プロケア通信 -11ページ目

豆乳

○豆乳


 大豆を一晩水につけておき、すり潰して加熱し、ろ過すると乳状の液体が得られるが、これが豆乳の原型である。これは豆腐の製造過程で生まれるが、そのままでは青くさい大豆臭があり飲用には向かない。市販されている豆乳は、脱皮した大豆を熱処理し、においの原因となるリポキシゲナーゼ(酵素)を失活させて飲みやすくしたものである。


 良質のタンパク質を豊富に含むことから”畑の肉”といわれる大豆だが、豆乳は”畑の牛乳”ともいわれ、牛乳に匹敵する栄養食品として愛用者を増やしている。見た目にも両方とも乳白色でよく似ており、栄養成分を見るとどちらも甲乙つけ難いが、動物性食品と植物性食品の異なる特徴を待っている。


 タンパク質の含有量では、牛乳の方がいくぶん勝るが、アミノ酸の組成では豆乳が勝るとも劣らないほどで、豆乳は良質なタンパク源として価値が高い。


 豆乳が優れているのは含まれる脂肪酸の違いである。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分かれるが、飽和脂肪酸を摂りすぎると血中コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化の原因となることがよく知られている。日本食品標準成分表を使って単純に比較してみても、牛乳には100g当たり2.33gの飽和脂肪酸が含まれているが、豆乳は0.35gで6分の1以下である。逆に不飽和脂肪酸は牛乳が0.99gであるのに対し、豆乳は1.4gと1.5倍も含まれている。


 牛乳はカルシウムを多く含み、骨を丈夫にするということから成長期の子どもには大切な食品であるが、成人以上では牛乳の脂肪分にも配慮する必要がある。高齢社会に入ったわが国では、加齢によって引き起こされる疾患が急増しており、大きな関心事となっているが、骨粗鬆症もその一つだ。現在、日本には900万人の骨粗鬆症患者がいるといわれるが、そのうち8割(700万人)は女性である。骨粗鬆症は女性ホルモンと深く関わっており、閉経とともにエストロゲン(女性ホルモン)が減少することによってカルシウムの吸収力が低下し、閉経後の5~7年では毎年2~5%の骨が失われていくといわれている。豆乳にはエストロゲンと同じ働きをするイソフラボンが豊富に含まれている。骨の健康を増進させるには、単にカルシウムの摂取量を多くするのではなく、それを効率的に吸収するために必要な各種ビタミン類の補給も必要だ。牛乳だけでなく、豆乳も上手に利用するば、脂肪の摂りすぎを心配せずに効果が上げられるだろう。


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よもぎ

○よもぎ


 本州をはじめ四国、九州などの山野で普通に見かける多年草。春先の若葉は草餅に搗き込むことでよく知られ、非常に身近な薬草として古くから親しまれてきた。分献での初出は『万葉集』で、すでに奈良朝の末期には5月の節句に、菖蒲とともに軒先に飾る風習があった。これは「毒気を払う」という中国の風習に由来するといわれている。


 ヨモギの葉は「艾葉」といい、漢方では消炎、収斂、止血、止瀉薬とする。また、他の生薬との合法で腹痛や下痢止め、利尿、解熱、鎮咳、便秘、動脈硬化、慢性肝炎などと応用範囲が広い。


 ヨモギには、老化防止にもつながる生体内過酸化脂質抑制作用があるとする研究も発表されている。その作用機構はラジカル基の消去作用でSOD活性と同様の作用を有し、その作用成分の本体は、コーヒー豆などに含まれるカフィータンニン類であることが明らかにされている。また、ガンに効果的だという研究報告(東大伝染病研究所・小島保彦)もある。それによればヨモギの中にインターフェロン・インディーサー(インターフェロンを増やす物質)を発見しマウスで実験したところ、ガンが減少していくのが認められたという。


 また、ヨモギ中のカフィータンニン類にはヒト白血球でのアレルギー物質ロイコトリエン類の生成を抑制することも明らかにされている。健康食品として評価が高いプロポリスにもヨモギと同様の成分が単離されているが、これはヨモギ類がアレルギー性疾患に有効である可能性を示すもので、最近はヨモギエキス含有の石鹸やシャンプーなども市販されていることも興味深い。


 ヨモギの葉にはシネオールなどの精油のほか、酵素、多糖類、ビタミン・ミネラル類の含有量も多く、とくにカロチンが100g中に3600ug(ビタミンA効力2000IU)もあってホウレン草の3100ug(1700IU)を凌ぐ。春先のシーズンにはぜひ積極的に摂取したいものであるが、最近は健康食品として青汁タイプやお茶タイプのものも出ている。通常食品ではヨモギ麩、ヨモギパンなどの形で用いられている。


 葉の裏の白い綿毛は「モグサ(艾)」としてお灸に使われるが、その煙には強い殺菌作用が認められている。モグサの原料は日本では「オオヨモギ」、中国では「チョウセンヨモギ」を使うのが通例である。


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活性炭(ヘルスカーボン)

○活性炭(ヘルスカーボン)


 農薬や睡眠薬による急性中毒の際、その強力な吸着材としての作用で治療に使われるのが薬用活性炭である。毒物を吸着させて体外に排出する力が強力であるが、副作用(便秘)が強く、常時摂取することはできない。


 そこで、薬用の活性炭を天然のオリゴマンナンと昆布やヒジキなどの細胞膜成分(アルギン酸カルシウム)でコーティングし、便秘などの副作用が起きないように改良を加えたのが、食べる活性炭として注目されているのがヘルスカーボンである。近年、このヘルスカーボンを活用して、体内に蓄積したダイオキシンを排出させる効果に関心が集まっている。


 国のダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシンの耐用1日摂取量(人が一生涯にわたって摂取しても健康に有害な影響が現れないと判断される、体重1kgに対する1日当たりの摂取量)は4ピコグラム(ピコは1兆分の1g)とされている。しかし、体内に蓄積されたダイオキシン濃度が半減するには5年から10年かかるといわれている。そのため、ダイオキシンの耐用1日摂取量を現時点でいくら低く設定しても、すでに体内に蓄積されたダイオキシン量が減るわけではない。このジレンマを解決するのがヘルスカーボンである。


 活性炭の粒子には目に見えない穴が多数あり、この穴に有害毒物が吸着されるわけだが、ヘルスカーボンの吸着領域は分子量が100~90000の物質で、この範囲にはダイオキシンなどの環境ホルモンも入る。ヘルスカーボンを使ったダイオキシン除去方法は大きく2つ有る。1つは食材を洗う水や料理を煮るときに一緒に使うことで、食材に含まれているダイオキシンを吸着してしまう方法。もう1つは、ヘルスカーボンを食事中か食事前後に食べることで、腸管内のダイオキシンを吸着し、体外に排出して行く方法だ。肝臓にダイオキシンが蓄積しているラットに1週間ヘルスカーボンを食べさせると、肝臓の残留ダイオキシンがなくなったという報告がある。これは十二指腸に排出されたダイオキシンを吸着・排出し、ダイオキシンの腸肝循環を阻止したと見られる。


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