偏差値50を目指す その1 | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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偏差値50付近には見えない壁があると言われています。

これがいわゆる「偏差値50の壁」です。

 

塾の公開テストや公開模試を受験すると、その平均点付近の人が偏差値50になります。

ということは、全体の半数(理論値)は偏差値50未満ということになるのです。

 

しかし、実際には公開テストは毎月行われていますし、多くの人は成績が偏差値で数ポイントは上下します。

ですから、偏差値50を1回でも超えたことがあるという人の割合は6割くらいになるかと思われます。

科目別に見るとさらに多くの人が一度は偏差値50を超えたことがあるということになります。

 

塾の偏差値表というのは前年度の6年生の入試結果を基に作られています。

その基準となるのが6年生後半の複数回の公開テスト偏差値の平均値です。

9月~12月だと4ヶ月間の平均値ということになります。

そこで、塾の偏差値表を参考に志望校を考える場合、過去4ヶ月ほど遡って自分の成績の平均値を計算する必要が出てきます。

そのときに偏差値50を超えている人の割合と考えると、やはり全体の約半数というところに落ち着きます。

 

偏差値50未満の人にとっては、「偏差値50の壁」を超えることが目の前の目標かもしれません。

それを超えないことには志望校のA判定に届かないという人が多いのではないでしょうか。

 

というわけで、どうすれば「偏差値50の壁」を超えられるのか考えてみましょう。

 

 

 

  ふつうに勉強していれば偏差値50は取れる?

「ふつうに勉強していれば偏差値50は取れる」と言う人がけっこういます。

それは本当なのでしょうか?

 

だいたいそういう発言をする人は偏差値50を超えています。

自分たちが出来ているのだからそれが「ふつう」なのだというわけです。

でもそれって逆に言えば、偏差値50未満の人はふつうではないと言っているようなものです。

侮辱しようとして言っているのか、謙遜して言っているのかはわかりませんが、偏差値50が取れない人にとっては気分がいいものではありません。

それを信じて「ふつう」に勉強しているのに成績が上がらないと嘆いている人もいます。

悩んだ挙句に出した結論が「地頭が違う」なのかもしれません。

 

「ふつう」という曖昧な表現がまず問題です。

 「今日のテストどうだった?」

 「ふつう」

と言った場合に、これは平均点を取れたという意味で使われているのでしょうか?

 

「ふつう=平均」と定義すれば、「ふつうに勉強していれば偏差値50(平均点)は取れる」と言ってもいいと思います。

ということは、「ふつうの勉強」というのは偏差値50を取るための勉強法だと考えることが出来ます。

 

私も大手塾に10年ほど勤務していたので、その間に数多くの生徒(延べ3000人くらい)を見てきました。

偏差値50前後の子が在籍する難関コースを担当していた期間(最難関との兼任も含む)も長いので、数百人は実際に指導しています。

データ分析なんかもけっこうやっていたので、その辺の経験も踏まえて考えてみようと思います。

 

 

  クラス帯

大手塾は学力別クラス編成が基本となっています。

その中でも学力と志望校に応じていくつかのクラス帯やコースが存在します。

 

クラス帯が2つしかない場合は、上のクラス帯と下のクラス帯はちょうど真ん中の偏差値50あたりで分けられます。

それが3つになるとどうなるかというと、3等分というわけにはいかないのです。

 

上位クラスは最難関志望と考えると、最難関は全体の10~20%しか合格できませんから、クラス帯の人数もそれくらいになります。

偏差値で考えると60くらいが一つの目安になるかと思います。(塾の規模と合格実績によります)

下位クラスは偏差値50未満で、残りが中間クラスということになります。

割合にすると、上位20%、中間30%、下位50%くらいの比率になるかと思います。

校舎ごとの生徒数、教室のキャパ、成績分布によってかなりの誤差があります。

人数が多い校舎はクラス帯の中でさらに1組、2組…と分かれます。

 

学力別クラス編成を取る理由は、

・学力が異なる生徒に同じ授業をすることが効率的でない

・競争原理が働くことでモチベーションが上がる

・志望校が異なると必要な勉強量が異なる

などが考えられます。

 

逆に言えば、それが出来ない塾(校舎)は

・生徒数が少ない

・教室数が少ない

・講師が足りない

のかもしれません。

 

大手塾の場合は、交通の便のいい場所に本部校舎があり、上位層はそこに集まる傾向があります。

その方がより効率よく授業が出来るからですね。

その結果として、小さな校舎では中間クラスと下位クラスしかないという状況になります。

その校舎の中で成績順に上半分が中間クラス、残りが下位クラスという感じになります。

それを打破するために合同クラスというシステムを取る塾もありますが、クラス帯の基準は本部校舎を参考にするということになるわけです。

 

そのときに偏差値50というのが微妙な位置づけになります。

校舎によっては中間クラスに入れたり、入れなかったりするわけです。

 

運よく中間クラスに入れても、偏差値50くらいだとクラス内では下位になります。

モチベーションという意味では最悪の状況になりかねません。

逆に下位クラスに入った場合、偏差値50くらいだとクラス内上位になります。

鶏口となるべきか、牛後となるべきか、微妙な立ち位置ですね。

結局は本人の意思に関係なく、教室のクラス分け基準によって事務的に振り分けられます。

 

そういう塾の裏事情をよく知っている保護者もいて、タイミングよく校舎を移籍することで中間クラスに滑り込もうとする人もいます。

しかし、校舎を移籍して中間クラスに入ってみても、それで成績が上がったという例を見たことがないので、根本的な解決にはなっていないと思われます。

 

 

 

  平均的な勉強時間

「ふつうに勉強する」=「平均的な勉強時間」と考えてみましょう。

 

偏差値50前後の子の勉強スタイルはだいたいこんな感じです。

・授業は真面目に聞いて、ノートはしっかり取る。

・宿題は授業のあとで1回、数日後に2回目、テスト前日に間違えたところをもう一度。

・わからないところはノートを見たり、テスト直前に先生に質問する。(親が教える)

・前回のテストの直しをする。

・塾のある日は家に帰ってから1時間程度、塾のない日も2時間程度は勉強する。

・それを親がしっかり管理しているケースがほとんど。

 

それを継続することが出来れば「ふつうに勉強」出来ているということであり、その結果として偏差値50前後をキープ出来るということですね。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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