県立高校の入学手続きを無事に済ませ、

「制服を買いに行こう」と息子を誘った。


本人がいなければ、採寸も出来ないので

息子の都合を聞いて、予定を合わせて2人で行った。



車で行ったのだが、

「高校から宿題出てたね」と話かけても

「あー」


「宿題やってるの?」と聞いても

「あー」


「採寸終わったら、お昼どうする?」

「あー」


何を聞いても、

何を話しても、


「あー」


しか言わなくなった。

気に入らないと


「あー?」


と語尾が尻上がりになる。



高校受験が終わるまで、私が介入する事が多かった。


素直に聞いていた、、、


と思っていたが、その素直さは本来喜ばしい事ではなかったのだろう。


《正しく反抗期を迎えていなかったのではないか》


と感じてはいた。




制服採寸中も、息子はずっと不機嫌だった。


「ベルト、どれにする?」と聞いても

「あー」しか言わない息子。



お店の人に

「〇〇高校にご入学ですか!凄いですね!」

と話しかけられているのに


それに対しても無表情のまま


まるで自分とは関係ないと言わんばかりの対応だった。




勉強を優先するあまり、

何か大事なものを忘れてしまったかの様だった。