昼前に到着した、東京駅にて
ちょっとひと休み…とベンチに座ると、隣におばあちゃん(80代くらい)と、その娘さん(50代半ば~60代くらい)がやってきました。
おばあちゃんを掛けさせた後、娘さんが大きな声で言っていました。
娘「ねぇ、お母さん、指輪いくつつけてるのよ、外しな~(ネチ)。」
お「…。」
娘「そのネックレスもさぁ…ちんどん屋みたいだから、外した方がいいよ(ネチネチ)。」
お「…。」
娘「第一、そんなにつけてたら下品だよ~(ネチネチネチ)。」
結局、娘さんの意見に押され、おばあちゃんは、しぶしぶそれを外し、バッグにしまいました(´・ω・`)
私は、その年代の方が身につける装飾品が大好きです
とにかく激動だった時代に、家事をし、勤労をし、子育てをし、強く逞しく生き抜いている方々の、年輪の刻まれた身体でだけ輝きを放つ、特別な美しさを感じるから。
また、当時の方々って、宝石・貴金属のアクセサリーをたくさん持っているイメージがあります。
しかも、それは決まって、一生の財産になるような超高級品ばかり。
人生の酸いも甘いもわからず、ハリとツヤしか取り柄のない若い子達や、
中途半端に変なプライドしかない成金おばさん達が身につける、ゴテゴテしただけの安物イミテーションなんかとは、
決して比べものにならないくらいの高貴なオーラを、不思議と醸し出すのです。
重みが違うというか…。
昔、おばあちゃんの指輪を見せてもらった時、好奇心で着けさせてもらいましたが、
それは、とても綺麗で重くて眩しくて、何も知らない子供の私には、どう見ても不釣合いでした。
なんだか指輪の方に、「あなたにはまだまだ早いわねぇ」と、言われているような、そんな気がしたのをよく覚えています。
…今朝までおばあちゃんと一緒にいたせいか、そんなエピソードも思い出され、
この娘さんの発言を聞いていると、怒りというか悲しみというか…残念な思いから、自然と涙が零れ落ちました。
だいたい…こういうことって、東京駅のど真ん中、大きな声で言うことですか?
おばあちゃんのアクセサリーの度合いが気になったのであれば、出かける前にでも、小さな声ででも言えたはずです。
刻み込まれた魅力に対する審美眼もない上に、TPOもわきまえず人の趣向を批判する、
そういうデリカシーのないあなたの方が、よっぽど下品だと、私は思います。
そして、そんなあなたが80歳になった時…あの指輪は絶対に似合わない、絶対に。
娘さんがお土産を買いに行き、その場を離れた後、涙と鼻水を垂らしながら、たまらず、おばあちゃんに話しかけてしまいました。
ni「突然すみません
…私は、さっきの指輪もネックレスも本当に素敵だと思いましたよ
」
お「ありがとうございます。」
おばあちゃんは、そっと笑っていました。
穏やかなおばあちゃんに、感情的な私。
…私にも、きっと一生、あの指輪は似合わない。