理科の成績を上げたい | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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理科の成績を上げたいという人がたまにいます。

塾で相談しても、「その前に算数と国語を…」なんて言われがちです。

 

意外に理科の成績を上げるのは難しいのです。

もちろん、現時点での成績にもよります。

そんなみなさんのために理科の対策を考えてみることにします。

 

理科を勉強する上で大事な4つのことを知っておかなければなりません。

 

 

  4つの分野

理科は大きく分けて4つの分野があります。

・物理

・化学

・生物

・地学

入試にはこれ以外に、環境問題、複合問題、時事問題などが出題されます。

 

一般的に、物理・化学は計算分野、生物・地学は暗記分野などと言われています。

まず、その認識から変えていきましょう。

 

特に最難関を目指す人の場合、入試に出題される生物分野・地学分野の計算問題も対策が必要となります。

多分、6年の夏期講習や志望校別特訓でも出てくるかと思います。

逆に、中堅レベルの学校を目指す人の場合、化学分野・物理分野もけっこう暗記が必要になります。

 

3科の学校の場合、理科で環境問題、時事問題(理科に関する内容)を扱うことが多いです。

4科の場合、社会でも出題されます。

 

 

4つの分野はさらに細かく分類されます。

 

【物理分野】

・力学

・電流

・おもりの運動

・熱、音、光、エネルギー

 

【化学分野】

・気体の性質、気体の発生

・燃焼

・水溶液、溶解度

・酸とアルカリ

 

【生物分野】

・植物

・動物

・人体

・総合

 

【地学分野】

・地質、岩石

・流水のはたらき

・天気

・天体

・火山、地震

 

 

 

  公開テスト対策

塾のテストに出題される問題はある程度制約があります。

・通常授業で今までに習っている範囲であること

・各分野バランスよく出題すること

・平均点確保のために暗記問題を多めにすること

・満点対策として難易度の高い計算分野を出題すること

 

出題分野

実際の入試でも、例えば大問が8題であれば各分野から2題ずつ出題されることが多いです。

大問数が例えば6題しかない場合はどうなるでしょうか。

まず、各分野から1題ずつで4題です。

残りの2題は4分野の中から1題ずつ選ぶことになるかと思います。

入試において圧倒的に出題率が高いのが生物分野で、多くの学校では大問2題くらい出ます。

次に多いのが地学分野です。

どちらも暗記内容が多いので、難易度が高くなり過ぎず、平均点確保がしやすいのでしょう。

 

塾の公開テストも実際の入試に沿った形式になるので、やはり生物分野が圧倒的に出題されやすいわけです。

化学分野や物理分野は比較的高学年で習う単元が多いので、4年生くらいのテストだと生物、地学が多く出題されやすいと思います。

 

どこが出やすいかは、過去半年間のテストを振り返ってみればすぐわかると思います。

分野別に統計を取ってみましょう。

ひょっとしたら出題パターンが見えてくるかもしれません。

 

 

暗記分野

 

暗記が苦手だという人は多いと思います。

どうしたらいいかとよく聞かれるのですが、「暗記分野は覚える」ということを覚えて欲しいです。

苦手な人は多分このまま成績が上がりませんから、成績を上げるのを諦めるか、暗記から逃げるのを諦めましょう。

「詰め込み勉強は良くない」というのはただの詭弁です。

詰め込み勉強が出来ない人は国立大学には行けません。

学校の遠足にいくような格好で富士山に登りたいと言っているようなものです。

 

覚えるならまず生物分野です。

特に植物ですね。

理由は出題頻度が最も高いからです。

と言っても、植物も単元がたくさんあります。

・種子の発芽

・葉のつくりとはたらき

・茎のつくりとはたらき

・根のつくりとはたらき

・花のつくりとはたらき

・光合成と呼吸

・蒸散

・植物の分類

といったところでしょうか。

 

種子の発芽でもさらに細かく単元がわかれます。

・種子のつくり

・単子葉と双子葉

・有胚乳と無胚乳

・発芽条件

など。

 

これらを全体的に満遍なく覚えようとする人が多いですが、暗記分野は中途半端に覚えても全然点数が取れません。

例えば、選択肢が5つあったとして、そのうち最低でも4つは覚えていないと確実に正解は出来ないのです。

ということは最低でも8割くらいは覚えておかないといけません。

で、8割というのは塾のテキストでいうと基本内容すべてということになるわけです。

 

各分野を6割くらいずつしか覚えていない人だと、選択肢が絞り込めず、最後は運に頼ることになってしまいます。

残り2つまで絞れたら正解する確率50%ということになります。

で、テストのあとで「あ~、こっちにしておけばよかった~」となるわけです。

「こっちにしておけば」という問題ではないのです。

覚えてさえいれば簡単なのです。

 

というわけで、暗記をするなら小単元を1つずつ、しっかり覚えていく必要があります。

と言ってもたくさんあって大変なので、ここ最近のテストに出題された単元は除外しましょう。

しばらく出題されることはないと思います。

 

生物分野や天体分野は季節によって変化が見られます。

そういう単元は季節に合わせて出題される傾向があります。

例えば、今は夏ですから、

・夏に咲く花

・夏によく見られる動物

・夏の星座

・夏(夏至)の太陽と影の動き

・夏の天気(梅雨、台風)

などを絡めて出題されることが多いです。

 

そういう単元は優先的に覚えるといいと思います。

9月以降は「秋」ですね。

 

 

6年生の場合は今のうちに暗記分野を固めておかないと、9月以降はそんなにゆっくり覚えている時間はないと思った方がいいですね。

今覚えても忘れるとか言っている人がいますが、9月以降はそれを反復する時期なので今のうちに一度は頭に入れておかないと処理しきれなくなると思います。

 

 

4年生、5年生は今のうちに習った範囲をしっかり固めておけば、これから先の公開テストにも出題される可能性があるわけですから、かなり安定した成績を取れるようになります。

5年生までで生物分野は全部習うと思います。

6年生までにしっかり固めてしまえば、あとは年金生活です。

 

 

 

  生物が嫌い

たまに生物が嫌いという人がいます。

特に昆虫が苦手だと。

さすがに私も「黒い悪魔G」だけは好きになれません。

そこで、玄関など侵入経路になりそうなところに数々のトラップを仕掛けています。

また、すぐに手に取れる場所にGジェットを常備しています。

特殊な訓練を受けているので、夜中に「カサッ」という音がしただけで検知できるのです。

 

蚊も嫌ですね。

玄関周りにはスプレーを撒いたり、蚊取り線香をつけて侵入を防いでいます。

 

とにかく嫌いな虫を寄せ付けないためには、

・奴らが嫌がるものを置いて遠ざける

・万一侵入したら叩きのめす

という鉄壁のディフェンスが必要なのです。

 

 

実は人気のある私立中学も同じことをやっています。

入学したいと集まってくる受験生に

・嫌がる分野から出題する

・点数の低い者は不合格にする

という対策をしているわけです。

 

 

というわけで、なぜか女子校の入試問題にはよく昆虫が出題されます。

男子校はたまに生物マニアの先生(生物の先生)がいて、マニアックな問題が出題されがちです。

 

暗記分野は誰がやってもめんどくさいものですが、私立中学はそのめんどくさいことをちゃんとやってくる生徒が欲しいのです。

嫌いなことでもしっかり出来る人が優秀な人ということですね。

 

 

「先生、俺理科嫌い」

「多分、理科も君のことが嫌いだと思う」

 

 

 

 

 

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