Pの食卓 -17ページ目

仁木悦子 『穴』

本日紹介しますのは女流推理小説家、仁木悦子女史による 『穴』 。

写真は自分で撮ったもののため荒いのはご容赦。

nikietuko-ana
仁木 悦子
穴

仁木悦子女史はもともと童話作家であり、約百編の童話を世に出しているようです。

童話作家独特の軽やかだが芯の強い語りの巧さがこの短編集の中にも現れています。


『穴』 は表題の 『穴』 をはじめ、『明るい闇』、『山のふところに』、『幽霊と月夜』、『誘拐者たち』、『うさぎと豚と人間と』 以上6話からなる短編集です。

各15~20ページと読みやすく、緊張感の持続しうる分量で、理想的な短編の形式のように感じます。


良い短編の鉄則について、巻末の解説において評論家の権田萬次氏がポウの言葉を借りてこのように説明しておられます。


  「アラン・ポーは「ママジリア」jの中で、「短編小説においては、人物の性格を発展させたり、

  色々な事件を作り出すだけの余裕が無いので、

  普通の小説に比べて構成ということが絶対に大切である。

  普通の小説では構成の欠点が目立たないが、短編ではそうはいかない」と述べている。」


人工美にこだわったポウの性格を端的に現す言葉でもあり、また短編・長編小説の本質を見抜いた巨人の言葉でもあります。そのポウの言葉を権田氏はこのように解釈しまとめています。


  「要するに人生の一断面を鋭く切り取る短編においては、不必要な夾雑物をできるだけ避け、

  主題を可能な限り単純明快に展開させることが必要である」


また、言葉を継ぎ、短編の鉄則を推理小説に当てはめた場合は


  「複雑なトリックや大勢の容疑者を登場させる犯人探し的なもの、

  あるいは二転、三転の重厚なアリバイ崩しなどは推理短編には向いていない。

  また、結末の意外性や、ひねりなど斬新な技法や登場人物をとらえる

  作者の独特な視線が長編の場合よりもより一層強く要求される」


推理短編の真価が発揮されるのは、サスペンス、意外性、奇想といった作者の才能が必要とされるという。

つまり語りのテクニックなど小説的な技法が必要とされている。

推理小説と一般小説との境界線が一層ぼやけたものとなるのが推理短編のようです。

そのことについて、作者仁木悦子女史はこのように自問自答していた。


  「推理的な要素と小説としてのおもしろさとを。一つの作品に調和させるにはどうしたらいいか。

  いや、それらは果たして調和させ得るものなのか。」


疑問に悩んだ後、結論としてこのように述べている。


  「なぞとトリックだけの本格推理は、もはや新しい時代の要求にこたえることはできなくなっている」


本格の終焉を思わせる一文。この言葉に権田氏は以下の江戸川乱歩の言葉を当てている。


  「謎の種は、もうほとんど行くところまで行ってしまっているのだ。

  人間の力で、この上読者の意表に出るトリックが、さらに幾つも考えだせようとは思われぬ。」


  「探偵小説を行き詰まらせるものが、上述のごとく『謎』の要素にあるとするならば、

  なおさら謎にのみこだわることをやめて、謎そのものの新しさ古さにかかわりなく、

  十分情熱を打ち込み得るがごとき、あるいは存在を主張し得るがごとき

  『文学』に向かって精進すべきではないか」。


一読しただけでは推理小説の限界を認めた文章にも思えるが、

江戸川乱歩の作品に対する姿勢や内容を鑑みて考えてみると、

推理小説の新しい可能性を示唆した予言めいた言葉だと気が付く。

つまり、「奇をてらうだけではなく、小説的魅力を追求せよ」ということだ。

目の肥えた読者たちが次なる次元を求めている、ということを敏感に感じた結果の言葉だと思う。


仁木悦子女史の悩みは江戸川乱歩の言葉を表したものの一つだと思える。

人間を書きつつも、推理的要素をおろそかにしたくはない。

その葛藤が 『穴』 という作品にあらわれているようだ。


表題作 『穴』 は子供の視点から書かれたものであり、童話作家ならではの独特の視点が伺える。

そこには意外性やサスペンスが書かれている一方、日々成長を続ける子供の心も描かれている。

小説と短編推理の納得行く融合を試みた作品ではないでしょうか。


上記 『穴』 がそうであるのに対し、『幽霊と月夜』 は本格よりの形式をとっており、

簡単な図面や人物相関図が提示され、最低限の情報で読者が犯人を特定できるようになっている。

またポワロの言葉を再現したかのような事件のあり方にも好感が持てました。

文学方向へシフトする一方で本格推理を追及する意欲的な姿勢を感じさせます。


非常に楽しめたため、江戸川乱歩賞受賞作 『猫は知っていた』 も購入してしまいました。

届きしだい読んでみたいと思います。


それとどなたか、仁木悦子 『赤い猫』 という短編集を横浜近辺で見かけたお方、

お店の名前と場所を紹介していただければと心から思っております。

連絡先は↓コメントまでお手数ですがよろしくお願いいたします^^;

島田荘司 『Pの密室』

ミス研の会長をしていて島田荘司が未読とあっては問題があるので、いつか必ずと思っていたところ、

見つけてしまいました! 『Pの密室』

Pの食卓管理人としては買わざるを得ないタイトルでした;

というわけで、僕の島田荘司第一作目は 『Pの密室』


島田 荘司
Pの密室

島田荘司といえば 『占星術殺人事件』 で衝撃のデビュウということなのでしょう。

その 『占星術』 が発表されたのが1981年、『Pの密室』 が発表されたのが1999年。

18年の歳月を超えて、探偵御手洗潔の幼稚園時代と小学生時代が明かされます。


今回紹介するこの文庫本には表題の 『Pの密室』 に加え 『鈴蘭事件』 が収められています。

見かけは違えど、両作品共に howdonit に主眼を置いてあるのではないでしょうか。

ドラマ仕立てにプロットが進行するため、サスペンスドラマを見ているような感覚に陥ります。

筆者の筆力の成せる業、といったところでしょう。


『鈴蘭事件』 は知識ある人ならばまどろっこしく感じてしまうかもしれませんが、

それでも描かれている人という魔物の姿にはぞっとすること間違い無し!

それに対して 『Pの密室』 は日常の謎+本格的な密室崩しといった感ありです。

密室崩しよりも、日常の謎が明かされた瞬間になるほど!と思いました。

あと表題 『Pの密室』 名前の謎、ニヤリとさせられます。


順番が前後してしまいましたが、次回の島田荘司さんの作品は 『占星術殺人事件』 を読みたいです。

シェイクスピア 『夏の夜の夢』 について

今朝(10/31)、朝日新聞を眺めていたらおもしろい記事がありました!


「夢と魔法に ほろ苦さ」

英国RSC 「夏の夜の夢」 12月9日~12月17日

なんと、『夏の夜の夢』 の記事が載っていました!!

何々・・・と読んでみると―


  「グレゴリー・ドーラン演出「夏の夜の夢」は評判通りの、面白くて、刺激的な舞台だった。」


おおお!さすがグレゴリードーラン!外れ無し!

さらに読み進めていくと面白い内容が・・・


  ピーターブルック の 『夏の夜の夢』 が 「白い夏の夜の夢」 ならば、

  グレゴリードーラン の 『夏の夜の夢』 は 「黒い夏の夜の夢」 に仕上がっている。


むむ?どういうことだろう?
ピーターブルック版のは以前にVHSで観る機会に恵まれ、非常に楽しい時間をすごしましたが、

あれを 「白」 と称して、今回のを 「黒」 という。


全体的に暗いイメージがあるのかな?

でもそう考えると 「面白くて、刺激的」 というコメントに反する。

疑問を胸にさらに読み進めると・・・


  「ハッピーエンドとは違って、ほろ苦さを秘めているのが特色である。

  このことをよく表しているのが妖精パックの造詣で、

  ジョナサン・スリンガーの扮するそれは、小太りの中年男だ。」


ほほー!そうきましたか!といった感あり!

従来の喜劇的な 『夏の夜の夢』 では、妖精パックは半ば独立した存在で、

人間界の三組の恋人たち、妖精界など様々な勢力から一歩離れた位置にいる、

シェイクスピア劇における道化に近い役割を担っているといえると思います。

それが今回は!


  (パックは)かつては妖精王オベロンに愛されていたものの、今はその座をインドの小姓に奪われている。

  なんとか寵愛を取り戻そうと、パックはオベロンの命令に従い、人間界の恋人たちに助力する。


「オベロンの愛を回復しようとパックが奮闘する」 という解釈を行っているのです!

これはアツい!実に素晴らしいです!


似たような話では 『ヴェニスの商人』 があります。

『ヴェニスの商人』 では若者たちが結婚し、それぞれの寝床へ行く中、

年老いたアントニオだけが一人舞台上に取り残されます。

20歳の冬、RSCが日本に来て 『ヴェニスの商人』 を演じたときが思い出されます。

一人舞台上に残ったアントニオがタバコを一本。

一筋の紫煙が天井に消えていく様は幻想的でもあり哀愁漂う芸術的一瞬でした。

思い出すだけで奮えがきます。


話を戻すと、今回の 『夏の夜の夢』 は 『ヴェニスの商人』 でやったことを当てはめた形になります。

アントニオ を 妖精パック に当てはめたわけです。

ちょうど妖精パックも終幕に一人だけ舞台に残り、〆のセリフを観客に向かって言います。


「貴族社会」 「妖精たち」 「職人たち」 この三つの世界も非常にうまく描いているようです。

特に力をいれているのは 「職人たち」 の世界のようです。


  「ドタバタ喜劇すれすれの劇中劇『ピラマスとシスビー』も爆笑もので、この舞台の見ものの一つだ。」


いいですね。『夏の夜の夢』 で最もおいしい役は 「職人の世界」 に属する ボトム だと思います。

ボトムは町の素人劇団の主役を張る三文役者で、マラプロピズム(言い間違い) や 純真さがあり、

『夏の夜の夢』 の喜劇的要素を盛り上げる最も大事な役の一つです。

僕の師にあたる人もこのボトムに特別の思い入れを持っておられ、

別荘に 『呆ト夢小舎』 (ボトム・ゴヤ) と名付けるほど。

演じ方一つで、裏路地に倒れている猥雑な男にも、夢幻の世界に住む巨人にも演じ分けることができます。

どちらにしても味わいがありますが、なんと言っても後者の演じ方!

鳥肌が立つこと間違いなし!


他にも 「妖精の世界」 はというと・・・


  優美この上ないジョー・ディクスンとアマンダ・ハリスのオベロンとタイタニアがいて、

  文楽からヒントを得たという人形の(インドの)小姓がその間に位置する。


荒々しさと優美さを予感させられる配役です。

タイタニア役のアマンダ・ハリスは去年のRSC来日公演 『オセロウ』 で、

悪役イアーゴの妻エミリアを演じ、ローレンスオリビエ賞を獲ったそうです。

これを期待せずに何を期待する!


  「オセロ」でエミリアを演じ、その役でローレンスオリビエ賞を受けたハリスは再来日に張り切っていた。

  これは(RSC)カンパニー全員の意気込みの集約でもある。

  一種の勢いに乗っての来日公演になるのは間違いない。


まだチケットを取っていらっしゃらない東京近辺の方、これは必見だと思います!

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
真夏の夜の夢
シェイクスピア, 松岡 和子
シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇

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≪≪≪その他情報≫≫≫


≪上演作品レクチャー≫

 11月4日 「夏の夜の夢・舞台の夢」

  (松岡和子=翻訳家・演劇評論家)


 11月14日 「日本におけるシェークスピア上演史」

  (大笹吉雄)


 11月24日 「妖精の森へのお誘い」

  (小田島雄志、ゲスト・白石加代子=俳優)


*いずれも19:00から、東京芸術劇場大会議室にて。

 定員性(100人)、受講料1500円、三回セットで4000円。

 問い合わせは 0353912111 ( 劇場 )

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≪展覧会ロイヤルシェイクスピアカンパニー1961-2005≫

2006年 2月 4日 まで、東京都新宿区西早稲田:早稲田大学演劇博物館にて。

(休刊日は11月23日と12月23日~1月9日)

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≪演劇講座≫

11月16日 13時~ 早稲田大学西早稲田キャンパス6号館

  ラディカルシェイクスピア:RSCの『オセロ』『マクベス』『夏の夜の夢』 (本橋哲也)

   (本橋哲也=東京都立大助教授)


12月6日 14時~ 早稲田大学西早稲田キャンパス6号館

  「RSCの生命力」

   (松岡和子)


*いずれも無料 連絡先は 0352861829 (早稲田大学演劇博物館)

古書まつりに行ってきました 『ミステリーを科学したら』 『日本のハムレットの秘密』

関内の有隣堂本店地下ギャラリーでおこなわれている 『古書まつり』 に行ってきました。

古書と言ってもマニュスクリプトの本から一昨年発行のものまでピンキリです。

文学作品ということに主眼を置いているため、古書の定義は幅広くしたようです。


日本人作家のものが多く、海外ものはあっても初期翻訳でした。

初期翻訳作品は味があり、現代の名訳の基礎となっているため、ぜひとも欲しいところでした。

が、シャアロックホウムズやE・A・ポウなどは見つかるものの、

肝心のシェイクスピアやディケンズがありません。

坪内逍遥か大山先生の名訳があれば10000円でも買うつもりだったため残念。


しかし、興味深いものが二冊あったため、買ってきてしまいました。

それは古書というより、古本という扱いで売りに出されていたため、

二冊で1000円とお得な買い物でした。


買った本はこちら

由良 三郎
ミステリーを科学したら

医学博士である由良氏が豊富なミステリの知識を元にミステリの穴に光を照らすという趣旨。

普段なら確実に買わないであろう趣旨の本ではありますが、

さわりの部分だけ読んで見た感触では、公正、という印象を受けました。


この手の本は文学を読む上でもぶつかるもので、だいたいの場合トンデモ本です。

最も有名な話では、シェイクスピアの『冬物語』にケチをつけたにわか学者の話があります。


シェイクスピアの 『冬物語』 には 「ボヘミアの海で難破」 という話が出てきます。

もちろんボヘミアは内陸なので海はあるはずがありません。

そこでその学者は当時もボヘミアには海がなかったことを証明し、

シェイクスピアの無学無知を攻撃し、作品の再評価を行いました。

が、結果は散々たるもの。学者は自らの器と知識の浅さを露呈するだけに終わりました。


上記の学者が実在の人物かはわかりませんが、笑い話の一つとして有名なものです。


つまりは、小説や劇は虚構であるということを無視してしまっていたのです。

虚構である小説や劇に対し浅はかなリアリズム的な批判をすることは、非常に危険です。

先の「ボヘミアの海」の例では、シェイクスピアだとてボヘミアに海がない事くらいわかっていたのです。


ブレヒトが異化作用を効果的に使う300年前に、すでに異化作用を自由闊達に使いこなしていたシェイクスピアにとって、「ボヘミアの海」 は虚構を虚構たらしめるための装置でしかなかったのです。


観客は 「ボヘミアの海」 という言葉を聞いて、ある人は 「ボヘミアには海があるんだ」 と鵜呑みにし、ある人は 「ボヘミアに海なんかあるかい」 と否定し 「おかしいだろ!」 と言う。


狙いはそこにあり、 「ボヘミアの海がおかしい、と思った方、おかしいですよね?そうです、おかしいのです、なぜならこれは劇だからです。芝居だからです。でもそれをおかしいと感じることができたなら、どうぞ劇場の外へ出て現実世界のおかしいことを発見し正してください」 というメッセージを発信することができるのです。


物事を判断する際には、一瞬でも、外から眺める余裕が必要とされるのです。


話がそれましたが、虚構は虚構でありそれ事態を楽しむ必要があるということです。

「~を科学する」といった本の多くは粗探しに従事し、最も重要な小説を楽しむ心を失わせます。


しかし、今回購入を決めたこの 『ミステリーを科学しよう』 は、少なくとも出だしは、虚構を虚構と捕らえそれをいかに楽しむかに焦点をあわせているように思えます。鮎川哲也氏が行ったような 「愛ゆえの粗探し遊び」 に近いといったところでしょうか。読み進めてみたいと思います。



二冊目はこれを買いました。

斎藤 栄
日本のハムレットの秘密

なんてったってハムレットに見立ててミステリが進行していくそうです。

これを買わずして、『Pの食卓』 でディナーを待つことなんてできません!

ハムレットはミステリ要素が強いと思うので、「ミステリなんじゃないかな?」とミス研会長らしくない爆弾思想を持っていたわけですが、今回のハムレットに見立てた殺人事件を理由に確信にいたりました!

イギリス人のミステリ好きには劇や芝居が絡んでいる、と!

カーの『三つの棺』を読み終えたらいってみたいと思います。


以上長々と古書まつりの成果でした。

権田萬治 新保博久 監修 『日本ミステリー事典』

今回紹介しますは、ちょっと変りダネ、ミステリーの事典です。

権田萬治 新保博久 監修 『日本ミステリー事典』 2000年2月20日発行

権田 万治, 新保 博久
日本ミステリー事典

こういうのあったらいいなあ、と思っていたところに発見!

もう一冊の 『海外ミステリー事典』(後日紹介)と共に即購入いたしました。


ミステリは、特に本格派は、多義的な解釈を良しとせず、

事実の積み重ねと論理的な証明の導きにより、たった一つの結論に達する小説だと思います。

そのような構造から小説というよりも論文に近いと思います。

論文にはShakespearian や Dickensian など優れた評論集などがあるため、

推理小説もその類のものがあってもいいと探していたところの発見でした。


ざっと読んだところ、致命的なネタバレもなく(あまりにも有名なポウの作品については少々あり)

作者の紹介、略歴、主要作品の紹介、探偵役の紹介と多岐にわたり体系立てて整理されています。

正確なデータベースとして活用できそうです。


何よりも垂涎ものなのは、巻末についている付録です。

付録の内容は受賞一覧、日本ミステリー主要文献なのですが、

約50ページにのぼる充実ぶりに圧倒!


受賞一覧は、


鮎川哲也賞、江戸川乱歩賞、大藪春彦賞、オール読物推理小説新人賞、幻影城新人賞、サントリーミステリー大賞、小説現代推理新人賞、小説推理新人賞、新潮ミステリー倶楽部賞、創元推理短編賞、創元推理評論賞、日本推理サスペンス大賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、日本ミステリー文学大賞、宝石賞、宝石中編賞、松本清張賞、メフィスト賞、横溝正史賞


それぞれの各回の受賞作、佳作、候補作が作品名作家名、刊行未刊等のっています。


索引も、人名、書名作品名、事項の三種から引くことができ、まさに事典!

ミステリにこれからはまろうという方、便利なデータベースとして買いです!

綾辻行人 『十角館の殺人』

本日紹介しますは 綾辻行人さんの館シリーズ 『十角館の殺人事件』 です。

綾辻 行人
十角館の殺人

ミステリ研究会の七人が訪れる半年前、その島では四重殺人が起きていた。

場所は九州の孤島、全てが真っ青の「青屋敷」でその凄惨な事件は行われた。

事件の爪痕が未だ生々しく残っているその島に、

ミステリ研究会の精鋭七人が事件の推理をするためにやってきた。

楽しい合宿になるはずであったが・・・


以上があらすじというか紹介です。

綾辻さんの作品は 『どんどん橋、落ちた』 が初めてだったもので、

「奇想」という印象がありました。

ですが、今回の綾辻さんにとっての処女作にあたる 『十角館』 を読み、

本格的な人だなあ、とだいぶ変わりました。


閉ざされた空間、次々と消えていく仲間たち・・・

純粋な whodonit の良さがありました!

 

読者への挑戦はないので、犯人当てではないのですが、

見事に推理を外しました!

やられたーっと、固定概念を覆された感じが気持ちよかったです。


館シリーズそろえてみようと思いました。

無人島、クローズドサークル、whodonitがお好みの方、買いです!




横浜在住の本好きな方に耳寄り情報。
『古書まつり』 が伊勢崎町有隣堂ギャラリーで開催されます!

希書、初版が20000点出ているそうなので、

『探しているあの本』が見つかるかもしれませんよ!


   詳しくはこちら↓
http://www.yurindo.co.jp/info/kosyomatsuri_31th.html

11月以降の演劇情報

インターネット部活 『Mistereader's Net』 通称 『ネトミス』 の部活内部活として、

ネトミス演劇部とかなんとかいってみたり・・・

活動内容はオリジナルミステリ劇の作成公演とかなんとか・・・


言わばP個人の純然たる趣味ということで、注目している演劇情報を流します。



11月1日(火)~13日(日) ク・ナウカ によるシェイクスピア劇 Othello

  19時開演、上演時間90分、途中休憩無しだそうです。

  会場はなんと! 東京国立博物館 日本庭園 特設野外劇場!

  ク・ナウカのホームページはこちら→ http://www.kunauka.or.jp/jp/index.htm


 
『オセロウ』 は嫉妬という主題からメロドラマチックに思われがちですが、
  シェイクスピア悲劇の中で最も渋い悲劇と思っております。

  また野外劇場で見る機会はほとんど失われているので、
  今回のク・ナウカは見逃すわけには行きません! 11月11日(金)に行ってまいります。

  ク・ナウカOthello 特設ブログ  http://http://d.hatena.ne.jp/kunauka/

  ↓原作

シェイクスピア, SHAKESPEARE, 菅 泰男
オセロウ


12月9日(金)~17日(土) RSC によるシェイクスピア劇 A Midsummer Night's Dream

  公演スケジュール http://www.natsuyume.jp/schedule/index.html

  会場は 東京芸術劇場 中ホール  いいところです。

  RSCのホームページはこちら→http://www.rsc.org.uk/home/default.aspx


  RSCことロイヤルシェイクスピアカンパニが 『真夏の夜の夢』 を引提げて来日!

  これは燃えます!なんといっても 『真夏の夜の夢』 はRSCの十八番だからです!

  傘を使った演出、ドアを使った演出、数々の名舞台が瞼裏を過ぎります・・・

  今回の演出は、鬼才グレゴリードーラン!がっちりと、それでいてユーモアのセンスが光る!

  千秋楽の17日(土)のチケット、それも素晴らしい座席が手に入り、涙が出そうです。

  RSCの『夏の夜の夢』ホームページ http://www.natsuyume.jp/index.html

  ↓原作

シェイクスピア, 松岡 和子
シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇


1月6日(金)~24日(火) 豪華キャスト グランドホテル ザ ミュージカル

  公演スケジュール http://t.pia.co.jp/grandhotel/

  会場は 東京国際フォーラム ホールC


  何と言っても 前田美波里 が出ていることに尽きます!

  以前に平幹二郎さんの『冬物語』で王女を演じたわけですが、その時以来虜です。

  気品ある声に優雅な物腰、惚れるならこういう女性と心に決めてみました。

  なんの説明にもなってませんが、他の俳優さんたちも実力派揃い!

  あったらいいな、大澄賢也のダンスも期待大!1月7日(土)のチケット取れました。

  『グランドホテル』ホームページ http://grandhotel.livedoor.com/

  ↓原作

Vicki Baum
Grand Hotel


まだまだおもしろそうな演劇はたくさんありますが、特に推したいのは以上3つ。

それぞれ原作もあるのでそちらもご覧になってはいかがでしょうか。

芸術の秋、というか冬だけれど、観劇に行くのもたまには良いかもしれません。

エラリークイーン 『ローマ帽子の謎』

今回ご紹介するのは、大御所も大御所、本格を語る上では外せないと言われる作家。

エラリークイーンによる 『ローマ帽子の謎』 Ellery Queen The Roman Hat Mystery

エラリー・クイーン, 井上 勇
ローマ帽子の謎

衆人環視のローマ劇場の中、誰も知らぬ間に起きた殺人事件。

死体となって発見された正装の弁護士、身に着けているものから無くなっていたものがあった。

失われた帽子を追って、二人のクイーンが推理する。


初めてクイーンを読んだのですが、読み始め数ページで虜になりました。

変幻自在のリチャードクイーン老に、稚気と冷徹を兼ね備えたエラリークイーン。

この二人のやり取りがとても魅力的なのです。


厳しい眼差しで事件の骨を見据える行動の老クイーンに対し、

多彩な西洋、特に古典の知識を引用しながら手助けするエラリー。

テンポ良く二人の推理が交錯するため、二人の推理のキャッチボールに乗せられた気になります。


何よりも気持ちが良いのは、可能性を徹底的に排除していく演繹的な推理。

その論理の冷徹さは、先に紹介した 『思考機械』 のそれを凌駕します。


論理論理と理詰めで書かれたものはえてしてつまらない印象がありますが、

そこは推理小説、論文とは違い人間が描けているところが魅力的でもあります。

論理と人間性のうまく交じり合った作品だと思います。


whydonit よりも whodonit や howdonit に主眼がおかれた、まさに本格ミステリ。

犯人当てが得意な方も買いです!

演劇 宇宙堂 『風回廊』 観てきました!

本日は友人の紹介で宇宙堂五周年記念 『風回廊』 を見てまいりました。

友人の元同僚が初めて役をもらったということで、期待大です。


テーマは 「土地に縛られる人」 だと思うのですが、どうでしょう。

昔お師匠に言われた言葉、

「土地に縛られる人間にはなってほしくない」

を思い出します。


風のように生きていけるよう、がんばります。


舞踏、ダンス、音楽、全てとてもよく、これで5500円は安いと思います。

上記項目に興味がある方、ぜひ見てみたらどうでしょう。

生演奏に圧倒されること間違いなし!


それと、死ぬ前に一度、ヴェネッツィアで恋をしてから死ぬことに決めました。

散歩 成城の喫茶店~東戸塚のウノヌーボ

今日はお世話になっている教授にコーヒーをご馳走してもらいました。

通学路にある喫茶店なのですが、2Fにあったため、

通学6年目にして発見のお店となりました。


店内には穏やかなクラシック、食器などの趣味もよく、期待が高まります。

頼んだものは、ブレンドコーヒー。

先生は授業前にそこのコーヒーを飲んだのでブレンドティーを頼んでいらっしゃいました。


15席あるか無いかのこじんまりとした店内。

コポコポ、という音とともに店内に広がるコーヒーの香り。

さっと広がり、ふっと消える爽やかさが印象的。


もちろん味も逸品。何よりも一緒に出されたフレッシュミルクとの相性がなんともはや!


店内では吉祥寺話で盛り上がりました。

先日行ったTrick+Trapについて言ったところ、ミステリ好きな先生は興味津々。

そこからプリミバチ、トークバック、ウラプールと話が弾み、

おすすめの喫茶店を2店ほど教えていただきました。

今度行ってみたいと思います!


さて、このまま帰るのはもったいないので、

行ってきました、ウノヌーボ。

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前菜はトマトソースの何か。

食べたことある味、食感なのですが、思い出せない…

オリーブオイルの香りが嬉しい気分にさせてくれます。


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前菜の後は、キノコのスープにイタリアンサラダ、パン。

キノコのスープはバターの香りが利いており、

具のキノコと小松菜との相性抜群。

パン!シナモンの香り・・・素晴らしすぎる。

右下にあるのは アガサクリスティ 『ねじれた家』

アガサ・クリスティー, 田村 隆一
ねじれた家

他にもエラリークイーンのローマ帽子買いました。

目指せニッポン硬貨の謎。


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メインは塩味のパスタ。ペスカトーレビアンコ!

プリップリの貝とさっぱり目だけど塩味のパンチの効いたスパゲティ!

お酒にとても合います。


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ラストはオレンジタルト。これまた味が好み…

紅茶に合う合う。

ウノヌーボなら何食べてもおいしいって感じられる。

ほんとに気に入っているリストランテです。


東戸塚来たときはぜひウノヌーボ、オススメです。