偏差値が上下する原因 | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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ブログ開設11周年を迎えました。

公開テストのたびに成績が上下する人がいます。

先月は良かったのに今月は悪かったとか、先月は悪かったけど今月は取り返せたとか。

 

負け続けるギャンブラー(ギャンブル依存症の人)が良く使うセリフと同じようなことを言っている人をよく見かけます。

 

・今回は調子が悪かった。

・時間が足りなかった。

・あと5分あったらもう1問解けていた。

・ここさえ合っていたら■■点だった。

・本当は何点取れていたはず。

・あと何点取れたら偏差値●●だった。

・次は頑張って取り返す。

・成績は下がったけど、これで自分の弱点がわかったから良かった。

 

などなど。

 

私もこの業界で働くようになって20年以上になりますが、昔から毎年このようなセリフを聞いてきました。

最難関合格実績ナンバー1の大手塾でさえ、そのようなことを言っている生徒がたくさんいました。

どこの塾でも同じようなことを言っている人がいます。

 

彼ら全員に共通するのは「結果が悪かった」という事実で、塾、クラス帯、偏差値とは関係ありません。

自分の目標に対して、結果が届かなかった人ということなのです。

 

 

昔から、「寝言に返事をしては(話しかけては)いけない」と言われています。

ですから、ここは華麗にスルーしておきましょう。

 

 

偏差値が上下する理由 その1

 

誰でも多かれ少なかれ偏差値の変動はあります。

その変動の幅はどれくらいなのだろうかと、統計を取ってみたことがあります。

大手塾の志望校別コースの業務の中で数年間で数百人の成績データを処理していたので、そのデータを利用して調べてみました。

データは退職する際にすべて破棄したので覚えているのは標準偏差の値だけです。

 

その値が約2.5ポイント。(教科別)

これは、各生徒の成績(平均値)に対して、各回の成績がどの程度ブレるかという値です。

推定ですが、全生徒の7割近くが偏差値の上下幅5ポイント以内に収まるということになります。(理論値)

残りの3割近くがその倍の上下幅10ポイント以内に収まるという計算になります。

 

簡単に言うと、多くの人が教科別で見ると偏差値5ポイントくらいは普通に上下するということです。

 

これが3科目、4科目の総合になると、もう少し上下幅は少なくなります。

3科目とも良い、または悪いということは確率的に起こりにくくなるからです。

むしろ、良い科目と悪い科目が打ち消し合って、結果的に成績はほとんど変わらない確率の方が高いと言えます。

例えば、前回は算数が悪くて国語が良かったが、今回は算数が上がって国語が下がったというようなことがよく起きます。

 

 

ハイ&ロー

 

ハイアンドローというゲームを御存じでしょうか?

トランプのカードをめくって、次にめくるカードの数字が上か下かを当てるゲームです。

今回めくったカードの数字が小さいほど、次にめくるカードの数字が大きくなる可能性は高くなります。

逆に今回めくったカードの数字が大きいほど、次にめくるカードの数字は小さくなる可能性が高いのです。

一番困るのは真ん中辺の数字(6,7,8)のカードを引いたときですね。

 

成績も過去数ヶ月の平均値を基準にして考えると同じように予想することが出来ます。

平均値を超える確率は50%くらいなのですが、今回の成績が悪かった人は次回のテストでは今回よりも上がる可能性がより高くなります。

 

今回成績が下がったとあわてて教育相談に行く人もいるかと思います。

新人講師にとっては恐怖かもしれませんが、ベテラン講師にとっては極めて予想しやすいベットチャンスなのです。

そんなに勉強しなくても次回は成績が上がる確率が高く、上がらなかったとしてもダメージは少ないわけです。

しかし、本人(保護者)は危機感を持っているので、上手く誘導すれば真面目に勉強するようになるかもしれません。

急に勉強を始めたからと言ってそんなにすぐに結果が出るわけはないのですが、翌月の成績がちょっと良くなっただけでもモチベーションが上がります。

それが努力の結果だと思ってくれたら、より努力するようになるかもしれません。

※結果が出ない場合はモチベーションが下がる可能性が高いです。

上手く波に乗せてやるのがテクニックですね。

 

株式とか為替取引に例えるなら、大きく下がったときが買い時だということです。

安値で仕込んでいた人たちが「株価が上がっている今が買い時」とか言いますが、さらに吊り上げて売り抜けようという算段なのでしょう。

バブル期の最高値と比較しても意味はありません。

1989年当時の日経平均最高値で金が20g以上買えたのですよ。

 

 

というわけで、理由その1は確率的に上振れ・下振れが起きるということでした。

 

 

 

偏差値が上下する理由 その2

 

ではなぜ上振れ・下振れが起きるのかを考えてみましょう。

ここで、学力はそう簡単に上下するものではないと定義しておきましょう。

急に勉強量を増やしても、あるいは減らしてもすぐに成績には反映されません。

少なくとも変化が見えるまでに2~3ヶ月は掛かります。

 

努力する場合、

全単元を復習するのに掛かる時間が最低でも2~3ヶ月です。

それが安定して成績に反映されるようになるには2~3ヶ月掛かると考えていいと思います。

 

サボる場合、

習った単元をすべて忘れていくのに掛かる時間には個人差や環境差があります。

塾はそれを防ぐために同じ単元を繰り返し学習するカリキュラムにしています。

それでも急に勉強時間を減らすと、新たに覚える量より忘れていく量が多くなるのでじわじわと学力が下がります。

ニュートン算ですね。

3ヶ月も経つと取り返しがつかないくらい学力が低下します。

しかし、偏差値は相対的なものですから、「下には下がある」という現象に支えられて低いところで安定します。

 

ダイエットに失敗してリバウンドする人と同じ仕組みですね。

失敗した人が集まって反省会という名のお食事会を開いたりします。

 

 

短期間で上下する原因は学力の変動ではありません。

 

では何が原因かというと、テストの出題分野・単元なのです。

 

誰にでも得意分野・苦手分野があるかと思います。

たまたま、テストに得意分野が多く出題され、苦手分野が少なければ成績が上がる可能性が高くなります。

逆に苦手分野が多く出題され、得意分野が少なければ一気に成績が下がる可能性もあります。

 

塾のテストは年間計画により分野・単元を満遍なく出題します。

ただし、入試頻出単元の出題比率は高くなります。

また、直近で習った内容は正答率が高くなりすぎたり、授業の曜日による進度差が出ないように出題を避けるように配慮されています。

むしろ、ずいぶん前に習っていてみんな忘れている可能性がある単元が狙い撃ちされたりします。

 

定期的に復習をしている人にとってこれは差をつけるチャンスになります。

これが出来ないと上位帯は維持できません。

 

 

社会や理科の暗記分野はこの影響が大きく出ます。

出題分野のバランスはだいたい決まっているのですが、どの単元が出るかで差がつきやすいのです。

その単元を全然復習していなかったら壊滅的な結果になります。

当然ながら出題者はそこを狙ってきます。

もちろん平均点が下がらないように得点しやすい単元も出題します。

 

国語は物語文、説明文で成績が大きく変動するようです。

 

算数は問題数が少ないわりに各分野・単元から幅広く出題されるので、分野・単元による影響は比較的少ないです。

偏差値50付近の人が一番影響を受けやすい気がします。

 

 

毎回単元はバラバラですが、年間を通してみるとどの分野・単元も満遍なく出題されていることになります。

ですから、過去の成績の平均値を出すことで学力がより正確に求められるということですね。

なるべくならバランスのいい学力を身に付けていきたいところです。

 

入試の場合、学校によって傾向にバラツキがあります。

上位の学校ほどその差が大きく、それが合否に関わってくるので、志望校別対策が必要になってくるのです。

 

 

偏差値が上下する理由 その3

 

学年にもよりますが、この時期は新入塾生が入ってきます。

塾に慣れていない、公開テストに慣れていない集団が占める割合が高いほど学年平均や得点分布は影響を受けます。

そんな彼らも2~3ヶ月で慣れてくるので、その期間中は読みが難しいとも言えます。

 

クラス分けも同様ですね。

入塾テストで入ってくる新入塾生は暫定的に今のクラスに入っています。

この2ヶ月間の成績で妥当なクラスに移動していくわけですが、安定してくるのは6月くらいでしょうか。

 

新入塾生のおかげで上のクラスに上がれた人たちも、やがて実力相応のクラスに落ち着きます。

 

他塾からの転塾生の影響を受けるのは最上位層かもしれません。

他塾のトップレベルが1人転塾してくるだけで順位が1つ下がる可能性があるからです。

それが10人なら順位が10くらい下がるかもしれません。

順位が10下がっただけで大騒ぎになるのは、上位100位以内の人たちです。

300位くらいだと10位下がってもほとんど影響はありません。

 

 

偏差値が上下する理由 その4

 

「今回は調子が悪かった」人たち(ギャンブラー)ですね。

彼らはつねに確率勝負をしています。

平均値を基準にすれば、良いときと悪いときはほぼ等確率なのですが、彼らはなぜか基準値を高めに持ってきます。

つまり、常に「過去一番良かったとき」を基準にしている人が多いのです。

これは過去最高を更新しない限りは常に失敗します。

トップレベルにいる人ならそういう意識を持つのも良いことなのですが、そうでない人には苦痛でしかないでしょう。

 

もっと最悪なケースは「志望校A判定偏差値を目標とする」人ですね。

志望校A判定偏差値を目標とするということは志望校A判定偏差値を取れているというわけではないです。(進次郎構文)

小泉進次郎構文の名言(語録)まとめ - 激バズ | 構文, お笑い ネタ, 面白い画像

その結果、毎回調子が悪かったということになるわけです。

 

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ではどうすればいいのか?

 

偏差値が上下するということは何か原因があるのだろうと思いましたよ。

何が原因なのか、それがわかるんだったら苦労はしません。

もちろん個々に原因があるんでしょうよ。

それがいったい何なのか、見てもいないので断言はできません。

 

自民党、感じ悪いよね」の再来を恐れ続けていた石破茂の警告(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

 

成績が不安定なのを安定させればそれでいいのか、

それとも成績が上がればそれでいいのか、

まずはそこをしっかり考えていかなければならない。

何でもかんでも勉強をすればいいというのは私はいかがなものかと思いますよ。

 

勉強時間を増やしたとして、それが本当に有効なものなのだろうか、

そこを慎重に検討しなければならないと思います。

(石破構文)

 

 

 

答えはみなさんの中にあります。(コーチング)

 

 

知らんけど。(玄人思考)

 

 

 

 

 

 

 

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