自腹を切るということ | 英検1級・留学・TOEIC900点・転職を目指して・・・どん底の人生から這い上がりたかった過去の自分

20**年3月7日


 最近、油外がまずかった。


 油外(ゆがい)とは、ガソリンなどの燃料油以外の、洗車やオイル交換などから得られる利益のことだ。


 ガソリンスタンドは、元売りの補助がなくなったので、ガソリンだけでは赤字なのだ。


 だからこの油外というもので利益を沢山出さないと、会社として存続できない。


 その日は早番だった。


 油外を出さないと、出すまで帰るなという周囲のプレッシャーがすごい。


 どうやって出せばいい?


 客にアプローチしたって、誰も買ってくれない。


 明らかに油外みたいな雰囲気の車は、全て他の人にとられる。


 もし自分が受注したら、



「あいつは油外にがめつくてさ・・・」


 と陰口をたたかれる。


 おこぼれで受注した、どうにもこうにも手をつけられない客にアプローチして、油外を出すしかない。


 そんなんで、一日一万円も油外を出せるわけがない。


 だから、自腹を切った。


 洗車のチケットを2冊、自分のクレジットで購入した。


 1万6千円を失った。


 だって、それしかないじゃないか。


 客が買ってくれないなら、自分が買うしかないじゃないか。