「あの人が休むと仕事が止まる」
「難しい案件は、結局いつも同じ人に集まる」
「あの人が辞めたらどうしようという不安がある」

このような状況は、会社の規模に関係なく見られることがあります。

一見すると、その人が優秀だから仕事が集まっているように見えます。
しかし実際には、それだけが理由ではないケースも少なくありません。

■ 現場で起きている「あの人しか分からない」の正体

会社の中で、
「あの人に聞かないと分からない」
「あの人しか対応できない」
という仕事が増えていくことがあります。

最初から意図してそうなったわけではありません。

取引先とのやり取りや、過去の経緯を踏まえた判断、イレギュラー対応などを積み重ねるうちに、

気づけば特定の人しか分からない業務が増えていくのです。

その結果、周囲も「この件は〇〇さんに聞こう」となり、

本人も「自分が対応した方が早い」と考えるようになります。

こうして少しずつ、その人に仕事や相談が集中していきます。

■ なぜ、「あの人しか分からない」が生まれるのか

「他の人へ仕事を振ればよいのではないか」
そう思われるかもしれません。

しかし実際には、それほど単純ではありません。
日々の定型業務であれば、手順を共有することで引き継ぐことができます。

一方で、
・マニュアルに載っていない問い合わせ
・部署間の調整が必要な案件
・過去の経緯を知らないと判断できない対応
など、
その場で判断が求められる業務も少なくありません。

そして、その判断の背景にある考え方や過去の経緯が共有されていないため、
「この件は〇〇さんに聞かないと分からない」
という状態が生まれてしまいます。

つまり、仕事が集中しているのは作業そのものではなく、
【判断基準】
が特定の人の頭の中に残っているからなのです。

■ 「業務を分ける」だけでは解決しない

この状態から抜け出すために必要なのは、
単純に作業を振り分けることではありません。

大切なのは、
その人の頭の中にある
「なぜそう判断したのか」
「どのような基準で対応しているのか」
を整理することです。

例えば、
「このパターンなら対応する」
「この条件なら上長へ相談する」
など、
暗黙の判断基準を言葉にしていくことで、他の人も対応しやすくなります。

結果として、
特定の人への依存を減らし、
組織全体で支えられる状態へ近づいていきます。

■ 属人化の解消は、優秀な人を守ることでもある

ただし、長年その業務を担当してきた人ほど、
自分の中では当たり前になっているため、
何を共有すれば良いのか分からないことがあります。

もし、
「特定の人に業務が集中している」
「その人が休めない」
「辞められたら困る」
と感じているのであれば、一度立ち止まって、
その人の頭の中にある判断基準を整理してみることをおすすめします。

■ 当社も同じ課題と向き合っています

実は当社でも、同じような課題があります。

どうしても私に情報が集まりやすく、
「この件は社長しか分からない」
という状態になってしまうことがあります。

また、私の頭の中にある前提や判断基準を十分に共有できておらず、社員との認識にズレが生じてしまうこともあります。

その結果、
「まずは社長に確認しよう」
という流れになり、業務が止まってしまうこともありました。

だからこそ現在は、
業務の進め方や判断基準を少しずつ言葉にしながら、特定の人だけが分かる状態を減らしていく取り組みを続けています。

会社の規模に関係なく、
情報や判断基準が一人に集中することは起こり得ます。

重要なのは、その状態を放置せず、少しずつ共有できる形へ変えていくことではないでしょうか。

私がなぜ、ここまで「仕事の偏りを減らすこと」や「働く時間との向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
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