大学を中退した息子

最近はとても表情が明るくなり、笑顔が増えた。



大学を辞めた事で、気持ちが軽くなったのだろうか


大学を辞めた事を、夫も私も責め立てないので安心しているのだろうか




『甘やかしているのかもしれない』


『もっとビシビシ鍛えなければ、社会に出られないのではないか』


『苦しさを乗り越えてこそ、人は成長するものだ』



私は、時折、そんな思いに囚われる。



毎日好きな時間に起きて

気が向いたらふらっと出掛けて

ひとりで自由気ままに過ごしている


そんな息子を見ては、不安になる。




でも




幼かった頃の息子の表情と笑顔を見るとホッとする自分がいる。



そうだ



息子がこうして笑顔で過ごしてくれるだけで

私は幸せな気持ちになれるのだ。



息子の表情

息子の笑顔


子育ての指標は、私の目の前にずっとあったのだ。



息子の表情が明るくなる方向へ

息子が笑顔で過ごせる方向へ


進んでいれば、良かったのだ。



そうだった。そうだったんだ。





それなのに、



ちょっと成績が良かったというだけで、大きな期待を掛け


勉強ばかりさせてしまった。








不安になる必要など、無かった。


親が先回りして、あれこれとやらせる必要など、無かった。


勉強が習慣化するように親が誘導するのは良いと思うが、親の方が子ども以上に情熱を持ってはいけなかった。




息子のやりたい事をただ全力で応援するだけでよかった。




それだけで、よかった。