#4150 感想 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

宿題代行業者を利用するとことの是非はともかく。

読書感想文なんてバカげたものに追い回される子どもたちが不憫でならない。

あんなもの書かせるから子どもたちは本が嫌いにもなるし、国語もできなくなる。

学校で教える教科としての国語は、誰が読んでもそういう解釈になるという、きわめて客観的な文章理解力を鍛えるもの。

この時の主人公の気持ちを答えなさい、という問題は、気持ちなんぞ考えていたら解けない。

かならず文中に答え(または明確なヒント)が書いてあるから、それを抜き出すだけ。

文章を読んで背後にあるものを想像したり、自分の経験や知識と結びつけたりしたら、とんでもないトンチンカンな答えを書くことになってしまう。

国語のテストで点数を取るのに、読解力ほど邪魔になるものはない。

それに対して、読書感想文は、まずは文章を主観的に読むことが求められる。

主観的に読まなければ、感想もへったくれもない。

で、その感想とはたいてい、そう簡単に文字や文章にできるようなものではない。

クラスにいる好きな女子への思いですらなかなか表現できないのに、二宮金次郎への思いを原稿用紙3枚分も書けるわけない。

書けるわけないのに、書かされる。

書かされる不快感に包まれながら、少年は本を読まされることになる。

読書=いやなもの、の感覚が刷り込まれていく。

そしてまた、日本じゅうで今年の夏も読書嫌いの子どもたちが大量生産される。

そう言えば。

本が好きで好きでたまらなかった少女として描かれている村岡花子さん、読書感想文を書かされているシーンも教師として書かせているシーンも、いちども出てこないね。