲームの楽しさを凝縮させたものとなっています
あらゆる所に「数」が関係していて、数で遊ぶゲームと思いました
はまってしまいました
グラフィック・音楽について
シンプルな画面で、ダンジョンはマス目で描かれた床となっています
しかし、背景が凝っています
ショップや施設 など の場所は白色の数字で、敵のいる場所には黒色の数字で表現されています
背景によって、黒色が視認しづらくなっていて、敵の数字や落とし穴(見えるようになるスキルが必要)が見づらくなっていることがありました
背景が凝っているのはエリアの特徴を表しているのでいい表現だけど、黒色の物に対して白抜きにする など の表現があってほしかったです
誤って落とし穴に落ちたり、望んでないときに敵と戦闘になったりしたことがありました
クラシック音楽を編曲していて、主に戦闘で流れます
ダンジョンを探索しているときは効果音のみです
クラシック音楽好きな自分は大歓喜です
いくつか説明つきで紹介します
[1] 生まれる時代が早すぎた作曲家
地底世界:組曲「展覧会の絵」より バーバ・ヤーガの小屋。雌鳥の足の上に立つ小屋(ムソルグスキー)
新世界:交響詩「はげ山の一夜」(ムソルグスキー。リムスキー=コルサコフ編曲)
この2曲はゲームで使用されることが多いクラシック音楽です
たとえば、組曲「展覧会の絵」より バーバ・ヤーガの小屋 は、キャサリン でも使用されています
作曲家ムソルグスキーの音楽が認められたのは死後です
交響詩「はげ山の一夜」はロシア5人組(ロシアの民族音楽を志向して結成されたグループ。ムソルグスキーもその一員)の最年少リムスキー=コルサコフによって、組曲「展覧会の絵」はモーリス・ラヴェルによる編曲によって世に知られました
最近(でもないけど)交響詩「はげ山の一夜」のオリジナル版(原典版)が演奏されるようになりました
交響詩「はげ山の一夜」は悪魔の宴を描写した曲です
原典版の方がピッタリで、リムスキー=コルサコフ版は上品です(リムスキー=コルサコフ版はオリジナル部分を追加しています)
ちなみに、このゲームではリムスキー=コルサコフが作曲した曲も使われています
火山:くまんばちの飛行(リムスキー=コルサコフ)
[2] 言葉によってイメージが変わること
砂漠:叙情小曲集 第5集 第3曲「小人の行進」(グリーグ)
叙情小曲集は全10集あり、全66曲あります
オリジナルはピアノ曲だけど、後に、オーケストラ用に編曲されました
タイトルは、叙情組曲 第4曲「小人の行進」です
原題はノルウェー語で Trolltog、訳すとトロールの行進です
『小人』ということでかわいらしいイメージがあるかと思うけど、正確にはトロールなので醜悪なイメージです
妖精です
グリーグはノルウェーの作曲家です
ノルウェー……というかヨーロッパでは小人や妖怪 など も妖精に含まれます
だから、日本では『小人』に翻訳されたと思います
曲を聞いたときにかわいらしさを感じないのは本来のトロールのイメージからきています
ちなみに、[1]の組曲「展覧会の絵」にも「小人」があるけど正しくは「グノーム」です
小人のようなかわいらしさとは無縁です
ちなみに、「グノーム(ロシア語)」とは「ノーム」のことで、「ノーム」は妖精です
クラシック音楽、かつ、ヨーロッパの作曲家で、タイトルに「小人」が出てきたら本当に「小人」なのか考えてみるといいかと思います
クラシック音楽におけるローカライズミスです
この曲は三部形式(AーBーA)で書いてあり、ゲームで使われているのはAの部分です
[3] 革命で失った故郷
忘れられた世界:練習曲 Op.10 第12番「革命」(ショパン)
霧の丘陵:幻想即興曲(ショパン)
ショパンはポーランド出身の作曲家です
そのポーランドで、ロシアからの反旗を翻すために革命(11月蜂起)が起こります
しかし、ロシアと戦争になり敗北してしまいます
ショパンはフランスに亡命しました
この曲で使用されている「革命」は、故郷を失った悲しみとロシアに対する怒りが込められた作品です
有名な「別れの曲」も「革命」と同じ練習曲の中の一曲です
具体的には、練習曲 Op.10 第3番です
同じ文脈で考えると、恋人との別れではなく故郷を失った別れを描いているのかもしれません。二度と帰ることができない故郷へのノスタルジーです
この「別れの曲」はショパンが名づけたものではなく映画で使用されていて、そこから呼ばれるようになりました
ちなみに[1]の組曲「展覧会の絵」の中に「ブイドロ。ポーランドの牛車」があります
ムソルグスキーはロシアの作曲家です
ムソルグスキーは、このポーランドの革命に対してのロシアの行動を非難しています
しかし、ロシア人がロシアの行動を非難すれば悲惨なことになりかねません
そこで、ブイドロにその思いを込めたと言われています
ブイドロは「家畜のように虐げられた人(ポーランド語)」という意味があります
ロシアによってポーランド人は家畜のように虐げられたことに対する思いが描かれています
実際、ポーランド人はシベリアに連行されています
他に使用されている曲は以下の通りです
1.アカデミー:ピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章(ベートーヴェン)
2.戦闘終了:「アルルの女」第2組曲より第4曲「ファランドール」(ビゼー)
「アルルの女」 第1組曲 第1曲「前奏曲」と同じテーマだけど、使用されているのは「ファランドール」です
この部分は、南フランスの民謡「三人の王の行進」から採られています
このアルルの女の舞台が南フランスのプロヴァンス地方だから、南フランスのプロヴァンス地方の民謡を採用しています
3.荒涼山河:ワルキューレの騎行(ワーグナー)
4.黄昏:交響曲「新世界より」第4楽章(ドボルザーク)
5.氷河:クライスレリアーナ 第7曲(シューマン)
6.異次元空間:練習曲「鉄道」Op.27b(アルカン)
蒸気機関車を描写した曲です
数あるピアノ曲の中でも激ムズです
こういう曲を『超絶技巧』と呼びます
有名な パガニーニによる大練習曲 第3番「ラ・カンパネラ」(リスト)も超絶技巧の一曲です
《説明》
ダンジョン探索RPGです
≪操作≫
左スティック(方向キー):移動
L2・R2ボタン:移動速度変更
L1・R1ボタン:アビリティ切り替え
□ボタン:アビリティ使用
△ボタン:メニュー
左スティック(押し込む):イベントブック
右スティック(押し込む):バトルブック
オプションボタン:ポーズ
≪基本≫
1.戦闘は敵・味方ともに基本的に以下の通りで行う
(1) 物理防御力または魔法防御力をゼロにする
(2) ゼロにした防御力の攻撃方法(物理・魔法)で攻撃するとHPにダメージを与えることができる
a.(1)をしなくても、直接HPにダメージを与える攻撃がある
2.イベントブックに数字に対応した床がどこか記録される
通るだけでは記録されず利用しないとダメ
3.諦めるとレベルを引き継いで最初からプレイするか選択できる
(1) レベル以外リセットされる
アイテム・スキル・スキルポイント・通った床 すべてリセットされる
ゲーム内容について
ゲームを開始すると文章による物語があります
そして、すぐにゲームが始まります
この物語は、ある意味「終わり方」を示しているだけでクリアした後も自由に探索できます
自分が満足したときがクリアしたと言えるゲームかと思います
たとえば、マップをすべて埋める、すべての敵を倒す、すべての武具を手に入れる、ことを目標にしてもいいかと思います
トロフィーを100%にするを目安にしてもいいかと思います
チュートリアルはシンプルで画面の見方が中心です
そのため、細かいことはプレイしながら理解していくこととなります
最初はわからないことだらけでした
最初に悩んだのはパーティーが全滅したときです
全滅したらアカデミー(地下0階)に戻り、再びパーティー編成画面となりました
このとき全滅したメンバーがいなくてキョトンとしました
全滅したメンバーは全滅した場所にいるので、そこに行って回収する必要があります(下のSS)
そして辿り着いたら、メニュー → 編成 を選択するとメンバーの所が白くなっているので、パーティーメンバーの空いたところに戦闘不能のメンバーを入れて『戦闘不能回復』できる床で復活させると加入できるようになります
ちなみに、全滅したときにパーティーメンバーが編成できないとゲームオーバーとなります
このことは一切教えてくれないので、自分で試行錯誤する必要があります
上のSSの戦闘不能のメンバーの座標がヒントになっています
そこに気がつくかです
自分は気づくのが遅くてやり直しました…
試行錯誤することでルールを理解していくゲームは、最近の親切なチュートリアルがあるものとは異なります
自分は試行錯誤しながら少しずつルールを理解していくゲームは好きです
アカデミーのキャラクターリストを見ると行方不明になっているキャラクターが多いです
こちらも、行方不明になったキャラクターの座標まで行ってから回収する必要があります
途中でめんどくなって全員集めていません
マップには白数字と黒数字が書いてある床があります
白数字はショップやHP回復・ステータス異常回復 など 座標が固定されています
黒数字は敵がいる床で階層を訪れる度にランダムとなっています
白数字の中には敵の情報が記載してあるものがあります
情報を入手するとバトルブックに登録され、いつでも見ることができます
マップにある黒数字には、どんな敵がいるか検討がつきます
この情報の中には敵が落とすドロップアイテムとショップに並ぶアイテムが記載してあります
それぞれコモンとレアがあり、ドロップアイテムは戦闘終了の報酬として手に入ることがあります
最初はそこに記載してある『ショップ』の意味がわからず、ドロップアイテムとショップアイテムの違いがわかりませんでした
いつショップに並んでいるかは実際に確かめなければいけないです
わからないのがショップアイテムが手に入る条件です
ドロップアイテムよりも手に入る確率が低いような気がします
レア物専用のショップがあり、そこではショップアイテムで手に入るアイテムを売っています
たまに見に行くけど、なかなか商品が並んでいません
手に入れたアイテムの中には特定のキャラクターでしか装備できない物があります
自分は初期メンバーで攻略してしまったので収集要素と化してしまいました
武具を装備するには装備ポイントが必要です
装備品には装備コストがかかり、装備ポイント内に収める必要があります
いい装備品になるほど装備コストがかかります
後半マップを埋めることを優先していたら装備ポイントがギリ足りなくてレベル上げを頑張りました(それ以外にも方法があります)
ショップで買い物をするにはお金が必要になります
プレイしていてお金で地獄を見たことがあります
様々な攻撃をしてくる敵がいます
その中にトレジャーリセットという名の敵がいます
レベル1だから弱そうと思ったけど、それ以外が高すぎます
倒すまで時間がかかるけど、問題は敵の攻撃手段です
『残高照会』という特殊攻撃をしてきます。お金を盗みます
また、特定のエリアに踏むとお金を失う床(有料床)があります
お金がゼロになると盗まれたり失うことはないと思っていました
しかし、このゲームではゼロになっても終わりではなくマイナスになります
つまり、ドンドン借金することとなります
所持金を見るまでそのことを知らず焦りました
清算するまで大変な目に遭いました
また、モノリスという敵が直接HPにダメージを与えてくる特殊攻撃が地味に嫌いです
というのも、戦闘アビリティ『HP満タン攻撃力倍』の効果がなくなるからです
基本的に敵はエリアによって決まってるけど、時折桁違いに強い敵が出てくることがあります(逆に弱い敵が出てくることもあります)
これも情報を入手していればバトルブックで確認できます
黒数字の番号を見ると、エリアに登場する敵の数字がわかるかと思います
エリアによってマップの構造に特徴があります
たとえば、火山は一本道です
そのため、敵との戦闘を避けることができません
でも、移動アビリティ ムーブ が大活躍できるレベルデザインになっています
フロアのマップをすべて埋めたいという欲求に駆られてしまい、丁寧に全部の床を通るようにしていました
でも一筋縄に行かず苦労しました
隠し床があります
たとえば、アカデミーでは接していない床があります
しかし、見えない床が隠されています
すべてのマップを埋めるには隠し床も通らないといけません
隠し床が多いエリアでは苦労しました
フロアによって特徴があって楽しいけど後半になるとめんどくなりました
特に隠し床が多いエリアと最終エリアは苦労しました
フロアのマップをすべて埋めるとアビリティポイントが手に入ります
このポイントを使って、白数字の床から手に入れたアビリティをセットすることができます
戦闘不能になって大変な目に遭ったので、ステータス異常にかからないようにするアビリティを優先的にセットしました
ちなみに、すべてのマップを埋めるとすべてのスキルをセットできるようになります
こうなると戦闘が簡単になりラスボスも瞬殺でした
すべてのスキルをセットし、レベルは全員100でした
でも、まだ全員の敵と戦っていません
FD・FFが残っています
やり残した敵の一体が『モルモット教授』だけど、戦うのを躊躇しています
とある戦闘で味方キャラクターの一人がモルモットに変身させられました
最初はかわいいと思っていたけど、攻撃が全然当たりません
しかも、モルモット状態を回復する方法がわからず苦労しました
戦闘不能の次にトラウマとなりました
解明していない謎があります
レア物アイテムを売っているショップのラインナップに『モルモットソード』があるけど、たまねぎ剣士のオニオンソードと同じ捉え方でいいのかな?
その他・まとめ
戦闘の報酬で強い武具が手に入ったり、数値問題や地図問題を当てて報酬を手に入れたりするのが楽しいです
でも、数値問題は解く必要があるので苦手な人には鬼門かと思います
ある意味、一番の難問かもしれません
まだ全問解いていないけど、数値問題は『数値』だから、たとえば、身長や体重とかも『数値』に入るので数の問題とは限らないと思います
もしかしたら「知識」が必要?
敵が落とすアイテムが楽しみで、ショップでまだ売っていない強めの(今いるエリアではちょうどいい)武具が手に入るのが楽しいです
すべてやり尽くしたわけではないけど、一応クリアしているので残りは少しずつプレイしようかと思っています
全部の敵の撃破とすべてのアイテムを手に入れて、トラウマとなったモルモットを克服するためにモルモットソードを手に入れたいと思います
数値問題は……最後ら辺は「知識」だと思うけど……
人を選ぶかとは思うけど、無駄を削ぎ落としゲームの面白さを抽出したものとなっています
最初は地味なゲームと思うかもしれないけどプレイしていくうちに徐々に面白くなっていくかと思います
お勧めです
【評価】
○:クラシック音楽をアレンジした曲
○:ゲームの面白さのみを抽出したものになっている
×:エリアによって数字や落とし穴が見づらい
×:詳しいチュートリアルがない → 試行錯誤して理解するのが楽しいと思う人向けです