『FAHRENHEIT 9/11』を観てきた。
ほぼ予想通りの内容だった。
つまり、
①2000年の大統領選挙は、不正がなければゴアが勝っていた。
②ブッシュ家とサウジ王家とビン・ラディン家はカネの為につるんでいる。
③イラクは911とは関係ないのにウソを口実に開戦した。
④アメリカの若者が無意味に戦死している
というものだ。
もちろん、この中には、明白なウソや間違いはない。
が、たとえば②あたりを必要以上に強調している。
イラク攻撃は、ネオコンがブッシュを担いでやったというのが、「定説」だ。
が、この映画には「ネオコン」の「ネ」の字も出てこない。
仮にマイケル・ムーアが「ネオコンとイラク攻撃は無関係」と考えているとしても、「定説」を否定するという形で「ネオコン」に触れなければ、非常に不自然だ。
つまりこれは、イラク攻撃を非難する映画の体裁をとっているが、実はイラクからネオコンを切り離し、責任をブッシュとサウジと共和党のみに押し付け、合衆国市民にネオコンの罪を忘れさせ、合衆国市民に「悪いのはブッシュ」という意識を刷り込ませるために制作・公開されたものと断じざるをえない。
ちなみに、内容はともかく、もっと笑えるコミカルなシーンが多いと期待していたのだが、そういう場面はほとんどなかった。