近畿圏の中学入試の塾は2月が新年度となります。
塾によって多少日程が異なりますが、今週から来週にかけて1週間くらい塾が休みになるかと思います。
この隙に塾講師は代休・有休を取って、息抜きをしていたりします。
新年度のクラス替えが発表になり、テキストを貰ってきている人もいるかと思います。
ここからの1週間で何をするかで、新年度のスタートが決まるかもしれません。
塾では「予習はしないでください」と言われます。
これにはいくつか理由があります。
・予習をしてくる子としてこない子で差が出来てしまうから
・予習をしっかりやってくる子は授業中に退屈して話を聞かなくなるから
・予習の時間が宿題やテスト勉強の時間を圧迫するから
などが挙げられます。
テキストの問題を全部解いてきた子にとって、授業での演習は退屈ですし、問題解説は時間の無駄と感じるかもしれません。
かといって中学や高校のように予習前提の授業となると、予習していない子はついていけなくなる可能性があります。
ただ、塾は学校と比べてクラス替えが頻繁にあるので、必然的に実力に合ったクラスに落ち着くかと思われます。
しかし、保護者にとっては予習をさせるというのがかなり負担になります。
わからないところを教えなければならなくなるからです。
特に困るのが算数です。
中学受験の算数はかなり特殊な解法を使います。
内容的には中学・高校の数学の公式だったりするのですが、あくまでも方程式は使わずに解くのです。
x、yの代わりに〇とか□を使っているだけだと思うかもしれませんが、そこは重要なポイントではありません。
算数ではマイナス(負の数)を使ってはいけないというルールがあるので、一般的な方程式の解法が使えないのです。
また、方程式の方が万能だと思う人が多いかと思いますが、けっこう無駄が多いのです。
万能ツールはあくまでも素人向けで、プロの職人さんは専門ツールを使います。
たくさんの種類をそろえる必要がありますが、作業がより速く(効率よく)、より確実になるのです。
そんな解法を親が教えるのは大変です。
だいたい「高学年になるともう無理」とみなさん言いますね。
そこで塾としては予習をさせない方針をとり、それが現在では主流となっています。
ところが、それを勘違いする人がよくいます。
「予習は必要ない」ということは、塾がないときは何もしなくていい、と。
そうではありません。
塾では予習をしなくていいかわりに、「復習をしてください」と言っているのです。
新年度が始まるまでに何をすればいいかというと、「予習」ではなく「復習」なのです。
例えば、新年度の最初の単元が「数の性質」であれば、現学年でも最初の頃に同じ単元を学習しているかと思います。
その内容を復習しておくのが最も効果的だと思います。
というのも、現学年のテキストの応用・発展問題が新学年のテキストでは基本問題に出てきたりするからです。
たまに同じ問題を数値もそのまま使い回していることもあります。
それを復習している人とそうでない人で差が出るのは当然ですね。
より高い学習効果を狙うのであれば、あえて予習するのもありだと思います。
要は、「授業もちゃんと聞く、ノートも取る」という前提を守ればいいのです。
ただし、わからないところは親が教えるというのは避けて、なるべく自分で解説を読んで出来るところまでやるようにする、つまりどうしてもわからなければ手を付けないというのがいいと思います。
そこを授業で聞くとか、授業で扱わなければ質問に行くというのが理想的です。
自力で解けた問題も、塾の先生のやり方の方がいいと思ったらそれを覚えます。
同じ塾でも先生によって解き方が違うということがよくあります。
同じ先生でもクラス帯によって解き方を変えている場合もあります。
自分にとって一番いい方法を覚えるのもいいですが、違う解き方も覚えておく方があとで役に立つ可能性があります。
時間を掛け過ぎてもよくないので、実力テストだと思って解いてみるのがいいかもしれません。
ただし、それを毎週続けていくのは大変なので、塾の通常授業が休みになるタイミングで取り入れてみるのもいいかもしれません。
新入塾生の場合、「やってみたけど全然わからない」ということがあるかもしれません。
それでも、一度自分で取り組んでみることで、授業が頭に入りやすくなる効果があるので、やってみて損はないと思います。
問題文を読むだけでもいいと思います。
どの科目でも使える方法です。
【注意】自分が知っているからと、塾の授業中に周りに対してマウントを取るような行動だけはやめましょう。
1週間でどれだけ差がつくのか考えてみましょう。
塾がないということは、1日あたり4~5時間の空き時間が出来るということです。
土日はもっと時間が取れると考えると、1週間で約30~40時間の空き時間が出来ます。
これをすべて算数に使うとしましょう。
講義1回分のテキストの問題を解くのに30分くらいという人なら、30~40時間あれば1年分の講義の復習が出来ます。
1時間かかる人なら半年分くらいですね。
それだけやり込めば、次の公開テストの出題範囲くらいはカバーできるかもしれません。
3科目やると1科目あたり10時間程度です。
これだと全範囲は無理ですから、新年度のテキストに出てくる最初の単元を中心に復習しておくと授業の理解度が高まると思います。
弱点分野を強化するのもありですね。
暗記分野とかすぐに忘れるので、もう一度覚え直すのもいいかもしれません。
上位クラスはほとんどの子が復習していると思った方がいいでしょう。
逆に下位クラスは遊び呆けていると考えて間違いないでしょう。
これから1週間の行動を見れば、将来的にどのクラス帯に落ち着くかが見えてくるかと思います。
中学受験が終わったばかりの人にも同じことが言えます。
中学が始まるまでの2ヶ月間で約60日×1日平均4時間=240時間相当の差が出来ると考えていいと思います。
多い人だと(中学数学+中学英語)×3年分くらいの勉強量に相当します。
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