#270 POST・2 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

郵便は、前島密以来、国民生活に欠かせない生活インフラのひとつだった。


が、郵便が鉄道・道路、上下水道、電機・ガス、電話回線などと根本的に違うのは、その歴史的使命を終えようとしていることである。

日本が万国郵便連合に加盟した1877年には、まだ電話すらまったく普及しておらず、郵便こそが事実上、唯一の通信手段であった。


全国一律のサービスが津々浦々にまで行き渡ることが国の経済や文化の発展に大きく寄与してきたことは間違いない。

だが、国民の多くが電話を携帯し、1対1でも1対多でもeメールでのやりとりが主流となり、実物を直接届けなければ意味のない小包のようなものの配送でも民間の宅配業者が全国に張り巡らしたネットワークでカバーするようになった。


普通に考えれば、郵便など、もはや必要ない。


仮に明日、突然郵便制度がなくなっても、個人的には何も困らない。

ところが、たとえば山奥の一軒家にたった1枚のハガキを届けるとして、200円ほどの当然のコストを負担する意思のない人がこの国にいるのも、残念ながら厳然たる事実だ。


今まで提供されてきた国のサービスが打ち切られることには、強い抵抗が予想される。


この抵抗を取り除くために時間を浪費するくらいなら、民間宅配業者の郵便事業参入解禁を条件に、国が赤字を穴埋めする対象としての郵便事業を存続させたほうが良いかもしれない。

郵便料金を本来あるべきレベルにまで上げることが難しければ、集配回数を週1程度に引き下げるなど、サービスの質を落とすことで対応することも出来る。

そうして郵便は、自然消滅させるがいちばん良いと考える。