息子は高偏差値の県立トップ高校に通っていた。
高校に入学した途端に、大学入試へのスタートが切られた。
私立中高一貫校へ通っている生徒に比べ、
《公立中学へ通っていた生徒は学習に遅れを取っている》
と言われ、
大学受験で肩を並べて対等に戦えるように、、、いや、負けないように、と
公立高校の授業進度は凄まじかった。
最近増えている推薦入試などは「狙うな」と言われていた。
【県立トップ高校から、一般受験をして、トップ大学に入学する事】
それこそが王道だと。
国立大学が不合格になり、難関私立大学へ入学する事になったとしても
附属高校からエスカレーター式に進学するのと
一般受験して合格して進学するのとは
就職活動の時に心象が違うものだ、と言われた。
先日まで中学生だった子どもとその親に
高校に入学した途端に、
進学説明会で大学進学についての話だけでなく
就職についての話まであるのだ。
私はすっかり洗脳されていた。
息子もまた然り、だろう。毎日高校に通っていたのだから。
この高校に入学した以上、
トップ大学へ一般入試で合格を勝ち取り、
一流企業に就職を決めるのだ!
その道しかない!!
そう思っていた。
高校の進路説明会で
【就活】の話までされてしまうと、
【学歴フィルター】の事まで心配になり、
《何がなんでも、高偏差値大学へ行かなければならない》
その考え一辺倒になってしまった。
しかし世の中には
色々な考え方があり
色々な世界がある
学歴至上主義社会だけでは無い
世界は自分が考えているよりも、もっともっと広い。
本来なら子どもよりも長く生きている親自身が
その世界の広さを知り
「勉強が全てでは無いよ」
「学歴が全てでは無いよ」
と、息子に話してやればよかった。
その上で「どうしたいか?」と
息子に選択肢を与えた上で、自分で選ばせればよかった。
【トップ大学への進学しか道が無い】
その生き方しかないなんて
一本道を進むしか、他に道がないなんて
なんて苦しいんだろう。

