石垣島に足止めされて、結局、2日半も日程が縮まってしまいました。
離島に宿泊していた人は、前日も高波で欠航してたので、3日間帰ってくることができなかったってことです。
そういう時は当然、貨物船もストップしますので、島内の商店はどこも棚がガラガラになってしまいますし、そもそも台風中は営業もしてません。出歩けないので。
八重山の島々で暮らす人にとって、この時期の台風はありふれた日常ですから、翌日には何事もなかったように街の機能が回復しているんですが、農業や建設業はその都度、大変な被害を被るようです。
観光業で成り立っている島もあるので、連休などの稼ぎどきに船が止まるのは死活問題。
ですから、島々をつなぐフェリーもかなり無茶な運行をします。
石垣島からの離島フェリーには安永観光と八重山観光フェリーという二つのライバル会社があるんですが、二つの会社がまったく同じ路線を通るものですから、離島間をどれくらい早く船を走らせられるか競争になるみたいなんです。
それに片方が欠航してしまえば、もう片方の会社にすべてのお客さんが殺到する訳で、そうなると滅多なことでは欠航しない。船が壊れるんじゃないという勢いで限界まで飛ばす。
その結果、乗客がシートに叩きつけられて腰椎を圧迫骨折するという事故が起こり、今は自粛してあまり無茶をしなくなったんだとレンタカー屋のオジさんが話してました。
とはいえ、台風の海を渡るというのはかなりの恐怖体験で、波を乗り越えるたびにフェリーが水切り石のように飛び跳ねるものですから、ディズニーシーのアトラクションよりもよほど迫力があります。
まあ、そんな状況でも、娘は船酔いするどころか完全に爆睡してましたけどね。
西表島の大原港では、シーサーがお出迎え。
目が眩むほどの強烈な日差しで、ああ、島に帰って来たなあ、という感じです。
西表島には二つの港があって、島の東側に位置する大原港と、北側の上原港。
本当は上原港の近くにホテルがあるのですが、島の北側は台風のアフタースウェルがモロにぶつかり、上原港行きの便が欠航してしまいました。
大原港でレンタカーを借りて、海岸沿いに45分ほど車を走らせます。島内に道は一本しかありませんので迷いようがないのですが、それでも方向音痴の私はたびたび反対方向に進み、妻に怒られます。
色とりどりの南国の花に囲まれ、蝶が飛び交うゆったりとした空間には、高級リゾート感が溢れており、秘境の島にいることを忘れさせます。
とても横長の建物なんですが、島の景観を損なうということで島民の猛反対にあい、4階以上の建物にできなかったんだとか。
隣接するビーチに産卵に来たウミガメが迷わないように、夜間でも照明が極力抑えられるなど、環境への負荷にも配慮がなされています。
あえて各部屋にはフリーWifiが通じておらず、携帯の電波もメーカーによっては届きません。これは日常から解放され、リラックスした島時間を過ごしてほしいというホテル側のポリシー。
密林の中には《ジャングルブック・カフェ》というテラスが作られていて、冷たいドリンクを飲みながら、のんびりと読書を楽しめる。
今回はあまりスケジュールを詰め込まないで、ゆっくりと過ごしたかったのに、台風で滞在日数が減ってしまったのが本当に残念です。
さて次回は、希少な生物たちを探しにジャングルの中に分け入ります。