認知症患者宅へ訪問② | 薬剤師の在宅医療奮闘記

薬剤師の在宅医療奮闘記

患者さんを助けるのは医師、看護師やケアマネージャーだけではありません。
薬物治療の担い手、薬剤師の活動を報告します。

え~今回のブログは

前回、思わせぶりに終わらせた続きになります。

前回はコチラ → 


おじいちゃんの薬の管理について

●薬剤の再分包
●お薬カレンダーの変更

については上手くいったのですが、

●ベイスンを医師の指示通り食前服用に戻す

が大問題を引き起こしました。


朝服用する薬は朝食前と朝食後になったわけですが、

なんとっ!!

片方しか飲まない日が毎日続いていました・・・。


つまり、骨髄増殖性腫瘍
いわゆる白血病治療薬がちゃんと飲めていなかった・・・。


即座に医師に相談して全て食後服用に切り替えました。

白血球数や血糖異常がないことを祈るばかり


ところで気になったのが夕食前の薬は、しっかり飲めていること


ここでおじいちゃんへ質問タイムっ!!

『朝は何回か忘れちゃってますけど、
 夕食時の薬はしっかり飲めてますね』

『朝は10時ぐらいに起きてるから忘れちゃうんだよ』
『夜は晩酌中に飲んでるから忘れないんだよ』

ええっ!!晩酌中・・・。
まぁ飲み忘れられちゃうぐらいなら、まだマシか(-_-;)

『そっかー、それじゃあ忘れないですね』
『ちなみに夜の薬は晩酌始める前に飲めます?』

『あ~、大丈夫!晩酌前に飲めるよ』

怪しい・・・。

と、まぁそんなやりとりがあったわけですが、

ここで思いついたのが
夜なら忘れずに飲めるなら大切な薬は全部夕食後に持ってけばいい

早速、各処方医に連絡して朝食後→夕食後の許可をとりました。

『これからは朝の薬を夜飲む様にしてくださいね』

『朝の薬を夜に変えてサイクル的に問題ないのか?』

妙なところで、しっかり者アピールしてくるおじいちゃん

『お医者さんに聞いたら夜で良いよって言ってるので大丈夫ですよ』

『そっか、なら安心だ。よろしく頼むよ』


薬を持ち帰り、再度、分包し直してお届けしました。

翌週

恐る恐るカレンダーを確認すると
ベイスンのみになった朝の薬は案の定、
飲み忘れがちらほらありましたが、
夜の薬は1週間分しっかり飲めていました。


服薬管理が成功した時の達成感・・・

めちゃくちゃ嬉しい

『夜の薬、ちゃんと飲めてますね』

『あぁ!沢山の薬、朝から飲むのつらかったけど、
 夜なら晩酌中飲むから楽だったよ』

『じゃあ、これからは夕食後で作って来ますね!』
『ちなみに朝の薬も忘れないようにして下さいね』

『頑張るよ!ありがとう。薬のことよろしく頼むよ』


今回、色々な問題が発生しましたが、

在宅医療を担う薬剤師として

やれることが沢山あるなぁ~と実感出来る案件でした。


その後、服薬管理とは別の問題が発生しますが、

それは、またの機会にお話しします。

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