高校受験が終わってからというもの
勉強を辞めてしまったかのような息子。
授業進度に遅れをとり
定期テストでも赤点を取っているようだった。
この頃
息子の目付きが変わってきたように思う。
クルクルとした愛くるしい目元だったのだが
鋭い目付きに変わっていた。
話しかけても、「あー?」しか言わない事が増え
天真爛漫で明るかったのに、表情は少なく暗くなっていた。
家で話さなくなり
話しかけても、迷惑そうな嫌そうな顔をする。
私が息子の部屋に行って話そうとすると
「ここだけは自分のテリトリーだから、絶対に邪魔をするな。」
と言うようになった。
あまりにも勉強している様子もないし
それでも大学受験も意識してやっていかなければ、という焦る気持ちもあり
ついつい
自室に籠る息子の様子を見に行ったり
「勉強してるの?!」と聞きに行ったり
「今からやらないと、大学受験間に合わないよ!」と小言を言いに行ったりしていたが
「自分の部屋は自分だけのテリトリーで
唯一の安全基地だから、勉強の話をここでするな!」
と、息子にきつく言われた。
その目はとても鋭く、可愛かった小さい頃の面影も無くなっていた。
それは思春期なのか?成長なのか?
それとも・・・
息子にどう接すれば良いのか?
どうする事が正解なのか?
その時の私には分からなかった。
《大学へ行くべきだ》
という考えに囚われていた私には、選択肢など無かったのだ。
狭い考えにがんじがらめになっていた。
