浪人して通っていた予備校で、進路説明会があり出席した。



息子はちゃんと通っている様子はなかったが、


いや、なかったからこそ


私が話を聞かなければいけないと思った。



前年度のセンター試験で息子と同じくらいの点数だった生徒が、予備校で勉強して点数を上げ、息子の志望校に合格していた。


そんな話を聞きながら、


「まだこれからだ」

「まだ間に合う」


と祈るように念じた。



冬期講習の話や、志望校提出の話もあった。



志望校、、、




志望校は、ある。



あるけれども、



合格の可能性は極めて低そうだ。

、、、そのまま書いても大丈夫なのだろうか?



現実に戻ると不安しかなかった。



その時に、息子本人が無理でも私が予備校で相談すればよかった。



現実的に目指せる大学はどこか

志望校を受験校としても大丈夫か



それなのに、出来なかった。



頻繁に掛かってきていた予備校からの電話が怖くて


電話に出られたり

電話に出られなかったり


電話に出ても

「予備校での出席記録がありません」


そう言われ、



周囲の浪人生達が必死になって勉強している中、


《そもそも出席記録が無い》とか

基本的な所で躓いている息子の事を


相談するのも躊躇われた。




説明会の最後に、スクールカウンセラーの方が出てきてお話された。



やはり、浪人中に精神面で体調を崩してしまう子は一定数いるらしかった。


まさに、息子の事だと思った。



この頃からもしかしたら勉強に疲れてしまっているのではないか?と思っていた。



「気になる方は是非一度相談を」


そう話すスクールカウンセラーの方に相談した方が良いのでは、と思った。




予備校に大金を払った挙句

予備校不登校で、スクールカウンセラーに相談?



大学受験のために予備校に入校したのに?



その予備校で、勉強の事や受験について相談するのではなく、

精神面での心配事や不登校気味の事について相談しなければいけないなんて。




息子はどうしたんだ

私は何がしたいんだ




急に何がなんだかよく分からなくなってしまった。



高校生の時スクールカウンセラーを拒否した息子。



きっとまた拒否するだろう。



結局、スクールカウンセラーに相談する事なく

帰路についた。




今思えば


勉強よりも息子の精神面での健康を第一に考えるべきだった。

私だけでも、カウンセラーに相談すべきだった。




それで全てが解決する訳ではないが、それ以上拗れる事は無かったかもしれない。