Maquette(マケット) の感想(レビュー)です
かなりのネタバレを含む感想(レビュー)です
見るときに注意してください
---------キ-------リ-------ト-------リ---------
【PV】
【感想】
タイトルはフランス語で『模型』という意味で、模型にパーツを配置することで現実世界にも反映されていきます
主人公と恋人を巡る物語で、出会いから語られていきます
ステージが物語の状況とリンクします
先が気になる物語です
物語はよかったけど、パズル部分に気になる部分がありました
グラフィック・音楽について
綺麗なグラフィックで、イベントシーンでイラストを描いているように画面に表示されるのが物語に合っていてよかったです
ゲームを開始したときの文章とともに始まる音楽がピッタリで、穏やかな歌です
時折、歌が流れます
どうやら、アーティストが歌っている歌で、それを使用しているみたいです
この演出はとてもいいです
おそらく場面に合わせた歌詞だと思うけど、日本語ではないためわかりません
≪説明≫
一人称再帰的パズルゲームです
≪操作≫
左スティック:移動
右スティック:カメラ
□ボタン:(ダイヤの標準を合わせて。茶色になる)レバーを動かす・ボタンを押す、(掴める物を)持つ→標準が茶色のダイヤとその外側に枠のマーク
<アイテム>
〇ボタン:手に持っているアイテムを使う、模型を置く
L1ボタン・R1ボタン:(物を体の前に構えたとき)左右に回転
L2ボタン・R2ボタン:物を差し込む・引き出す
□ボタン:アイテムを持つ
×ボタン:ジャンプ
オプションボタン:ポーズメニュー→セーブ(オートセーブ+セーブスロット×3)とロードができる
≪基本≫
1.中央には模型があり、そこから東西南北に四つのエリアに分かれている
(1) 模型のパーツを模型に配置すると現実世界の同じ場所にセットしてある
a.模型に置いたパーツは現実世界では大きくなっている
b.現実世界に置いたパーツは模型では小さくなっている
(2) アイテムが少ないので再利用することが多い
a.鍵を再利用することがあるので、鍵穴に挿した鍵を抜いておくといい場合がある
(3) 現実世界で一度訪れた場所には半透明の壁が現れて戻ることができなくなる
でも、模型からパーツを取り出すことができる場合がある
(4) 現実世界に落ちているアイテムには光が出ている
ゲーム内容について
2人の男女の出会いから始まる恋愛の物語です
物語は、フィンチ家のように画面のあちこちに文章が表示されます
字幕が大きめで見やすいです
また、英文にカメラを合わせるといつでも字幕を見ることができる親切設定となっています
でも、次の英文が表示されると前の英文が消えます
英文が表示されるときに効果音が出るので、どこかに表示された合図となります
また、これは不具合かと思うけど若干重くなります
皮肉にも、文章が表示された合図になっていて、ある意味デメリットがメリットになっていました
画面のあちこちに文章が表示される以外にも、スケッチブックにサラサラッと絵を描くのに合わせて音声によるイベントがあります
こちらは、オートで進行します
ゲームとしては、中央には現実世界と同じ模型があり、そこから東西南北にエリアがあります
模型にパーツをセットすると現実世界の同じ場所にパーツがセットされています。模型と現実世界がリンクしています
ただし、模型に置いたりセットしたパーツは現実世界の同じ場所に拡大されています
反対に、現実世界に置いたりセットしたパーツは模型の同じ場所に縮小されています
現実世界でブロックが邪魔しているときに、
模型の同じ場所にあるパーツを動かすと通ることができるようになります
他にも、模型に鍵を置いて橋にしたら、
現実世界では設置した鍵が大きくなっていて本物の橋のようになっていました
このように模型と現実世界が干渉し合うシステムを利用して攻略していくゲームです
また、世界の大きさが変わることで主人公の見える風景が変化します
現実世界を基準とすると、模型の世界では主人公の方が大きいので現実世界を模した模型を巨人のように見渡すことができます
さらに、チャプターを進めていくと現実世界より大きな世界が出てきて主人公が小人のようになってしまいます
模型は、主人公より小さいです
しかし、現実世界では等身大の世界となります
さらに、現実世界より大きな世界になるとプレイヤーが小人のようになります
わかりづらいので、小人の世界ではこんな感じになります
同じ世界だけど大きさが変わると主人公を通して見る風景が変わるのがユニークです
これは2人の距離感や関係性を表していると思います
たとえば、小人のようになるのは2人の距離が離れ始めてからです
少しずつ溝が大きくなり、2人の距離が離れていることの比喩かと思います
ステージも少しずつ寂れていき、模型が崩れていきます
これも物語と関係しています
パズルゲームでユニークだと思ったのは、一度使ったアイテムを再利用することが多いことです
たとえば、鍵は扉を開けるための物だけど、このゲームでは橋にすることがあります
そのため、鍵穴に挿した鍵を抜いて再利用します
一つのアイテムの活用法を考えることが重要なパズルゲームです
また、アイテムや模型のパーツを模型で使うのか、それとも、現実世界で使うのかを考えることがありました
鍵は現実世界で使う物と思い込むと詰まることがあります
「模型と現実世界がリンクしている」という、このゲームの基本的なルールがパズルを解く重要な考え方となります
しかし、パズルゲームとして欠点があります
それは、導線がわかりにくいことです。これは前半のチャプターに多いです
導線とは、たとえば、目的地に行くのに、どこに何があって、どのように行けばいいかというルートを示すことで迷子にならずに目的地に進むことができるものです
具体例として、床に目的地まで引かれた経路がそうです。目的地ごとに決まった色で引いてあります
このゲームでは、ルートがわかりにくく何をしたらいいか、どこに行けばいいかわからなくなることが多かったです
理由として、主に以下の2点があげられます
1.ミスリードを招く
2.問題の出し方
まず、一番目のミスリードを招くです
このゲーム全体にいえることだけど、パーツの使い道がわかりづらいということがあります
それは、それらしいヒントがないだけではなく、紛らわしいことがあるからです
下のSSのパーツで説明します
このパーツの使い方がわからず苦労しました
このパーツを使う場所を模型の屋根(下のSS)と勘違いしました
理由は、以下の3点です
1.パーツの色と同じ色のギザギザ模様がある
2.パーツは丸みを帯びていて模型の屋根も丸みを帯びている
3.ギザギザ模様は完璧に一致していないけど、もしかしたら、パーツのギザギザと屋根のギザギザが合うかもしれない
結局、このパーツは、チケットみたいな物でした
丸みは必要ないのでは?って思います
せめて、マークと同じ形…2Dの模様と3Dのパーツだからということもあるけれど「丸み」がミスリードを招きます
そして、屋根のギザギザと同じ色も同様です
二番目が問題の出し方です
とあるチャプターで使用する宝石の使い方で説明します
最初に、クリスタルの前に宝石を持って行くとクリスタルが溶け、同時にゲートも消えて模型の方へ進むことができるようになります
次に、他の方角のエリアに行こうとしたけどゲートが張られて行くことができませんでした
そこで、先程のことから、「ゲートを開く → クリスタルを探す」と考え、あちこち探し回りました
しかし、どこにもなく、結局、宝石を同じ色のゲートの前に持って行くとゲートが開きました
クリスタルは何だったのか?って思います
最初に、「同じ色のゲートの前に同じ色の宝石を持って行く → ゲートを開く」という風にし、その後は応用問題にした方がわかりやすかったです
その後に、クリスタルの問題を出せばよかったと思います
クリスタルのパズルは、このチャプターの終盤で再登場するので…
パズルゲームだったら、最初の問題の次は、その問題の応用となり、徐々に難しくなっていくと思います
そして、ある程度似たような問題の後に別のパターンの問題をもってくるかと思います
言い換えると、最初の解法をAとすると、次がAの応用であるA’、次がA’’…のように続いてから、別の解法Bを使う問題が出る、ということです
しかし、このゲームでは最初の問題の後に別のパターンの問題がくるので混乱するだけです
こちらも言い換えると、最初の解法Aの次がA’ではなく、すぐに別の解法Bを使う問題が出る、ということです
1と2から、導線の使い方が下手です
パズルが難しくて悩むよりも、何をしたらいいかで悩むことが多かったです
模型と現実世界がリンクしているというのはユニークで面白いのに、導線の引き方が下手で混乱してしまいました
非常にもったいないと思います
中間のチャプターで模型が登場しないことがあるけれど、こちらの方がわかりやすかったです
操作についても気になることがありました
方向キーを動かしながらギリギリのところでジャンプすることができず落ちてしまいます
ギリギリで方向キー+×ボタンが失敗するので、ジャンプして方向キーで調整するというめんどい仕様となっています
その他・まとめ
アップデートで直ったけど、以前は中断して再開したときに字幕が表示されないことがあり意味がわからないことがありました
でも、今は表示されるようになりました
鍵が地面に沈んで消えてしまうバグがあり、こちらは直っていません
このときは終了しないと無理です
また、クリアしてからタイトルメニューで続きからを選択すると操作が効かなくなります
画面がユラユラ動くだけで、PSボタンから終了することしかできませんでした
物語がよくて展開が予想できるけど、飾らない物語はよかったです
途中で違う流れになったら変に思っていたかもしれません
パズルは模型と現実世界がリンクしているだけではなく物語ともリンクしています
無駄な物がなく、最低限の物をどのように使うかで悩みました
導線が下手でわかりづらくしているのは残念だけど、改善するのは難しいかと思います
でも、物語と、その演出、そして、模型と現実世界がリンクしていることを利用したパズルはキラリと光る物をもっています
お勧めです
【評価】
○:物語
○:時折流れる歌
〇:物語に合わせて変わる模型と周囲の風景、見え方
×:導線が悪い(前半のチャプター)
×:ヒントがない