プロケア通信 -24ページ目

羅漢果

○羅漢果


 羅漢果は中国広西省チワン族自治区の山岳地に産するウリ科の果実で、香りが高く甘みが非常に強いため、中国では古くからこれを乾燥させて料理の調味料、甘味飲料の原料として使うほか、生薬として珍重して神果とも呼び、国王は他国への持ち出しを禁じていたともいわれる。羅漢果の文字は、仏教修行者の到達できる最高の境地である阿羅漢果に由来するであろう。

 もともと野生であった羅漢果であるが、いつのコロからか農家の園芸作物として栽培されるようになりながら、新中国の誕生の頃には荒廃の限りを尽くした。しかしその後、再び中国政府の奨励のもとに復興して農業の表舞台に登場し、今では主要な中国の輸出産物のひとつとなった。


 生薬としての羅漢果は、清熱・止咳・去痰・肺の湿潤・造血・胃腸の機能促進、利尿・便秘などに効くとされ、近年の研究ではストレス解消や高血圧症、糖尿病にも効果があり、長く服用していると細菌感染による呼吸器系の疾患に対する抵抗力がつくことが指摘されてきた。そのため、中国では羅漢果を原料とした咳止め、喘息の発作を抑えるシロップ剤や錠剤あるいは熱湯を注いで飲む固形剤などが作られて、製品は海外へも輸出されている。


 わが国では、以前この羅漢果の甘み成分(糖度は砂糖の300~400倍)に着目して、徳島文理大学の竹本常松らが詳細な分析研究を行い、驚くほど低カロリーの新しい配糖体(テルペングリコシド配糖体)を発見し、「S-5」と名づけて学会発表をしたことがある。一部には初頭の過剰摂取による虫歯、肥満、糖尿病などの多発が心配される日本において、この新しい甘味料がそうした弊害の緩和に役立つと期待がもたれたが、当時はまだ輸入量が少なかったこともあって広く知られない時期が続き、従って商品開発もなかなか進まなかった。しかし、生産量の増大と輸出振興の恩恵を受けて、現在ではわが国の消費量も拡大している。


 最近になって、岡山大学医学部の森昭胤らのグループが、羅漢果の熱水抽出エキスに、活性酸素とフリーラジカルを消去・抑制し、さらに脳組織の脂質の過酸化を予防する作用があるという研究発表を行った注目された。活性酸素とフリーラジカルは通常の体内での酸化の過程でも、また、紫外線や放射線の照射によって発生する。あるいは油や油脂が空気と熱に長時間さらされたときにも発生し、食事によって体内に取り込まれる。それが体内で脂質を酸化させて有害物質に変えたり、正常な細胞を破損したり、遺伝子を傷つけることになどによって、癌・動脈硬化・炎症・虚血・アレルギー・パーキンソン病などのほか、老人性ボケを含むさまざまな老化現象をもたらすのであるが、羅漢果にはそれを消去・抑制する作用があることが判明したのである。


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プルーン

○プルーン


 プルーンはバラ科のセイヨウスモモノ一種(乾果専用種)で、長寿地帯のコーサカス地方とカスピ海に近い西アジア地方が原産である。腐らせずに乾燥できるので干しスモモに用いられる。欧米ではミラクル(驚異の)フルーツ、ワンダー(不思議な)フルーツと呼んで活用し、アメリカの病院では妊婦にプルーンジュースを飲ませて便秘や貧血の予防に役立てている。


 プルーンに含まれるビタミンAは多くの果実に比べ数倍、数十倍と多く、B1も小麦胚芽と並ぶほど多い。そのほかB2、ナイアシン、生長促進のパントテン酸、ピリドキシンなど、豊富なビタミン類をバランスよく含有している。また、重要な機能を持つミネラル類が多く、カリウムやリンをはじめ、血液を正常に保つ働きがあるカルシウム、鉄、マグネシウムなども豊富である。


 プルーンは古くから貧血に効くことが知られており、アメリカで行った動物実験(1933年)でも既に、貧血を治すプルーンの能力は食品としてレバーについで高く、ホウレン草やキャベツよりも優れていることが報告されている。また、便秘に効くので、朝食にプルーンを食べる習慣は欧米人の生活の知恵とされる。悪性の便秘が治った例もあり、優れた自然の便秘薬といえるが、この効用については、カリフォルニア大のエマーソンの研究によると、プルーンには水にもアルコールにも溶けやすい緩下作用のある物質が存在するからだと述べている。


 健康食品のプルーンは、乾燥したプルーンのエキスをペースト状やゼリー状に食べやすく加工したものや、粒状タイプのものがある。


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カリウム

○カリウム


 カリウムは、生命を維持する上で欠かすことのできない必須の物質であることが知られ、その働きは1,細胞内の機能を高める、2,電解質や血液中の酸、アルカリのバランスをとる、3,神経や刺激の伝達がスムーズに行くようにする、4,心臓のリズムの調整、などがあげられるが、特に最近はその生理作用が注目されている。

 例えば、カリウムを摂り過ぎた場合は、慢性腎炎や尿毒症の原因となり、極端に多ければ心臓にも作用して生命に危険が及ぶこともないわけではない。また、通常は過剰分の排除が排尿によって行われるが、次第に機能低下が併発するようになると排泄能力がダウンするため、摂取制限をしなければならなくなる。

 逆に不足した場合は、副腎皮質機能を亢進して、あらゆる筋肉の興奮性が減り、筋肉の収縮・弛緩の調整がうまくいかなくなって、疲れやすくなる。また、腸の蠕動運動が妨げられて便秘を起こしたりする結果、浮腫や半身不随、不整脈、心臓発作に陥りやすくなる。(しかし高カリウム血症と異なり、生命に危険が及ぶことは少ないとされる。)

 カリウムの作用で特徴的なのは、高血圧の原因のひとつと考えられている塩分(ナトリウムか塩素なのかははっきりしていない)の害を防ぐ効果が実験的に証明されたことである。腎臓病には付随して起こる高血圧を2次性高血圧といい、他に特別な原因が見つからない高血圧を本態性高血圧というが、この本態性高血圧の場合、カリウムを多く摂ると発症が抑制されることがわかったのである。

 弘前医大が行った東北地方の高血圧調査では、カリウムを多く含んでいるリンゴをたくさん食べる人と、そうでない人とを比べた結果、リンゴ村の方が高血圧の人が少なく、そうでない方は高血圧の人が多かった。その後の実験でもこれが証明され、本態性効血圧を予防するにはカリウムを多く含んだ食品(例えば海藻、ヒマワリの種子、胚芽、アーモンド、レーズン、パセリ、ピーナッツ、イチジク、大豆、リンゴ、バナナ、ビワ、セロリ、ホウレン草、三つ葉などの野菜、果物類など)を十分に食べる必要があると報告している。

 カリウムの1日所要量は成人で2000mgなので、通常の食事をしていれば不足することはまずないといってよい。


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