遂に、漸く当家の御先祖様?が「不気味に」登場!(大河ドラマ考369鎌倉殿30-32) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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夏休み期間ではありますが、TOEICなど受験の皆様、関係者の皆様は暑い中大変お疲れ様でした。

この期間は行事がイレギュラーで、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も学会・入試などでリアルタイム試聴できなかった回が有りましたが・・・

しかし、今週の第32回「災いの種」はそうはいきません!

なぜならば、当家の御先祖という「(あくまでも)伝承がある」お方が初登場するからです。

 

(1)その前に、第30・31回の内容をざっと。

まず第30回「全成の確率」(8月7日本放送)。2代将軍頼家は病に臥せりますが、これを叔父の阿野全成が呪詛したからとして全成を殺害。ただ、呪詛云々よりも、この事件は頼家と全成との対立は比企氏側(全成)と北条氏側(頼家)との幕府内での主導権争いによるものだという見方が通説です。

いずれにしましても、ドラマでは北条義時が人が変わったように闇落ちするのは「全成を失って比企への復讐心を滾らせて以降」という設定になっており、歴史上というよりもドラマ設定上で重要な回でした。

 

今までは低「確率」の成功だった祈祷も荒天召喚も、全成は死の直前になって確実に成し遂げます。

史実の阿野全成と実衣(阿波局。北条保子、とも)はこの頃既に別居していた様ですが、最後に全成は荒天の中で妻の幸福を祈りながら命を落とすというすごい迫力の場面でした。

 

次の第31回「諦めの悪い男」(8月14日本放送)では、頼家が重病に倒れて比企と北条の対立が表面化。

頼家はもう助からないものとして、比企は頼家の長男・一幡(母は比企の娘)を後継に擁立しようとし、北条は頼家の同母弟の千幡(母は北条政子)にしようとして折り合いが付きません。

北条時政は比企能員を騙し打ちにし、主を失った比企側は応戦するものの全滅。その結果、千幡(のちの源実朝)が将軍後継として朝廷への任官の使者が出発。

これで一段落、のはずが、その直後になって頼家のまさかの病状回復・・・という歯切れの悪い幕切れで終了しました。

 

(2)それでは、今週の第32回に就いてです!

第32回は「災いの種」(8月21日本放送)。災いの種と考えられるのは義時に立てば

➀生き残った一幡(北条の推す源実朝体制にとって災いの種)

です。(吾妻鏡では一幡は比企の乱で焼死となっていますが、生死不明との話も有ってドラマではその説の方を採用。)

しかし、最後に比企尼が乱後も生き残っていて(史実上は生死不明)、善哉(一幡の弟)に「仇は北条」と吹聴。

ですので、

➁比企尼

③善哉(後に3代将軍を殺害)

も災いの種に当たるでしょう。

 

そしてもう一人、

京都守護・平賀朝雅が取って付けたように現れます。

妻(北条時政の娘)をそっちのけにして義母・りく(牧の方。時政正妻)に花を贈るなど、気障な衣装や振る舞いが目立つこの人物。りくさんが若いのであり得ない話ではないのかもしれませんが、この気障なお方が当家の御先祖に当たる・・・という伝承があるのですから少々神妙ではあります。。。

 

しかしこの朝雅朝臣は清和源氏頼信流。いわゆる頼朝・足利尊氏・武田信玄らと同じ「源家」のメンバーで、頼朝の親戚「御門葉」として幕府内で優遇。それゆえか、若くして(21歳という)正五位下という義父・時政よりも2ランク上の位階を所持していました。頼朝の猶子(養子扱い)とも。

しかも、飛ぶ鳥を落とす勢いである北条の婿。血統的にも人脈的にも征夷大将軍の有力候補であり、これが波乱を招く「種」にならないはずが有りません。従って

④平賀朝雅

も災いの種でありましょう。

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源家による政権であったはずが、いつのまにか源家のメンバーたちが災いの種呼ばわりになってしまいました。

実は立場は逆転。真に恐ろしいのは、北条です。