ステップワゴン RK2 (4WD) KYB L・H・S テスト | サスペンション開発日記

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KYBダンパー&スプリングの開発テストのレポートとレース活動の報告です!

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引き続き、、4WD車のテストもやりました。。

4WD車と言う事でFF車に比べてノーマル状態での車高が少し高いんですね。
本来ならばシャキッとローダウンしてカッコよくしたいところですが…

前にバンプストロークの話をしましたが、、
ステップワゴンの場合FF車はバンプストロークが前後共に余裕があるのですが、4WD車の場合あまり余裕が無いんです。

バンプストロークを規制(決定)するダンパーケース長が前後共に4WD車の方が長いんです。従って1G車高が同じだった場合、ストロークは減ります。。

結論から言うと、FF車と同じローダウン車高の設定は無理なんですね。


イメージ 1


車高設定はノーマル比で フロント -29mm / リヤ -29mm
バネレートはノーマル比で フロント 107% / リヤ 105%

イメージ 2



実車で比較するとFF車より約10mmは高い設定になってしまいます。
構造的な関係から最低地上高はマフラー部分で107mm。ちなみにFF車は車高は10mm低いけど地上高は115mm確保しています。


これだけ見ても4WD車はあまり車高落とせないんですねー。


ダンパーケース長を変更する場合、結構細かくチェックするんですよ。。

スプリングを外したダンパーのみでストロークさせて、幾つかのポイントでの状態を確認します。 
…干渉は無いか、、
各部のクリアランスはどう変化するか、、、
などなど。。

FF車で大丈夫はずだったリヤのクリアランスは4WDではちょっと勝手が違っていました。

ほぼフルストローク状態でボディとアクスルのクリアランスがかなりタイトです。
イメージ 3

ちょうどそこにあるABSセンサーのカプラーがぎりぎりなんですね。

なんか解り辛い写真ですが… ま、ご参考程度ということで。
こんなこともある、、 というご紹介です。。

大体この作業は一番最初にやります。
それで、ダンパーの寸法を決めたり、スプリングの仕様を検討したり。。

ダンパー交換をした為に車体に不具合が起きたら大変ですからね。
とても重要な確認作業なんです。


肝心なフィーリングの部分はと言うと、、

FF車に比べると若干重さを感じる4WD車。
そこは意識してスッキリしたハンドリング、フットワークになるよう仕上げました。

基本的には前述の通りローダウンとは言え、諸々の要素を踏まえた上でのローダウン設定なので、雪道でも大丈夫なレベルで完成しています。

なんといっても4WDですからね。 
そこ大事なところじゃないですか。。。