75歳以上のお年寄りの年金から天引きで健康保険料を徴収するなんて、言うまでもなくロクでもない制度なんだけど。
ただ、そういう話をする時に、お年寄りは例外なく経済的弱者だと決めつけるような前提に立つのは、まったく正確ではない。
もしもそうなら、これほどそこらじゅうで遺産相続にまつわる問題が噴出するわけがない。
フローとしての収入は多くなくても、ストックとしての資産をたくさん持つお年寄りはたくさんいる。
何千万、何億という不動産や金融財産を持っているお年寄りが、わずかな年金だけで慎ましやかな生活を送るのは自由だけど、僕にはそれがかわいそうだとは想えない。
生活のための家屋を保有するぐらいならわからなくもないけど、金融財産なんか貯めこんでどうするつもりだ。
そもそも、遺産相続なんてバカバカしい制度を認めるからいけない。
そんなもん、格差拡大の何よりの根源じゃないか。
共に苦労して財産を築いた配偶者への遺産相続は十分理解できるけど、家制度が廃止されて60年、親から子への財産贈与だけが優遇されるべき正当な理由は何もない。
相続税率を100%にすることで、お年寄りは自分の財産を安心して使うことができる。
くわえて、金融財産はないけれども住居用不動産なら持っているというお年寄りのためにも、リバースモーゲージの制度も充実させないといけない。
とにかく。
収入も財産もないというお年寄りに辛い想いをさせないということとはまったく別に、収入はないけど財産はあるというお年寄りがひもじい想いをしないでいいような方策も平行して考えていかないといけない。