二酸化炭素排出量削減の切り札ともてはやされるバイオフューエル、中でも特にバイオエタノール。
このバイオエタノールの原料になるトウモロコシやサトウキビの値が、国際商品市場で高騰を続けている。
バイオエタノールの最先進国ブラジルあたりでは、トウモロコシやサトウキビの作付面積拡大のため、今日も鬱蒼と繁るアマゾンの大木が切り倒されたり焼き払われたりしている。
こんなもの、エコでもなんでもない。
地球に優しいわけもなければ、二酸化炭素排出削減になんか役立つわけもない。
二酸化炭素削減に繋がるようなバイオエタノールを作ろうと想えば、その原料は、次の2つのうちのどちらかから得るしかない。
1つは、今は捨ててしまっているような植物素材の利用。
トウモロコシの皮とか、サトウキビの糖液を絞った幹とか、ヤシの実の殻とか、米や麦の藁とか。
そういうセルロース素材。(mattmickyさんの得意分野)
もう1つは、今はぜんぜん(ほとんど)光合成の行われていないような場所で、人為的に光合成を行わせること。
ただし、砂漠の緑化のような方法は、ダメ。
水のないところで光合成をさせるという発想は、効率よく経済的なバイオエタノールの原料を得ようという目的には適さない。
(砂漠緑化には他の目的まあるけど)
地球上であれば二酸化炭素だけは無限にあるので、あと必要なのは、豊富な水と豊富な太陽光線。
これらが得られる場所も、2種類。
まずは、太平洋のど真ん中。
光合成には水と二酸化炭素と太陽光の他にも、実は触媒として鉄分やミネラルが必要。
これらは、陸地から河川を通じて供給されることが多いので、陸地から遠い洋の真ん中では不足しがち。
そのため、見渡す限りの海に太陽が燦々と降り注ぐような場所でも、驚くほど光合成が低調なところがあるらしい。
そういう海の真ん中に人為的に鉄分やミネラルを提供することで、海洋光合成農園をつくることができる。
もう1種類は、もっと人工的な方法。
植物を使わない。
つまり、人工光合成だ。
長くなってきたので、続きはまた明日。