ところがもう一つしのび寄るように近づいて来たものが、、、。
《台風18号 タリム》です。
予想では、昼前から暴風圏に入り、石垣島に最接近するのが到着日の午後から夕方。朝イチの直行便ですから、飛ぶかどうか微妙です。
飛ばないとなると、せっかくとったホテルをキャンセルしなきゃならないし、もし石垣島に着いたとしてもフェリーがでなければ西表島に渡れないので、石垣島で急遽べつの宿を探さなければなりません。状況によっては新石垣空港に降りられず、那覇空港で降ろされる可能性もある。
とはいえ、先手を打ってホテルを確保しておくと、予定通りに進んだ場合、当日のキャンセル料は100%ですから、これはどうにもならない。
いろいろなパターンを想定して最善の対策を考えるも、結局は当日にならないとわからないので、もうこれ以上、考えても無駄だと諦めて、
娘にご飯を食べさせ、こりゃどうするべー、と工房の台風対策をしていると、
「大変！ 石垣便が欠航になったってメールが来てる。それも1時間半も前に！ もう、何でこんな時にメールをチェックしてないのよッ」と妻。
慌てて振替便を手配するためにANAのサービスセンターに電話をするも、まったく繋がらない。こういう時は抑揚のないコンピューター音声が本当にイライラする。
ネットで調べると、ホームページ上から振替便の手配をしてくださいと指示があるが、そもそもどの便に振り替えたらいいのか空席の情報がまったくない。
これだけ電話をかけても繋がらないだから、他の人も繋がっていないんだろうとわかっていながらも、焦りで血の気が引いていく。
それから1時間後、完全に麻痺しているネットサービスよりも、どこでもいいから人間に直接電話をかけた方がいい、という妻の粘りで、やっとコールセンターのオペレーターに電話がつながり、カチャカチャと10分ほど検索したあとに、
「3人乗れるのが1便だけ残っています。翌日の14日出発はもうこれしかありません。石垣直行便から福岡空港でのトランジット便に変更になりますが、席をお取りになりますか？このタイミングではeチケットももう発券できませんから、カウンターでマイレージカードを提示すれば搭乗手続きができるように話をしておきます」
と伝えられ、ありがとうございます。ほんとうにありがとうございます。ありがとうございますね。と電話を切り、缶チューハイをグビリとやったのでした。
飛行機が欠航したおかげで、翌日に出発する友人達と結局は同じなうえ、向こうは予定どおりの石垣直行便。
私達は福岡経由のため余計に時間がかかるという何とも納得の行かない状況で、ホテルやレンタカーのキャンセルを済ませ、羽田空港へ。
搭乗カウンターに行くと、システムの異常だとかで、振り替えた席の確認がとれず、席を取り直すとのこと。
もう、どうにでもしてくれ、という感じで福岡便のゲートまで向かうと、今度は気象調査中につき、石垣に降りれない場合、機長の判断で那覇に着陸するか、福岡に戻ってくるか決める、という。
そのうちに、石垣島から西表島のフェリーの欠航が決定したとメールが届き、このままでは泊まるところがないので、搭乗5分前に慌てて石垣島のホテルを調べて確認する。西表島のホテルとレンタカーは再度キャンセル。その間に先ほど確認したホテルの予約が埋まってしまい、別のホテルを予約、と慌ただしい。
状況がわかってない娘だけは、この笑顔ですけど。
後になってニュースで知ったのは、この台風18号が石垣島の隣の宮古島に50年に一度という記録的な大雨を降らせ、観測史上初の本土四島に上陸した台風になったということでした。
飛行機は結構揺れましたが、離陸前から娘は熟睡。
我が娘ながら、たいしたもんだと思います。
比較的気象が穏やかな狭いエリアに、各社の飛行機が集中して飛んでいるため空域が混雑しているらしく、到着がだいぶ遅れましたが、それでも新石垣空港へ。
その直後、羽田からの直行便が着陸。
なんとか友人達と合流できたのでした。
いやあ、疲れました。
9月17日って台風の特異日なんだそうで、その台風が石垣島付近を通るのが、ちょうど13日頃なんだそうです。
石垣島は強い風が吹いていましたが、着いた頃には雨はすでにやんでおりました。やれやれ。