プロケア通信 -22ページ目

紫イペ(タヒボ)

○紫イペ(タヒボ)


 紫イペは南米アマゾンの熱帯雨林に植生するノウゼンカヅラ科の樹木で、タヒボともいわれる。学名は、タブベイヤ・アベラネダエ。紫色の花を咲かせる食虫植物である。現地では古くから、この内部樹皮を煎じたものがお茶として常用されてきた。また、消炎薬として傷の癒しにも使われたと伝えられている。


 近年、紫イペに関する薬理研究は抗ガン性という観点から世界各国で行われているが、1965年、イタリアのカルロ・エルバ研究所の実験で、紫イペの樹皮に含まれるラパコールという物質(色素成分)に抗腫瘍作用があることが解明された。ブラジルでも1960年代から、抗生物質研究者や植物学者らによる研究によって実験が行われ、抗ガン剤や白血病に対する効果が明らかにされている。また、分裂が盛んな細胞へ強い障害性を持つことがインビトロで確認されているほか、マウスを使った実験で、紫イペの長期摂取による肝障害は見られなかったという報告もある。


 最近は日本でも研究が活発になり、坂井俊之助(金沢大学がん研究所免疫生物部)の紫イペの疾病予防効果の研究や、、医師による臨床試験も精力的に行われている。ここでは、大森隆史(大森内科アレルギークリニック)の臨床報告を例にあげる。


 「C型肝炎から肝硬変、肝臓ガンにまで進んだ患者に対し、1回に0.5gの紫イペエキスを1日3回、毎食後に服用してもらった。これ以外の治療としては、肝炎のために肝臓庇護剤、ビタミン剤の投与だが、これらには抗ガン効果の期待できる薬効はない。紫イペを服用して1~2週間は特に自覚症状はなかったが、3週間後の血液検査で驚くような結果が出た。肝臓のガン細胞が作り出すアルファフェトプロテイン(AFP)という腫瘍マーカーが激減していたのである。さらに免疫力を示すNK細胞活性も増加していた。


 確認のために行った腹部エコー検査、腹部CT検査においても肝臓内のガン組織の縮小、大動脈リンパ節の縮小がはっきりとわかった。3ヵ月後には腫瘍マーカーはほぼ正常化し、肝臓内のガン組織を注射針で採取して顕微鏡で確認したが、ガン細胞は認められなかった。わずか3ヶ月という、非常に短い期間で肝臓ガンが縮小し、リンパ節への転移も改善したわけである。」


 大森はこの経験をきっかけに紫イペのガンの免疫療法をスタートさせ、以後も紫イペを利用してのガン治療は続いているが、この症例のように紫イペ単独の効果がはっきりとわかるデータは貴重なものである、と大森は述べている。


 また、「免疫療法でガンを治療する場合、数種類の物質を用いて行うため、もし治療効果があってもどの物質が一番効果的かどうかを判断することは不可能になる。その意味では、体験談で繰り返し報告されてきた紫イペの効果が、臨床場面でそれも単独の効果として客観的なデータで確認できたことに大きな意義があったと思う」としている。」


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トマト(リコピン)

○トマト(リコピン)


 ナス科の一年草果菜で、南米ペルー、メキシコが原産。日本へは江戸時代初期、オランダ人によってもたらされたが、もっぱら観賞用にされ、明治時代に西洋の野菜として再登場してからも特有も匂いが好まれず、市場で扱われ始めたのは60年位前のことである。


 その後、品種改良が進み、近年では青臭さと酸味の少ないものが多くなった。生食、炒め物、煮物、、サラダ、ジュースなど、利用形態はバラエティーに富んでいる。


 ビタミンCが豊富で、ほかにもA・B1・B2・B6、ニコチン酸、K・P・葉酸、ルチンなどをはじめ、鉄やカリウムなどミネラル類も多い。ヨーロッパではトマトのある家に胃病なしといって肉食偏重の食生活にトマトが有益であるとしているのは、ビタミンB6の脂肪代謝作用を指している。微量成分のビタミンPやルチンは毛細血管を強化し、葉酸は造血機能を活性化し貧血を改善する。トマトの酸味のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸によるが、これらは食物の体内での燃焼を促すので、気分爽快、疲労回復に役立つ。


 最近、トマトの赤い色素成分であるリコピンに注目が集まっている。リコピンはカロテノイドの一種で、トマト、スイカ、柿などに多く含まれ、強い抗酸化作用を持ち、ガン、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病の予防に役立つことが明らかになっている。リコピンの抗酸化作用は、同じカロテノイドの中まであるβ-カロチンを凌ぐとさえいわれている。この色素成分がネズミの大腸ガンの発生を抑えることを秋田大学医療技術短大部や京都府立医大などのグループが確かめ、日本がん予防研究会(1997年)で発表している。


 また、環境汚染物質によって引き起こされる肺疾患に効果があるとの研究も報告されている。これは、米国で開かれた国際シンポジウム「トマト食品の役割と疾病予防」で発表されたもので、ビタミンC、Eに加え1日12オンス(約340ml)のトマトジュースを摂取した場合、2週間で肺におけるリコピンレベルが12%増加すると共に、活性酸素による肺細胞DNAへのダメージが20%減少したという。


 このほか、メリーランド大学のコーチックらの研究によると、リコピンは活性酸素が原因となる目へのダメージにも有効で、視覚機能の維持に重大な役割を果たしているという。高齢化による視覚障害に有効なカロテノイドとしてはルテインがあるが、リコピンもルテインとの相互作用になって目の疾病に大きな効果をもたらすとされている。


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ウーロン茶

○ウーロン茶


 ウーロン茶は痩せるお茶としてブームを作り、いまや一般飲料として完全に地歩を築いた。典型的な半発酵茶の茶で、いわば緑茶と紅茶の仲間のお茶である。烏龍の名は、発酵によって茶の葉は烏のように黒くなり、形の萎縮して曲がりくねり、龍に似ているためである。


 ウーロン茶の効用として、最もよく知られているのは脂肪分解作用である。中国料理は一般に高カロリー、高脂肪で知られ、特に宴会用のフルコースになると、その量の多さもさることながら、油っこい料理が相次いで出されるので、胃の負担も重くなる。そのためウーロン茶を料理の間に飲んで、消化を促進し、次の料理が食べやすくなるようにということで、利用したといわれる。


 現在わが国の食生活は、高カロリー、高脂肪の傾向が高まり、そのため肥満を招くケースが増えている。そこで、ウーロン茶を食中・食後に飲めば、脂肪代謝を促進して、肥満の予防に役立つ。このウーロン茶の作用は、食欲増進、消化促進に加えて、脂肪分をスムーズに分解し、過剰な脂肪分が体内に残らないように働きかけるもので、肥満の予防作用はその結果の一つに過ぎない。ウーロン茶の効用で大事なのは、食欲を増進する中で、体の栄養バランスを正常に保つよう働くことである。


 ウーロン茶には花粉症などアレルギーに効果のあることも最近の研究でわかっている。藤田保健衛生大学医学部とメナード化粧品との共同研究で報告されたもので、ウーロン茶に含まれているカテキン類がアレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑制するとみられている。緑茶や紅茶よりウーロン茶の方が改善効果が強く、特にウーロン茶の茎に含まれているカテキン類からは高い効果が得られたという。


 現在、わが国で販売されているウーロン茶は多種類あり、さまざまである。その中でも良質とされているのが福建省・武夷山に産する武夷岩茶(鉄羅漢など)と、同じく安溪に産する鉄観音である。茶は地質によってその品質も異なり、福建省の岩茶はミネラルを含んだ岩山で栽培されるため、かなり豊富にミネラル分を含んだアルカリ性食品でもある。


 また、ウーロン茶の発酵度は半発酵で、その製法には微妙な感覚が要求され、長年の経験が活かされている。発酵は生葉を粉砕せずに日光に当て、さらにその後、室内で葉を萎ませながら葉内の酵素活性を高める。この過程で、生葉中にはない香気成分(ネロリドール、インドール、ジャスミンラクトンなど)が発現するといわれている。


 半発酵のウーロン茶は、緑茶と異なる点も多く、これがウーロン茶の特徴で、例えばカフェインが少ない。また、緑茶の場合は「宵越しの茶を飲むな」といい、これはタンニンの解毒・殺菌作用が弱まるためであるが、ウーロン茶は解毒・殺菌作用が変質しないため、宵越しの茶としても飲める。さらに長期保存しても緑茶のように変質する心配は少ない、などの特徴がある。



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