#4015 勝抜・15 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

字余りが、ぜんぶいけないなんて言うつもりはない。

だけど、一応、五・七・五・七・七のルールがあるわけで。

それを逸脱する場合は、それ相応の趣があるというか、逸脱を補ってなお余りあるような魅力が必要なんじゃないかなと思う。

それがいやなら、定型詩なんかやめちまえ、と。

その点、「滝の音は~」は、いいよね。

いかにひさしく「なにぬねの」。

「な」こそ「な」がれて「な」ほきこえけれ。

これだけのメロディーを導き出すための字余りなら、しょうがないと思えるもの。

ということで、落選は「契りおきし」の字余り。

No.15 by 光孝天皇
君がため 春の野に出て 若菜摘む
わが衣手に 雪は降りつつ

No.35 by 紀貫之
人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香に匂ひける

No.55 by 藤原公任
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ

No.75 by 藤原基俊
契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋もいぬめり

No.95 by 慈円
おほけなく 憂き世の民に おほふかな
わが立つ杣に 墨染の袖