山形からサクランボが届いた
小包を開けると、甘酸っぱい香りが匂いたつ
一粒一粒が完熟していて
キラリとした真っ赤な光沢が
ドーンと目に入る
その日の朝摘みのサクランボのようだ
毎日毎日、手をかけて育て
やっとこの収穫期を迎えたのであろう
例えば、日当たりが悪いと色がつかないので
葉が茂ると、日陰をつくらないために
毎日のように、手で葉のせん定をするのだという
本当に、一粒一粒育てるのは
大変なことである
人間一人一人を育てるのと
同じような愛情をかけているに違いない
私はサクランボを一粒ずつ口の中に入れ
軸を抜いて甘い果実をゆっくりと頬張る
ひと時が好きである
そして、一粒一粒のサクランボを
親しい友と分かち合って
歓談しながら食べるのは
もっと好きである