これ、メチャクチャおもしろい。
『おやすみ前にブラッシング100回』のメリッサ・Pよりも2歳だけ上のこの白岩玄という作家、日本のレベルの高さを見せつけてくれた。
綿矢りさとはタイプは違うものの、言葉の遣い廻しが非常におもしろい。
ちょっと狙いすぎで、かえって上滑りしてしまっているような部分もあるのだが、それはこれから彼にちゃんとした編集者がつけば解消されることだろう。
薄っぺらい本なので、野ブタをプロデュースするというアイデアと独特の言葉遊びとで、(ゲラゲラ笑ってしまうという意味で)おもしろくて途中の7割ぐらいまでは読み進んでしまう。
で、そこから、予想もしなかった方向に話が展開し、「え、どうなっちゃうの?」とかハラハラしてると、もう残り5ページぐらいになってしまう。
おい、もうページがないぞ、どうやってオチをつけるんだよ。
さあ、それは読んでのお楽しみ。
野ブタをプロデュースすると見せかけて、1冊の本を読むという時間を見事にプロデュースしてくれる。
エンターテイメントとして、かなりおススメ。
ところで、本文中では「野ブタ。」ではなくずっと「野ブタ」なのは、なぜ?