あまいゆめをみてる *プラグレス文庫*

あまいゆめをみてる *プラグレス文庫*

少女漫画家になれなかったヤツが書き殴ってる
作品→@81amata
活動報告→@amaiyumeomiteru

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柔らかな木漏れ日の差す午後。


たまたま立ち寄った薄暗い古本屋で見つけた、古い辞書。

歴史を感じるその擦り切れた背表紙へ、自然と手が伸びていた。

棚から取り出すと、そのずっしりと重みのある辞書の淵は、黄色く色褪せていた。


パラパラと捲ると、あるページで止まる。


そこには、丁寧に折り畳まれた便箋がはさまれていた。


それを静かにそっと、開いてみる。




『拝啓、君へ。



元気ですか。


あれからもう何度か、君と過ごした短い季節が訪れますね。


あの頃の僕はまだ子供で、君の笑顔を守ることさえ出来ずに、

君を傷付けたまま、この手から、離してしまった。


君の愛に気付けずに。


本当に、どうしようもないぐらいに愚かで、子供でした。



季節が巡り、僕は幾分かは成長出来たように思います。

今なら、君を手放したりなんてしないのに。


君はまだ、僕を許せないでいますか。


出来ることならもう一度君に、おかえりなさいと、言ってもらえたなら。


僕は今度こそ君に、真実の幸せを贈りたい。

そうしたらやっと、君の本当の笑顔が見られることでしょう…。



君と出逢えたことは良かったと、あの日と変わらず今でもそう思っています。

ただ、隣にその君がいないことが、僕の一生の後悔でなりません。



さようなら、ありがとう。


僕はこうして今日も君へ、届くはずのない手紙を書いています。


それでは、また。



君の毎日が、幸せでありますように。』





それはもう何十年も昔に書かれた、ラブレターだった。





プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-古書@君に、

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プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-月@君に、


『北極星』



あなたにさよならを告げられて


道標を失った



けれど依存していたのはわたし






これからは


一人で歩ける強さを







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『スピカ』

プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-曇った夜空@水珠





堂々としているつもりでいたのに



君の瞳は鋭くて

弱い僕をいとも簡単に突いた




弱さのあまりに君を遠ざけて逃げた僕を





君は赦してくれるだろうか






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『信じてもいいですか。』

プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-コスモス@空色Holic




独りじゃないよ

大丈夫




あの日

君が僕に言ってくれたこと




その言葉を



信じてもいいですか







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『甘い夢をみてる。』



彼女達のテーブルにその日

最後に運ばれてきたのは

名物巨大パフェ


女3人でそれをつつき始める

夜更けのファミリーレストラン


たまに通りかかる男のコ達の視線も気にしないで

「ダイエットは明日から」が合言葉


一人は結婚を意識している彼がいて

一人は片思いに奮闘中


一人は男よりも夢を追いかけている

そんな彼女でもタイムリミットまでには

王子様が迎えに来ると信じてる


真夜中のプリンセス達

ちらっと見える厨房の男のコがカッコイイとか

そんな調子でガールズトークは進む


砂糖菓子のように毎日は過ぎていくけれど

いつかただの現実の日々になってしまうことも知っている


だから今はまだ

このパステルカラーのような

ふわふわした感覚を楽しんでいたい



女のコに必要なのは

ガールズトークと


甘いもの。




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『離れていくなら近付かないで』


プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-月と金星@so‐ra


「春までしかそばにいられないんだ」

とキミに告げられた


あの夜あの公園で


「そうなんだ…」

とぼんやり呟いて

オリオン座を見上げた


見かねたようにしてキミに

「どうした?」

って訊かれるまでわたしは


遠くの星を眺めていたことに気付かなかった



その方角にある街へキミは行ってしまうから





あの日を境にわたし達の関係は変わってしまって


あの日にふたりそのままでいられたなら

違う別離(わかれ)があったのかな



わたし達は大人になってしまっていて


恋がキレイな思い出のままでいられるほど

コドモではなくなってしまっていた




今となってはもう

遠くの空に想いを馳せたりなんてしないけれど





ずっと友達でいられたなら

失うことはなかったのかな







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『落実(らくじつ)』


プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-落実@水珠





この想いを

捨てることが出来たなら


どんなに楽だろう



恋が


こんなにも苦しいなんて








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『此処から始まるストーリー』

プラグレス文庫 **恋愛漫画小説。**-彼岸花@水珠





それでもいい。

今の僕には、君しか見えないから。


恋は盲目だって、みんなは笑うだろう。


けれど彼女のあんな姿を見て、

一体誰が笑える?


僕だけが知ってる。

君のその心の奥を。


隠してる痛みや弱さ。


いつだって僕は此処にいるから、

いつか僕にだけでも見せてくれたら。







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初めての遊園地はデートで

あ、デートは遊園地で

人混みを利用して手をつないで

最後はお決まりで観覧車


高くてちょっと怖いね

なんて言って隣に座って

君は恥ずかしそうに目を伏せたりして


そして僕は言うんだ


ありきたりでベタだけど

僕はそんなに器用じゃない


頭で思い描くストーリーはすんなり行くけど


ほらもう僕の手は汗を握ってて

心臓は脈打ち過ぎて停止しそう


ほら早く言わないと

早く

早く


今だけ時がゆっくり進めばいいのに



てっぺんまでもうすぐ。




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1月の物語 『camera×camera』

彼は写真が好きだった。
いつ、どこで会っても、彼の骨ばった手には、ゴツいカメラがあった。
それも今時珍しく、アナログの一眼レフ。
大学の構内にも彼のシャッター音が響く。
彼は言っていた。
「写真が後で出来上がるのが楽しみなんだ」
と。

使い捨てカメラでそのもどかしさを知っていた私には、イマイチ理解が出来なかった。時代の便利さに、すっかり慣れてしまっていたからだ。



彼はいつでもどこでも、気になる被写体を見つけては、シャッターを切った。
夕焼けの空、路地裏の猫、夜空の月、公園ではしゃぐ子供。

カメラを構え、レンズ越しに世界を見つめる彼を、私はスマホカメラで撮った。


私のこの小さく華奢な電子機器の中に、彼を閉じ込めたくなって。


そして彼は、撮影旅行へ出掛けた。一人で。


数日後。
『君へ。』

というタイトルで、画像が送られてきた。


彼からだった。
『飾らない、君みたいだ。』

そう、一文が添えられた写真は、雪帽子を被った、真っ赤な椿の花。



白と、赤と、緑の配色が、見事だった。

椿1

さらに数日後。
知らない番号から着信があった。
いつもなら出ないはずだったのに、何となく出てみた。
その人は低い声で、『彼の友人』だと名乗った。

「・・・実はあいつ、数日前に旅先で事故に遭って―――」


耳を疑った。
私は今、イタズラ電話にでも騙されているのかと。
しかしその人は、彼の名前も住所もちゃんと知っていた。

彼は私への写真を送った後、事故に遭い、この世から、消えた。



彼のスマホも事故に巻き込まれ破損し、データが飛んでしまったらしい。


だから、私への連絡が、遅くなったと。



事態を、飲み込めなかった。


だって彼は、私のこの電子機器の中に、いるのに。


すでに通夜も告別式も終ってしまっているらしい。


だけど、彼の家まで来てほしいと、そういう連絡だった。

私は普段着のままで向かった。

初めて訪ねた彼の家には、彼の遺影が、ひっそりと、佇んでいた。


手を、合わせられない。
そんな、認める行為を。
すると背後から、その友人が私を呼んだ。
友人に案内され、二階の彼の部屋へ向かった。
暗室になっていた彼の部屋。
そこで友人が、一枚の写真を私に見せた。
「!」
それは、紛れもなく、私。
けれども、自分でも見た事の無い笑顔だった。

「・・・あいつの、最期のフィルムの、一枚目に、入ってた。」

そうだった。
彼は旅立つ前に、私をそのゴツいアナログカメラに、収めていた。

いつものようにして。


「・・・あいつに、君みたいなヒトが、いたなんて。」


友人は私から視線を逸らしたまま、力無く笑った。
その瞳に光るものを、私は見逃さなかった。
その一言で、私は全てを、理解した。

お互いに、自分のカメラへ、お互いを、閉じ込めて。

今更になって、涙が頬を伝った。

私は、彼を、好きだった。
そして彼も、私を、好きだったのだとわかった。

お互い、口にはしなかったけれど。
無意識に、独占欲が、生まれていた。

それなのに。彼はもういない。いないのだ。

出来上がるのが楽しみだと言っていた、写真を見る事なく。

素直に「行かないで」と言えばよかった。
死の旅行になんて、行かせるんじゃなかった。

涙は枯れる事無く溢れ続けた。



私の小さな電子カメラの中には今日も、笑顔の彼が、いる。




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椿(赤)花言葉:気取らない優美・気取らぬ魅力・つつしみ深い椿2
※この物語はフィクションです。花言葉は後から偶然知りました!驚き。

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