朝からシャワー浴びて
いつもより丁寧に髪の毛乾かして
昨夜からケアしてた唇にはちみつリップを
何年か前に買ってそのまま放置されていたビューラー
慣れない手つきで少しずつ上向きまつげへ
珍しく爪なんて磨いちゃって
指先が光ってなんだか恋する乙女気分
この間一目惚れしたカーディガンと
お気に入りのレースのスカートはいて
メイクポーチ、お財布、音楽プレイヤー、チョコレート
遠足の前夜の子どもみたいに
鞄にそれらを入れながら わくわくが止まらない
独占欲も性欲もなくなったのに
残ったのは寂しさだけで
それを埋めるためのどきどきだったのかと
儚いいつかの恋心を懐かしく思う
同時に半分以上予想していた失望に安堵する
めでたい頭は生まれ変わったように一瞬にして冴え渡り
冷たい感情の向こう側にあるものは
同じことを繰り返す自分に対する馬鹿らしさ
次なんてないのに次を約束するな
いつか、も来ない またね、も嘘
見えない未来を希望で繋ぐようなことに飽きてみろ
常に心は疑心暗鬼
味方がいる安心感など都合のいい幻だ
心臓の裏側にどれだけの敵が潜んでいるか、微塵も想像できないだろう
コンピュータがつくりだす堅い文字なんぞに惑わされて踊らされて
そんなことにならないように自己防衛の徹底を
周りを気にせず狂えるほどの強さを持ってみろ
君は一人だ
虚実と醜悪にまみれたこの世で溺れればいい



