#3923 雇用 | プロパンガス

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「就業者」「失業者」「絶望者」のうち、リア充度真ん中の「失業者」の比率だけを求めるほとんど無意味な指標が「失業率」。

ただ、FRBが参考にしている限りやっぱりどうしても無意味扱いはできないわけで、しょうがないから今月も見てみる。

まず、家計調査。

失業者が490千人も減。

ただし、そのうち就業者になれたのは143千人だけ。

差し引き、労働参加者が347千人減。

この人たちと労働年齢人口増加分178千人、あわせて525千人が絶望者カテゴリーに陥落。

この結果、労働参加率は62.978%から62.792%(1978年4月以降で2番目に低い数字)に、失業率は6.981%から6.681%(2008年11月以降で最低)に低下。

概ね「多くの人が職探しさえ諦めたので表面上の失業率が低下」と言えなくはないけど、労働参加率が11月のまんまだったと仮置きして12月の失業率を試算しても6.956%の小幅改善となるので要注意。

また、①「フルタイムで雇用はされているけど悪天候のせいで12日を含む1週間(今回は12/8から12/14)の労働時間が1~34時間にとどまった1693千人」と②「雇用はされているけど悪天候のせいで12日を含む1週間にまったく労働しなかった273千人」は、家計調査では「就業者」としてカウントされていることも押さえておきたい。
(つまり、悪天候の影響はほとんどない)

一方、事業者調査では②のうちの「給料を1時間分ももらえなかった人」は「雇用者(就業者)」にはカウントされていない。

なので新規雇用者数の伸びが2011年以来最低の74千人に抑えられたことにも、少しは悪天候の影響があったかもしれない。

ただ、労働統計局も「For example, some employees may be off work for part of the pay period and not receive pay for the time missed, while some workers, such as those dealing with cleanup or repair, may work extra hours.」「It is not possible to quantify the effect of extreme weather on estimates of over-the-month change in employment.」と言うように、悪天候の影響というのは、容易に数値化できるようなものではない。

2013年11月までの12ヶ月間で悪天候の影響がいちばんひどかった(①695千人、②237千人)2月は、同期間で新規雇用者数がいちばん伸びた(332千人増)月でもあったぐらいだ。

ということで、まとめるなら「悪天候の影響がどれくらいあったかわからないので、評価のしようのない数字」と言うことができるかもしれない。

さらに、今日(1月12日)から始まる1週間も米東部を中心にとんでもない悪天候が続きそうなので、2月7日発表の1月分雇用統計でもその謎が解けないままということになりそうな可能性は十分にある。

ますます判断は難しくなる。

敢えて言うなら。

ジャネット女史が注目している(と噂されている)「25~54歳の就業率」は、2009年4月以来の76.070%にまで上昇している。

この事実は、見逃すわけにはいかないな、と僕は思っている。