#2169 世襲 | プロパンガス

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いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

自民党の菅選対副委員長や民主党の主張している『世襲制限』に反対します。


たしかに、世襲議員の比率は大きすぎます。


世襲議員を減らせるものなら減らしたほうがいいと想います。


そんな気がします。


気がするだけです。


それ以上のものではありません。


司法や立法府など、公的な場で『世襲』が判断とされたことは一度もありません。


『世襲』の何が問題なのか、どう問題なのか、どれほど問題なのかということについての国民的合意をすっ飛ばしていきなり『世襲禁止』というのは、あまりにも乱暴です。


われわれ一般庶民が居酒屋で世襲禁止を論じたり、あるいはマスコミが世襲の実情を報道したりするのは大いに結構だとは想います。


が、政治家(あるいは政治家を目指す人)が、雰囲気だけに流されて『世襲制限』を叫ぶのはあまりにも無責任です。


巷の空気に煽られているだけです。


あるいは、ただの人気取りです。


本来であれば、まず世襲の問題を明らかにするのがまず第一段階。


第二段階として、世襲を全否定するのではなく、世襲候補に有利にならないような選挙制度に改める道を探る。


世襲候補とそうでない候補が平等な立場で戦えるようになるなら、それで十分ではないでしょうか。


個人的には、地盤と看板ぐらいは、世襲候補に引き継いでもらってもいいと考えています。


カバンの継承だけを厳しく制限すれば、世襲候補といえどもそれほど有利ではなくなるはずです。


世襲候補に立候補すら許さないというのは、公平を求めるというのを超えて、単にみずからの政敵を追い落とすために何かを企んでいるとしか想えません。


卑しい限りです。



想像してみてください。


ある選挙区に、法の抜け穴を巧みにくぐり抜け続けて悪事を繰り返している、まさに悪徳代官のような政治家がいたとします。


その政治家の長男は大学卒業以来ずっと父親の秘書を務めていましたが、やはりどうしても父親の生き様が許せなくなり、みずから父親と親子の縁を切り、対抗馬として同じ選挙区から立候補する決意を固めました。


こんな場合でも、この長男は『世襲制限』のために立候補できない、ということでよいのでしょうか?



世襲の弊害を精査し、世襲にばかり有利にならないような選挙制度に改める、それがこの問題の解決の方向だと考えます。