2025年
5月1日からエンジンを組み立て始めた。
スペアエンジンのクランクケースとクランクを使い、それ以外の部品は今までのエンジンの部品を移植していった。組み立てに関してはサービスマニュアルに従って組んで行ったが、作業時に気が付いたことや特に気を付けたことを以下に書いてみる。
〇クランクシャフト位置合わせのピンおよびCリングに気を付けた。
〇液体ガスケットはクランクケース合わせ面とオイルシールに薄く塗布。
なおクランクシャフト右側のオイルシールはメーカー絶版になった模様。
〇カセットミッションを取り付ける時、オイルシールを痛めないようにカウンターシャフトのスプラインに紙テープを巻いて養生してから組んだ。
〇カセットミッションを取り付ける時、リターンスプリングの位置(写真の裏側のバネ)をきちんと合わせてからクランクケースに組み付ける
〇フレームへの取り付けは、腰下のみ完成させた状態でフレームに載せたが、クランクケースカバー右につくプラスチックの冷却ホース分配部品がフレームに干渉するので外した状態でフレームに取り付けた。(自分は同時にオイルポンプも外しておいた)
〇フレームへの取り付け時に、エンジンとフレームの位置を合わせてからボルトを通して組み付けるわけだが、今回はエンジン底部の前後にジャッキ二本を当ててバランスを取りながら持ち上げて組み込んだ。位置合わせはエンジンリア側の高さ調整がポイントだった。
〇フレームにエンジン腰下が付いたらシリンダー等の腰上部品を付けていった。リアピストンリングと小端部ベアリング類は今までの走行距離を考慮して新品とした。
〇クランクケースに直に付くオイルシールはすべて新品に交換した。
今回の修理ではエンジンをノーマル状態に戻してみた。
具体的には、Jhaチャンバーをノーマルマフラーに戻したのでキャブレターセッティングもノーマルにした。チャンバー変更によりクラッチスプリングも強化する必要がなくなったのでノーマルに戻した。エンジン制御回路の不具合は最近取り付けたETCやヘッドライトリレーによる電圧低下が影響している可能性も捨てきれないので、今回は念の為取り外した。
蛇足だがこのバイクのノーマルでない部品はおおよそ以下の通り
フロントマスターシリンダーをセミラジアルマスターに交換
前後ホイールはSP用マグテックを粉体塗装して使用
リヤスプロケットをAFAM製に交換
リヤブレーキローターをMC21用に交換(MC18用より状態が良かったので使用)
フレーキパッドやブレーキホース、シフトリンケージを社外品に交換
この通り高価な車外パーツは使用ぜずに、ほとんど純正中古の部品を手直しして組み付けている。
5月3日 エンジン始動。
エンジンはあっさり掛かったが、電気系がおかしいみたいで調子が悪い。
主な症状を以下にすると
1 アイドリングはする
2 始動後少しするとRCバルブが止まる
3 4000回転あたりから点火がおかしくなって不整爆発を起こしているみたいでエンジンの吹け上り、排気音ともに正常でないようだ。
対策として以下の作業を行ったが治らなかった。
〇他のRCバルブサーボモーター及びRCサーボコントローラー予備の幾つかと交換して点検
〇フロントのRCバルブワイヤーが少しささくれていたのでテンショナーとともに手持ちの良品と交換して調整
〇他のPGMユニットの予備の幾つかと交換して点検
結局不調の原因は接触不良があったようで、PGMコントローラー、RCバルブコントローラー、パルスジェネレーター等の点火系部品のコネクターに接点復活剤を吹き付け何度か差しなおしてみたら、エンジンが正常に動くようになった。
翌日には30キロほど走行したが特に怪しいところもなく普通に走ってくれた。
5月10日 一週間ぶりに乗ろうとしたらエンジンの調子がもとに戻っていて、まともに走れなくなっていた。ゆっくり直している余裕がなかったため暫く放置した。
6月13日 電装のメインハーネスを手持ちの物と交換したが症状は治らなかった。
色々やってみても不具合の原因がわからなかったが、たまたまピックアップコイル(パルスジェネレター)を交換してみたらマトモに動き出した!
修理後、11月現在で900キロほど走行しているがRCバルブが止まることもなく問題なく走ってる。
上記のごとくエンジン制御系の電装部品は予備をいくつか持っているので何度も交換してみたが改善しないので途方に暮れていたけど、パルスジェネレーターを交換してみたら劇的に調子が良くなった。現在は信号で停車するたびにRCバルブの動作を確認しながら走っているところ。パルスジェネレーター交換以降RCバルブが止まることは起きていない。
2025年5月4日 試運転時の写真 そのうち、長いこと外していたフルカウルを付けたいと思ってる。




