偏差値について その5 ~塾によって異なる偏差値~ (復刻版) | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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同じ学校のA判定偏差値でも塾によって微妙に異なります。

例えば、ある塾では灘が偏差値65なのに、他の塾では偏差値71だったりします。

これはどうしてなのでしょうか?

 

偏差値はその母集団(受験者全員)の平均点からどれくらい離れているかを表した数値です。

つまり、塾の偏差値表の値とは学校のA判定のレベルが塾生の平均値からどれくらい離れているかを表しています。

 

学校の入試のレベルはどの塾から受験しても基本的に変わることはありません。

ですから、学校のレベルを基準にして考えてみましょう。

偏差値がより低く出ている塾は塾生の平均レベルがその学校のA判定レベルに近いということです。

簡単に言うと、偏差値を低く出している塾の方が塾生の平均レベルが高いと考えることが出来ます。

 

では、A判定偏差値を低く出している塾に転塾すればその学校に合格しやすくなるのでしょうか?

そんな「いくら食べてもカロリー0」みたいな甘い話はありません。

今いる塾よりもA判定偏差値を低く出している塾に転塾したとすると、自分の偏差値も下がると考えるべきです。

実際のところ、むやみに転塾するとカリキュラムや進度の違い、テスト形式の違いなどに慣れるまで偏差値はさらに低めに出ることがあります。

いずれにしても、学校の難易度は在籍する塾には関係ありません。

 

 

平均レベルが高い塾

 

塾の平均レベルが高い理由は何だと思いますか?

塾の指導力?面倒見の良さ?高い授業料?合格実績?

 

いろいろ考えられますが、最も簡単に塾生の平均レベルを上げる方法があります。

優秀な講師を用意する必要もありません。

 

それは、入塾テストを難しくするということです。

他には成績下位の塾生を退塾にするという方法もあります。

 

要は平均よりも下の生徒がいなくなれば、相対的に平均値が上がるという単純な理屈です。

難点としては、塾生数を増やしにくいことでしょうか。

 

そこまで極端なことをしなくても、「ウチの塾は最難関を目指す塾です」、「勉強量は多く、難易度も高いです」、「オプション講座も受講すると高額になります」などと宣伝すれば全体的に平均レベルは上がるのではないかと思います。

それで結果が出なければ試合終了ですが。

 

 

平均レベルが高い塾に入ると、それだけ勉強に負荷が掛かります。

毎週のテスト、毎月のテストで点数を取るのが難しくなり、ライバルのレベルも高くなります。

同じ学校を目指すのに必要な勉強量が同じであると考えた場合、それはどこの塾に行っても基本的に同じだと思います。

だとしたら、そういう競争の激しい環境で鍛えた方が緊張感があっていいと考える人が実績を出している塾に集まってくるわけです。

 

 

では平均レベルが低い塾ではダメなのでしょうか?

そんなことはありません。

どこの塾でも学力別クラス編成となっていると思います。

人数が少ない校舎はクラス数が少ないですが、大規模校舎に行けば何クラスもあって、最上位クラスは最難関志望者が集まっているはずです。

そこに入るだけの実力を身に付ければ良いわけです。

 

逆に平均レベルが高い塾に通っていても、下の方のクラスにいたら最難関には届きません。

だからと言って転塾してもそれだけでは学力は上がりません。

どこの塾に通おうが、志望校のレベルに見合う勉強量をこなさなければ偏差値は届かないのです。

 

 

塾によって上下が異なるケース

 

たまにあるのが、A校とB校の2つの学校の偏差値を比べたときに、ある塾ではA校の方がB校より偏差値が高いのに、別の塾ではB校の方がA校より偏差値が高いなんていうことがあります。

どうしてでしょうか?

 

考えられる可能性

 

・その塾の塾生の入試結果を基にしているので、たまたまそうなった。

 偏差値1ポイントくらいの差なら誤差の範囲です。

 A判定ラインは不合格者が出ることで決まるわけですから、塾がどういう受験パターンを勧めるかで差が出てくることもあります。

 

・塾のカリキュラムと入試問題の相性による

 これは難関レベルではよくある話です。

 科目によって塾のテキストの難易度に多少差があります。

 また、塾がどの学校をターゲットとしてテキストを作っているかというのもあるかと思います。

 たまに受験生のレベルにあっていない難易度の入試問題を作る学校もあります。

 

・偏差値の計算方法の違い

 一般的に3科の偏差値と言えば、国算理の合計点で偏差値を出すものですが、各教科の偏差値を3科の偏差値とする塾もあります。

科目によって配点が異なる学校の場合に差が出ることがあるのです。

 

 

・大人の事情

 偏差値が高い学校の方が人気があります。そこで色々と駆け引きが行われます。

 塾が展開するエリアにもよります。

 同じレベルの学校でもどこかで差をつけておきたいときにわざと1ポイントずらしたりすることがあります。

 

 

いずれにしても、他塾の偏差値表を見てもあまり意味はありません。

友達の成績を見て「へぇ、あいつ理科が苦手なんだ」くらいの話だと思っていいでしょう。

 

よく、「ウチの塾の方がレベルが高い」なんていうマウントを取ろうとしている人がいます。

それはその人の自由ですが、その”高いレベルの塾”でその人の成績が悪かったらカッコがつかないですよね。

 

 

 

 

 

算数塾NEOコラボ企画

全4話です。

 

 

 

 

 

 

 

Googleのキャッシュより復活させることが出来ました。
 

 

 

 

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