Manifold Garden(マニフォールド ガーデン) の感想(レビュー)です
かなりのネタバレを含む感想(レビュー)です
見るときに注意してください
---------キ-------リ-------ト-------リ---------
【PV】
【感想】
元々は、Relativity というタイトルで、エッシャーの『相対性』という絵画から採用されたようです
ちなみに、相対性理論(アインシュタイン)の相対性です
先程の Relativity(エッシャー)に用いられている図形は『ペンローズの三角形』という3次元多様体です
この「多様体」の英単語が、Manifold です
多様体とは、線形代数(ベクトルや行列)・微分積分、そして、トポロジーの知識が必要となり大学数学で学習します
多様体の一例として、メビウスの輪があります。2次元多様体です
3次元ではないの?と思うので、補則としてザックリ説明すると、ユークリッド幾何学(高校までに習った図形や空間の学習)と違い、多様体では「図形そのもの」に着目します
だから、メビウスの輪は「曲面」なので2次元となります
エッシャーのアドバイザーであったロジャー・ペンローズの考案した図形を用いてエッシャーは様々な版画絵を残しました
たとえば、『ペンローズの階段』を元に『上昇と下降』(エッシャー)を描きました
このロジャー・ペンローズは、2020年ノーベル物理学賞を授賞しています
ゲームとしては空間把握能力が要求されるパズルゲームで、圧倒される幾何学模様の中を探索していきます
ルートで悩むことはあるけど、ルールはシンプルでわかりやすいです
ただ、とある場面でゲーム酔いすることがあってキツかったです
でも、エンディングを見たときに謎の感動をしてしまいプレイしてよかったと思いました
この感動の理由をずっと考えていたら数ヶ月経ってしまったけど未だにわかりません
グラフィック・音楽について
無限に続く幾何学模様を冒険することになるけれども見るだけでも圧倒されます
闇の立方体を目的地に運んだ後にカレイドスコープのような場面となります
こちらも圧倒的です
エンディングも同様です
このゲームにピッタリの音楽は、ゲームと一緒に聴いた方が合っています
スポティファイにあるけど、聴いていて思いました
《説明》
一人称視点パズルゲームです
≪操作≫
左スティック:移動
右スティック:カメラ
L2ボタン:走る
R2ボタン:重力変更
L1ボタン・R1ボタン:アイテム回転(反時計回り・時計回り)
〇ボタン・×ボタン・□ボタン・△ボタン:調べる
オプションボタン:ポーズメニュー
≪基本≫
1.画面中央に白色のドットが表示されている
壁の近くに行くと色が変わり(下のSS:赤色のドット)重力を変更できるようになる
(1) 重力を変更すると、変更したときの壁が床になる
(2) 床によって決まった色がある。色で判別した方がわかりやすい
2.近くに調べることができる物があるとき、ドットの周りに六角形の二重枠ができる
(1) スイッチは床と同じ色にいないと反応しない → スイッチが床から伸びているとき反応する
3.立方体について:基本的に一色
(1) 立方体を調べると持ち運ぶことができる。もう一度同じボタンを押すと放す
a.高く持ち上げることができる
b.立方体と同じ色の床のときだけ持つことができる
立方体と違う色の床のときは立方体の面が白い
(a) 違う床にある立方体はその場で固定される。持つことができない
(2) 立方体で起動するギミックがある
a.立方体をカチッとはめると起動するパーツ
b.同じ色の立方体を置くと起動する回路
c.a・bで扉が開いたり、半透明の物(下のSS:白い壁)が実体化する
実体化した物を消すには、
立方体を動かすと半透明の壁が消える
(3) 立方体の実がなっている木は根っこと同じ面(同じ色の床)に立つと立方体をもぎ取ることができる
a.木から取ったとき、取った所の立方体は白くなっている(上のSS)
b.立方体の木から取った立方体を再び取ることができる。ただし、前に取った立方体は消える
c.立方体の色を変えたときは、木に生えているその立方体の色も同じになっている
(4) 二重重力の木(床と天井から生えている)に生っている二色の立方体は、その色と同じ床にすると持ち運ぶことができる
(5) 川に立方体を置いて流れを変えることができる
a.川を水車に向かって流すとギミックが起動する
b.水と違う重力のとき、川が道となる
c.正方形を四分割した部分に立方体を置いてから水を流すと立方体と同じ色の木が生える
(a) 木からもぎ取った立方体はリセットされる
木にした立方体をもぎ取っても新しく植えた木がリセットされることはない
(6) 立方体の色を変えるレーザーがある
レーザーの矢印の向きが、その色の重力
4.闇の立方体を取るためにレーザービームを起動させる
(1) すべてのレーザービームを起動させると闇の立方体を取ることができる
(2) 闇の立方体を取ると闇の世界に侵入する
a.黒が基調の画面となる
b.闇の立方体を放したまま移動すると画面が真っ白になって闇の立方体があった場所に立方体と一緒に戻される
c.闇の世界では重力を変えることができない
d.闇の立方体を持ち運んでいるときにしか通ることができない壁がある
(3) 闇の立方体を四角の残像が出ているところにはめると闇の世界が崩壊する
(4) 幾何学模様の画面に変わり○ボタン(長押し)すると元の画面に戻る
(5) 闇の立方体が浄化されているので、それを取って、奥にあるパーツにカチッとはめると木となり世界が育つ
ゲーム内容について
ループ構造の幾何学世界を探索していくパズルゲームです
パズルゲームの目的はわかりやすいです
スイッチを押す、立方体をカチッとはめるパーツや床のマークまで運んでギミックを作動させる など ルールはシンプルです
しかし、ステージの構造を把握することが大切です
そのためには空間把握能力、すなわち、無限に続く幾何学模様の空間を把握する能力を求められます
ループしている世界で、どことどこが繋がっているかを知ることが大切になります
たとえば、スイッチを押す場合、スイッチのところに辿り着くにはどうすればいいか、立方体を運ぶためにどのルートを通ればいいか など を考えることの方が多いです
立方体も立方体と同じ重力の色でないと持ち運ぶことができません
下のSSは、緑の重力の位置にいるので緑の立方体を持ち運ぶことができるけど、青色の重力ではないので青色の立方体が白くなっていて持ち運ぶことができません
ジャンプができないのが地味に憎い仕様で、積極的に重力変換を用いる必要があります
重力変換はこの重力は○色というふうに決まった色に対応しています
この色は立方体の色と同じで、立方体と同じ色の重力のときしか持ち運ぶことができません(前述の通り。それ以外の色の立方体はその場で固定されます。上のSS参照)
スイッチ など のギミックも同様です
また、飛び降りて、別の場所に移動することもできます
高いところから飛び降りても死なないし、ループしているのでいつまでも下りることができます
だから、ルート探しをするときにわざと飛び降りて周囲を観察しました
たまに酔ったけど…
酔い冷ましにいいと思ったら酷くなったこともあるけど…
無限に広がる幾何学模様に圧倒されるかもしれないけど、冷静に観察していけば糸口が見つかるかと思います
物語があるかどうかわからないけど、何となく闇を打ち払っていき新しい世界を創造していく物語かと思っています
闇の立方体に近づくにつれ闇が侵食しています
闇の立方体を取ると闇の世界に侵入します
モノクロの世界だけど幾何学模様に圧倒されます
闇の立方体を浄化し、カチッとはめる所にセットすると新たな世界が誕生します
綺麗な世界に癒されました
初見プレイのときに気になった場所があります
この黒色の壁だけが「異質」で何かあるのでは?と思い、永遠に続く階段を上り下りしたり、重力を変えて調べたり、奈落の底に飛び降りて永遠に続く幾何学図形を観察しました
30分ぐらい調べたけど何もなくて泣く泣く諦めました
その後、別のステージで黒色の壁がありました
見なかったことにしてプレイを続け、闇の立方体を持つと黒色の壁が消えました
まさかの謎が解けました
そこで、2周目を始めたときに、闇の立方体を黒色の壁まで運ぶと中に入れるようになりました
そこは隠しステージでした
この隠しステージは新しい場所だけではなく、本編でプレイしたステージとは違う順番で通ったりします
そのため訳がわからなくなって断念しました
難しいです
その他・まとめ
浄化した闇の立方体を運ぶと周囲の風景がグニャッと歪みます
このとき酔います。しかも寝込む寸前までいきました
最初だけ、どうすればいいかわからず酔いとの戦いになったけど、2回目以降は最短時間で運びました
なかなかキツかったです
他にも酔うことがあったけど、ここが一番です
運び終えたときの鳥の囀りに癒されます。しばらく休憩していました
床の色と立方体が同じでないと動かせないというのが基本ルールとなり、これをどう活用させるかを考えていくのでシンプルです
ステージに圧倒されるかもしれないけど構造を把握すれば難しくはありません
お勧めです
【評価】
○:圧倒的な幾何学模様のステージ
○:意外とシンプルなルール
×:酔うときがある